【インタビュー】KENZI (かまいたち)、ラストライブを語る「美学に反して活動するのは嘘になる」

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■ステージに立ったときのパワー
■そこしか生きていることを感じられない

──その<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>では、’80年代から活動していたバンド達はもちろん、かまいたち解散後に誕生した若手バンドとのコミュニケーションもあったと思うんですよ。KENchanから見て、若手バンドや現在のヴィジュアル系シーンはどういうふうに感じますか?

KENZI:<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>の当日はわりと忙しかったんですよ。写真チェックとか、YOSHIKI公式チャンネルとかTOSHI公式チャンネルとかも現場で出演してたりして。あとBY-SEXUALと同じ楽屋だったんで、すごく同窓会みたいな感じで楽しくて。デビューしたのもほぼ同時期のバンドなんでね。未だにBY-SEXUALのメンバーとも交流は深いし。中打ち(楽屋打ち上げ)でYOSHIKIも「KENchan、身体は大丈夫?」とか来て話をしてくれて。ほんまやったらこっちから行かなきゃいけないんですけど、みんな、向こうから声を掛けて来てくれたんですよ。嬉しかったですね。あい変わらず、SEXX GEORGE(LADIESROOM)が現場を仕切ってるのも(笑)。

▲<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>10月14日(金)@千葉・幕張メッセ9-11ホール/かまいたち 画像5点

──ははは。変わらない感じ?

KENZI:そう。でね、僕は新宿の歌舞伎町でSTAR CAFEというお店をやっているんで、いろんなバンドの若い子らも来てくれるし。THE DEAD P☆P STARSで若い子らとの交流もあるんですよ。でも、昔はバンド=不良やったんですね。一般社会がイヤでバンドをやっていたところも大きいんです。ところが今のバンドマンは不良じゃない。オタクなんですよ。昔はバンドマン同士で殴り合っても、熱血な感じで、最後にはお互いに「よっしゃ!」みたいなノリやったじゃないですか。今そんなことやったら訴えられるし、親も出てきそうやし(笑)。あとパソコンで書かれる。今、僕はアイドルのプロデュースとかもやっているんですよ。その視点から見ると、今はヴィジュアル系バンドがアイドルに向かっていって、アイドルがヴィジュアル系バンドに向かっているような感じもあって。歌舞伎町で店やっているから余計に思うんですけど、ヴィジュアル系バンドはホストですね。写真の映り方もそんなノリじゃないですか。それが時代といえば時代なんやろうけど、今のヴィジュアル系バンドはアイドルかホストみたいな感じ。その手の話をすると、話せないことも書けないこともいっぱいありますよ(笑)。

──もともとKENchanがバンドを始めたのは?

KENZI:自由になりたかった。それがイコールでロックすること。僕は遠藤ミチロウさんに出会って、人生が180度変わったんで。ザ・スターリンが大好きやし、ミチロウさんは僕にとって神みたいなもんなんで。あの人に会わなかったら、親の仕事を継いで、普通に生活してたと思います。でも僕はロックに出会って自分が強くなりました。ザ・スターリンもやった西部講堂でかまいたちがライブをしたときは、すごく嬉しかったし。パンク雑誌『DOLL』に載せてもらったときもムチャ嬉しくて、今も宝物として取ってありますよ。

▲SCEANA (Vo)

──でも、かまいたち自体は、決してザ・スターリンの遺伝子を強く感じさせるバンドではなかったですよね。自分達で“はちゃめちゃ狂”と名乗り、映画『ザ・ウォリアーズ』に出てくるベースボール・フューリーズのような格好でライブハウスに乗り込んだり、どこか生粋のパンクスとは違った雰囲気や楽しさを持ってました。

KENZI:そうですね。僕は映画とかプロレスとか、いいものは何でも採り入れてたんですよ。それで人を楽しませるとか、人が笑ってくれたらいいなって。そこからのスタートだったんで、僕にとってのバンドは。それでワケ分からん格好をしたり、ビックリさせるようなライブもやったり。歌舞伎のカツラをかぶってブリーフ姿で出ていったこともあるし。“いい曲を作ろう”とか“聴かせてやろう”って音楽的なことよりも、“今度はこんなことしてお客さんを楽しませよう”って。ヘヴィメタルとかのうまい人達からしたら、僕らはご法度なことばっかりやってた。だから、かまいたちはメンバー全員、遊びの延長でメジャーまで行ったんですよ。僕は今もそうなんですけど、ジャイアンツが好きだから、コードもGぐらいしか知らないんです(笑)。

──ははは。

KENZI:音楽をよく知っている人から見たら、かまいたちはナメられていたと思うんですね。でも、そこからもう32年もバンドやってきたら、周りからも「KENchan、凄いな」とか言われたりするんですよ。自分でも、ようできているなって思うときもありますね。それはやっぱりメンバーがいるからで、ありがたいなと思います。ただ、かまいたちのときもそうだったんですけど、失礼な話、僕はドラム嫌いだったんですよ。表現方法としてやっているだけで。プレイ的なうまさよりも、叩いているときの表情を見てくれと。あとステージに立ったときのパワー。そこしか生きていることを感じられない場所でもあるんで。

──その表現欲求は未だに止まらない?

KENZI:そうなんです。周りの人達からも、全然変わらないねって、よく言われるんです。いつまでも少年やな、とか。その通りで、僕はいつまでも子供と思ってますから。あと表現ということで言えば、僕はやっぱりインディーズが大好きですね。かまいたちもTHE DEAD P☆P STARSもメジャーで活動した時期もあったけど、自分の好きなことをやるにはインディーズが良くて。メジャーでもできるんやろうけど、お給料をもらっていたら、お仕事としてこなさなきゃあかんときも出てくるじゃないですか。本当に好きなことを手作りでやるにはインディーズで。今まで好きなことをほんまにできていて、後悔もない。多分、いろんな人から見たら、かまいたちも僕も負け組やと思うんです。でも、僕自身はこれで良かったと思いますね。お金持ちになったわけでもないし、地位があるわけでもないけど、こうやって今もステージに立てるのが一番の財産。それは良かったな、と50歳を超えて思うところですね。さっきもSCEANAと山ちゃんから連絡が来たんですけど、今度のステージも全力でやらなあかんなって。

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