【レポート】DEZERT主催<This Is The FACT>で激突6時間「この5バンドだけは裏切れない」

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2017年1月29日、新木場STUDIO COASTにてDEZERT主催イベント<DEZERT PRESENTS【This Is The“FACT”】>が開催された。

◆<DEZERT PRESENTS【This Is The“FACT”】>出演者 画像

MUCC、LM.C、A9のキャリアを積んだ先輩バンドたちを招き、NOCTURNAL BLOODLUST、アルルカン、DEZERTのほぼ同世代のバンドが同じ条件 (全バンド演奏時間は約45分) で同じステージに立ち、火花を散らす本イベントは、大会場でのワンマンライヴなど様々なことを乗り越えて今なお一線で活躍する3バンドと上を目指して戦い、乗り越えようとしている次世代の3バンドの“今”をぶつけあわせるという意図のもと企画されたもの。DEZERTの千秋 (Vo) は「両方の世代のバンドを観て、その違いも好き嫌いも含めていろいろなことを感じてほしい」と発言してきたが、6時間半にもおよんだライヴの全バンドを制覇した人が多かったのではないだろうか。開演の15時から終演の21時30分まで場内は満員状態のオーディエンスで埋め尽くされていた。



先輩も後輩も関係ナシのタイムテーブルもいかにもDEZERT主催イベントらしく、先陣を切ったのはA9だ。ステージ上のメンバーは全員、ミリタリー調の新衣装。「最初から飛ばしていこうか!?」と将 (Vo)が叫び、歓声の中でライヴは初期からのアグレッシヴなキラーチューン「九龍- NINE HEADS RODEO SHOW-」で幕を開けた。キレの鋭いギターサウンドが小気味良い「ヴェルヴェット」など代表曲たちが連続投下され、ハンドクラップやジャンプで煽る攻めのステージに場内の空気が熱くなっていくのが肌で感じられる。2017年に結成13周年を迎えるA9のバンドアンサンブルや将のヴォーカルは年を経るごとにパワーアップしているが、5人が揃った時の華やかさやキラキラ感をキープし続けているのは驚異的だ。

本イベントに誘われたのがキッカケで名古屋でDEZERTと2マンライヴを行ない、セッションで将がDEZERTの曲をカヴァーするなど急速に仲が深まったことに触れ、「今日、こうやってトップバッターを任せてもらえたのも何かの因果かなと思って、やる気ブチあがっております!」と場内を沸かせた。中盤では2月28日にリリースされるメロディックかつヘヴィなアッパーチューン「MEMENTO」をいち早く披露。後半ではそれぞれの個性が爆発のメンバー紹介で盛り上がりすぎてしまったため、将が「重大発表があります。MCをしすぎてあと1曲しかできません!」と報告するハプニングも。ラストナンバーを真紅の照明の下、インディーズ時代からファンを魅了し続けてきた官能的でダイナミックなヘヴィチューン「闇ニ散ル桜」で締めくくった。



2番手に登場したのはノクブラことNOCTURNAL BLOODLUSTだ。半端ない熱量のライヴがヴィジュアル系やラウド系の枠を超えて支持されているバンドだが、この日ものっけからテンションをいっきに高める「V.I.P」を投下。尋 (Vo) の強力な咆哮、ひらひらした衣装でくるくる回りながらテクニカルなギターソロを響かせるCazqui、初めて見る人を圧倒する轟音もさることながらその得体の知れない存在感が胸をザワつかせる。2曲目の「銃創」では早くもサークルモッシュが沸き起こり、STUDIO COASTはカオスと化すが、ノクブラは攻撃の手をゆるめることがない。

「カロリーの消費量が激しいと言われる……略してノクブラと申します。今日はDEZERT主催ということで、こうして先輩たちをたくさん呼んでくれたことを誇らしく思います。俺たちは相も変わらず激しいぶつかり合いをしたいので、本気でかかってこいよ! せっかく来たんだろ!? ちゃんとシェイプアップして帰れ!」──尋

SっぽいMCで煽り倒し、途中、メロディックなミドルチューン「the strength I need」を挟んだものの、拳が突き上げられ、WOD (※Wall of Death) でエキサイトする激烈なナンバーで嵐のように駆け抜ける潔いステージを見せつけた。



ノクブラの戦闘モードをガラリと変えてオーディエンスを巻き込んだのは、2016年に10周年を迎えたLM.Cだった。大声援の中、ライヴは最新アルバム『VEDA』のリード曲「The BUDDAH」からスタート。ファンクなビートにオリエンタルなエッセンスをぶち込んだナンバーを披露し、maya (Vo) が「ここは(高田馬場)AREAと変わんねーよ!」と沸かせ、代表曲のひとつ「OH MY JULIET.(王様ver.)」ではコール&レスポンス。会場の空気全体をリラックスさせて盛り上げていくステージ運びはワンマンだろうがイベントだろうが、どこでもザッツエンターテインメントなLM.C流だ。フックのあるギターリフでAijiが魅了し、自由奔放なmayaがアドリブを混じえて歌うなど、そのハッピーなムードが会場全体に波及していく。

