【ライブレポート】<千歌繚乱vol.13>、若手V系バンドのリアル

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8月29日(火)、BARKS主催の若手ヴィジュアル系ライブイベント<千歌繚乱>が渋谷REXにて開催された。

◆ライブ写真

第13回目の公演となるこの日は、ヴァージュ、MEIDARA、DIMLIM、メリーバッドエンド、GRIMOIRE、シェルミィの6バンドが出演した。始動して数カ月というバンドから、地方で名を上げるバンド、世界観を作りこんだバンドなど、ひとくちに“若手ヴィジュアル系バンド”と括れない多彩なラインナップだ。本記事では、それぞれのバンドが作り上げたステージの模様をレポートしていく。


ドラムのハイハットの音とともに1バンド目、ヴァージュのステージが幕を開ける。最初に披露されたのはヴァージュのライブの定番曲「二枚舌」だ。遼(Vo)が「ぶっとんで来い東京!」と叫ぶと観客は一斉にジャンプ。激しい楽器隊の演奏にあわせファンからは拳を使ったヘドバンも繰り出され、フロアは一気にヴィジュアル系らしい“非現実”の世界へ。

3曲目に披露された最新シングル曲「凶夢」では、透明感ある遼の歌声がひときわ際立つ。この曲では沁(B)が一曲通してスラップでベースを奏でているのもポイントだ。ラストの「お人形遊び」ではAメロから皆が激しく頭を振る。それでも足りないとばかりに遼はフロアに激しく怒声を浴びせ、何度もヘドバンのループが起きる。一転サビでは聴きやすいサビに合わせてファンの手扇子が舞い、美しさと激しさを兼ね備えたヴァージュならではの光景が生まれた。ヴァージュのステージは「叫べ!」「もっと来い!」という煽り以外はMCもなく、ひたすらに彼らの描く感情的でダークな世界観に浸ることができるものだった。

◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・ヴァージュ、目指すは雲の上の存在


続くMEIDARAは、メンバー全員が般若の面をかぶって登場。和風メタルなSEが終わると一斉に般若の面を取り、その世界観のまま「鬼の目にも」「ENNMA」を披露する。バンドのモチーフである“鬼”を体現したような選曲で、初っ端からインパクトを与えてくれる。血しぶきのついた和服を振り乱すメンバーと、ファンが一緒になって頭を振っている様にも圧倒される。

そこから“お腰につけたきびだんご”というフレーズが印象的な「ココロナシ」、嫉妬を描いた「飼愛は主を喰らう。」など、本公演の翌日にリリースされるミニアルバム『六道輪廻』からの楽曲を次々披露していく。和の要素を取り入れながらもそれに引き摺られすぎない音楽性は、MEIDARAならではのものだろう。全5曲、いずれも疾走感あるサウンドで勢いよくステージを終えた。

◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・MEIDARA、「僕らは中身のある音楽をやっている」


イベントの中盤を担うDIMLIMは、圧巻のステージを作り上げる。メンバー全員の演奏力が高いので、体の奥底までずんと音が響いてくるのが実感できた。もちろん演奏力だけでなくライブ自体にも楽しみどころが満載だ。「MASSACRE」では「さっさとしろ、クソが!」という聖(Vo)の煽りでフロアは上手、下手に二分され、ウォールオブデス。フロアのファンは激しくぶつかり合い、ごちゃまぜになる。

シャウトやデスボイスを多用したメタル寄りの楽曲が次々と披露されていき、「初潮」ではサビの美しいメロディと間奏の感情的な聖の叫びに心を打たれる。ファンは音に合わせヘドバン、ジャンプを繰り返し、メンバーもそれに応えるような激しいステージング。ラストの「Regret」まで、まさに怒涛という言葉がぴったりのステージが繰り広げられた。

◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・DIMLIM、重くて暗いサウンドと負の感情の融合

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