【インタビュー<前編>】フルカワユタカ、2017年を振り返る「意味が後からついてくるんです」

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■こんなに協力してくれるんだ?
■ってことにジーンとしてます

──SHELTER 3DAYSはすべてのチケットが完売したそうで熱狂の3日間となりそうですね。そして、もう一方の<フルカワユタカ presents「5×20」>ですが。

フルカワ:現時点ではまだ出来る話も限られますけど、そもそもこのフェスは……本音を言えば、仕切り直す感じなんです。『And I’m a Rock Star』をスタートラインにソロとして丸1年突っ走って。“男気出そうぜ”って2018年を見据えた勝負が、新木場STUDIO COASTなんですよ。

──ソロ5周年とか活動20周年もあるけど、フルカワさん自身のタイミングとして大きく動く時が来たと?

フルカワ:“花火上げなきゃ”って何かを探してたことに違いないです。お尻にデカい目標を立てたら、そこに向かって他の話もどんどん出来上がっていくものだっていうのは、僕の経験上あるんです。ドーパンの時もまず花火を打ち上げたほうが動きやすかったりしたんですよ。歯車がひとつ狂うと話がどんどんおかしい方向へ転がってしまうんですけど、それもわかった上で、「やらないとね」っていうのが新木場STUDIO COASTです。ドーパン時代を知ってるファンからすると、新木場STUDIO COASTが花火かどうかわかりませんが、今の僕にとってはやはり冒険なので。

──ファンと出演ミュージシャンに感謝も込めて?

フルカワ:そうです、お世話になった人を呼んで“フルカワユタカフェス”じゃないですけど。そういうイベントは実現不可能じゃないし、おもしろい。全然書いてもらっていいですけど、“周年”っていうのは多少のこじつけがあったのかもしれない。それよりも、身動きが取れなかった自分に戻っちゃうわけにいかないという。それぐらいやらないと、止まっていた2年をひっくり返すようなエネルギーにはならないんじゃないかなって。

──11月8日時点で発表されてる第一弾出演者は、the band apartとBase Ball Bear。

フルカワ:もちろんもっとたくさんのアーティストに出てもらうんですけど、第一弾として発表できたのは、奇しくも<Play With>で去年対バンした2バンド。別に狙ったわけでも何でもなくてホントに偶然ですが、去年からストーリーが続いてる感じがキレイですよね。<5×20>の表紙をめくったら1ページ目にその2バンドがまず発表されてるっていうのは。ファンの反応もけっこう熱かったし。

──第二弾以降の出演者発表にもますます期待が高まるところで。

フルカワ:期待しててください。“フルカワユタカと言えば”っていう予想通りの人ももちろん出演しますし、“そことまた同じステージ立つんだ!?すごいな!”っていう人たちも数組いたり。もしかしたら急遽「やっぱ出ねえ」ってことになりかねない人もいるかもしれないですけど(笑)。自分がビックリするぐらいブッキングが上手くいってるんですよ。

──BARKSコラムでは“嫌われていた”発言も少なくないですが、賛同してくれる方々ばかりだと。

フルカワ:みんなの評判として、僕は憎まれっ子なんです(笑)、それが世にはばかるかどうかは別としてね。なので、そのわりにみんながこんなに協力してくれるんだ?ってことにジーンとしてます。

──それだけでも、このフェスを開催する意味がありますね。

フルカワ:やっぱり意味が後からついてくるんですよ。僕はくすぶりから取り戻す気持ちで、手を伸ばしただけなんです。“バンド時代にはなかったな”ってふと考えるというか……ドーパンの時は先に理論武装じゃないですけど、肉付けまで考えて旗立ててましたからね。

──今のほうが自由度も増してるんじゃないですか?