「楽しんでますか? LM.C、観るの初めてっていう方もいらっしゃると思うんですが、勝手に仲間だと思っているのでよろしくお願いします。踊りましょうか?」──maya

と問いかけたキャッチーなダンスチューン「SUPER DUPER GALAXY」では“新木場COAST” “This Is The "FACT"と会場に叫ばせてテンションを上げ、「PUNKY♥HEART」ではシンガロング。6バンドの中で最も異色な存在とポップな音楽性を逆手にとって楽しませた。



「四番手、アルルカンです。よろしくお願いします」という声が響き、幕が開くと同時に切ない旋律と歌詞が印象的な「白い鬱」が演奏されるというオープニングで意表を突いたのはアルルカンだ。センシティブなバンドアンサンブルでじっくり聴かせたかと思うと、暁が「全部よこせ!」とシャウトし、場内がヘドバンの海と化した「暁」へ。狂おしい激しさと情緒的なメロディが交錯する楽曲や、切迫した想いが伝わってくるヴォーカルは彼らの武器だ。この日、出演した若手のNOCTURNAL BLOODLUST、アルルカン、DEZERTはいずれもライヴでのし上がってきたバンドだが、そのことがダイレクトに伝わってくる演奏とパフォーマンスが繰り広げられた。

「今日は友達から“楽しいことをやろう”と言われて僕はここに来ました。みなさんも同じようにその気にさせられて、ここにいるんだと思います。目でもいいし、表情でも声でも身体でもいいし、自分のやり方で楽しんでください。45分中、一瞬でもいいからここを高田馬場AREAにしたいわけです」──暁

暁がLM.CのmayaのMCを受けるような発言で沸かせ、不穏なギターの響きからして彼ららしい「カルマ」より後半戦へと突入。どんどん熱を帯びていくステージングにフロアもカオス状態になり、全てを吐き出すような「ダメ人間」でライヴを締めくくった。



開演から4時間半、MUCCが登場すると拍手と野太い歓声が沸き起こった。オープニングは初期の名曲「アカ」で、逹瑯 (Vo) のシルエットのみが赤く浮かび上がる照明も含めて強烈なインパクト。

「DEZERTをぶっ潰しに来ました! MUCCです!」──逹瑯

と逹瑯が宣戦布告し、ライヴのキラーチューン「蘭鋳」を2曲目に持ってくるまさに容赦ないセットリストだ。この展開にオーディエンスが興奮しないわけはなく、リリースされたばかりの最新アルバム『脈拍』からスリリングで緊張感あふれる「絶対絶命」を初披露。無駄なものがそぎ落とされたソリッドな演奏によってミヤ (G)、YUKKE (B)、SATOち (Dr) の強靭なプレイが際立ち、達瑯の表現力豊かなヴォーカルに圧倒される。不動のメンバーで結成20周年を迎えるバンドの凄みが速攻で伝わるステージはさすがとしか言いようがない。

「DEZERTのメンバーさん、今日は本当にありがとうございます。今日は勢いのある若手とそれを迎え撃つ私たちと二極化しているわけですが、DEZERTをもっと孤立させてやろうと思って“DEZERT vs それ以外”にしてやろうと(笑)。良いバンドは早めに打っとかないとね(笑)。今までも何回か打ってるんですけど、それでも伸びてくるので、とどめを刺しにきたMUCCです。これだけのメンツを並べて最後に出るDEZERTは相当気合入っているので楽しみにしてほしいと思います。こういうイベントがどんどん増えるといいよね」──逹瑯

毒を吐きながらもDEZERTへの愛情が込められたMCで場内を笑顔にさせ、スケール感たっぷりの「ハイデ」へ。初期の代表曲「大嫌い」では天井から派手にスモークが噴射され、モッシュで大騒ぎ。ラスト「脈拍」まで一瞬たりとも飽きさせることがなかった。



MUCCに煽られて“さぞやプレッシャーか”と思いきや、主催者でありトリを務めたDEZERTはやはり打たれ強いバンドだった。幕開けの曲はいきなり「殺意」で場内がヘドバン全開。千秋は曲の途中、逹瑯の名前を口にして“殺意殺意”と叫び倒した後に「嘘です。達瑯さん、ありがとうございます」と沸かせ、「君の子宮を触る」、「肋骨少女」と代表曲を立て続けに放つ。ぶっとく激しい演奏にもちろんフロアは大興奮。次に何が起こるか予測不可能なスリルが彼らのライヴにはつきまとう。そこが魅力だ。

「まさか、“この後に出演バンド全員が登場する”とか勘違いしてる人、いませんか? そんなのないから。でも、今日出てくれたバンドは冗談抜きで、みんな好きです。今年は<This Is The "FACT">に出た6バンドだけ幸せになってくれれば、俺はええと思います(笑)。この5バンドだけは裏切れない。俺らは好きにやるので、別にのらなくても大丈夫」──千秋

と前置きして披露した新曲はストレートなバンドのアプローチといい、1回聴いただけで刺さるサビのメロディといい歌詞といい、「変態」で突き抜けたDEZERTの現在進行形を感じさせてくれるナンバーだ。千秋のソングライターとしての才能をあらためて感じる楽曲でもあった。

そして「大塚ヘッドロック」からの後半戦はモッシュ、WOD、ヘドバンでフロアがぐしゃぐしゃの状態に突入。「死刑宣告」では客席に飛び込んだ千秋が人の波の中をかき分けて歌い、この狂熱のイベントが終わるのを惜しみつつ、ラストナンバー「秘密」へ。予告通り、セッションもなければアンコールもない潔さでステージを終了した。

世代を超えた6バンドが同じ土俵に立ち、先輩も後輩も遠慮なしで自分たちのライヴをまっとうした全6時間半。だからこその繋がりを感じさせてくれた<This Is The "FACT">は素晴らしいイベントだった。第二回目が開催される日を楽しみにしたい。

取材・文◎山本弘子

■<DEZERT PRESENTS【This Is The“FACT”】>
2017年1月29日(日)@新木場STUDIO COASTセットリスト

【A9】
1.九龍
2.ヴェルベット
3.G3
4.MEMENTO
5.birth in the death
6.ANIMUS
7.闇二散ル桜
【NOCTURNAL BLOODLUST】
1.V.I.P
2.銃創
3.DEAD END
4.EXCEED
5.the strength I need
6.I-V-III
7.Trigger
8.Malice Against
【LM.C】
1.The BUDDHA
2.OH MY JULIET. (王様 ver.)
3.@FUNNY PHANTOM@
4.MOGURA
5.SUPER DUPER GALAXY
6.meteorion
7.PUNKY❤HEART
8.Chameleon Dance
【アルルカン】
1.白い鬱
2.暁
3.墓穴
4.人形-ヒトガタ-
5.カルマ
6.クオリア
7.ハッピーセット
8.「私」と"理解"
9.ダメ人間
【MUCC】
1.アカ
2.蘭鋳
3.絶体絶命
4.絶望
5.ハイデ
6.茫然自失
7.大嫌い
8.脈拍
【DEZERT】
1.Baphomet Strike
2.「殺意」
3.「君の子宮を触る」
4.肋骨少女
5.「不透明人間」
6.新曲
7.「変態」
8.大塚ヘッドロック
9.包丁の正しい使い方~終息編~
10.死刑宣告
11.「秘密」
12.「切断」


■<DEZERT LIVE TOUR 2017 “千秋を救うツアー”>

2017年2月15日(水)池袋 Black Hole
OPEN/START 17:30/18:00
2017年2月20日(月)千葉 LOOK
OPEN/START 17:30/18:00
2017年2月22日(水)小田原 姿麗人
OPEN/START 17:30/18:00
2017年2月24日(金)名古屋 ハートランド
OPEN/START 17:30/18:00
2017年2月26日(日)松阪 M'AXA
OPEN/START 17:00/17:30
2017年2月28日(火)京都 MUSE
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月02日(木)大阪 DROP
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月03日(金)奈良 ネバーランド
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月06日(月)神戸 太陽と虎
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月07日(火)岡山 ペパーランド
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月09日(木)広島 BACK BEAT
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月11日(土)山口 LIVE rise 周南
OPEN/START 17:00/17:30
2017年3月13日(月)福岡 glaf
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月14日(火)福岡 glaf
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月16日(木)熊本 DRUM Be.9 V2
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月19日(日)宮崎 SR BOX
OPEN/START 17:00/17:30
2017年3月20日(月/祝)鹿児島 SR HALL
OPEN/START 17:00/17:30
2017年3月22日(火)高松 DIME
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月24日(金)徳島 CROWBAR
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月25日(土)高知 X-pt.
OPEN/START 17:00/17:30
2017年3月28日(火)大阪 FANJ twice
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月29日(水)名古屋 UP SET
OPEN/START 17:30/18:00
2017年3月31日(金)浜松 Force
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月02日(日)浦和 ナルシス
OPEN/START 17:00/17:30
2017年4月04日(火)郡山 LIVE STAGE PEAK ACTION
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月05日(水)仙台 MACANA
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月08日(土)盛岡 the five morioka
OPEN/START 17:00/17:30
2017年4月11日(火)札幌 Spiritual Lounge
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月12日(水)札幌 Spiritual Lounge
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月13日(木)札幌 Spiritual Lounge
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月16日(日)宇都宮 KENT
OPEN/START 17:00/17:30
2017年4月18日(火)高崎 TRUST 55
OPEN/START 17:00/17:30
2017年4月21日(金)新潟RIVERST
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月23日(日)長野 ライブハウスJ
OPEN/START 17:00/17:30
2017年4月25日(火)金沢 AZ
OPEN/START 17:30/18:00
2017年4月29日(土)池袋 Black Hole
OPEN/START 17:00/17:30
▼チケット
全公演オールスタンディング
※前売TICKET: \3.500(ドリンク代別)


◆【対談】千秋 [DEZERT] × 逹瑯 [MUCC]へ
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