フルカワ:その感じ、思い当たりますね。ドーパンの時は他のミュージシャンたちとの交わりがなかったから、自分の思い通りの肉付けだけだったんです。それが今は、周りから肉付けられてますもんね。市川さんとか、ベボベやバンアパ、先日のコラムで書いた細美くんとのこともそうかもしれない。そうか、人と関わって活動すると、自分が立てた目標に想像以上の意味合いがついたりするんだな……そういうことなのかもしれない。今は、あんまり考えずにいろんなことが出来てる。ある種、自信があるのかもしれないですね。

──DOPING PANDA時代の、決して周りと肩を組むようなことはしない尖り方も良かったですけどね。

フルカワ:そう信じたい、じゃないとあまりにも寂しいから(笑)。昔の話を耳にして穴があったら入りたい時もありますけど、だからって否定するものじゃないんですよ。武勇伝とまでは言わないけど、尖ってた過去に誇らしい気持ちはないかっていうと少しはあるんです。

──<5×20>でのフルカワさん自身のステージはどんなものに?

フルカワ:僕は今、ドーパン時代の楽曲を解禁して、セットリストに組み込むことが普通になってるじゃないですか。例えば“無限大ダンスタイム”っていう名前をつけると、ドーパンの曲やるんだろうなってみんなが注目してくれるのもわかってる。それは自分でも腑に落ちてるんです。そんな中で、いろんなゲストが出た後に見せなきゃいけないのは、『emotion』で奮闘していた時期も、くすぶってた時期も、そしてメンタル的にオープンでポジティヴになってる今も含めて、新井弘毅や村田シゲっていうフルカワユタカバンドの5年、それを会場にいるオーディエンスとミュージシャンに見せる場にしなきゃいけないなって。

──あえて訊いちゃいますけど、その場限りだったとしてもDOPING PANDAの復活に期待しちゃう部分もありますが(笑)。

フルカワ:もちろんそうでしょうけど(笑)。あの……これはもう政治家のような言い方になっちゃいますけど……ぶっちゃけ何もないんです、何もないんだけど、じゃあほんとに可能性ゼロかっていうとわかりません。20周年で一番僕と関係が深いのは、木下理樹でもなければ須藤寿でもない。やっぱり稲葉隼人と北條太朗なんです。そこは常に頭をよぎりますよ。ただ、そんな簡単なもんじゃないです。

──そのためにやるフェスではないですしね。

フルカワ:まあ何が起こるかは、人生だからわかんないですけど、そんなことに期待してほしくないし、フルカワユタカを観に来てください。タロティとHAYATOには「観に来てよ」って声を掛けてるので会場に来てはくれるんじゃないかな、それは間違いなく(笑)。

取材・文◎梶原靖夫 (BARKS)

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■シングル「days goes by」

2017年11月8日(水)発売
【CD】NIW136 1,700円 +税
01. days goes by
※Guest Backing Vocal:ucary valentine
※Producer:TGMX
02.ケモノ('12年6月)
03.'12年4月 ariki pt1('12年4月)
04.'13年7月 2step('13年7月)
05.ハネたバラード('13年7月)
06.isolation ('14年10月)
07.ariki pt2 ('13年11月)
08.deep sleeper inst ('15年9月)
09.欲望 ('16年2月)
10.メロコア ('16年7月)
11.tropical ('17年8月)
12.フェアウェル ('12年12月)
※新曲1曲+[ボーナストラック]デモ音源11曲収録


■アルバム『Yesterday Today Tomorrow』

2018年1月10日(水)発売
NIW137 3,000円(+税)
01. revelation
02. シューティングゲーム
03. busted
04. 僕はこう語った
05. days goes by
06. デイジー
07. DAMN DAMN
08. nothin' without you
09. バスストップ
10. no boy no cry
プロデュース:TGMX(FRONTIER BACKYARD)
▼ゲストヴォーカル
M1:LOW IQ 01
M5:UCARY & THE VALENTINE
M8:米田貴紀(夜の本気ダンス)
M9:荒井岳史(the band apart)
▼作詞
M7:須藤寿 (髭)

■全国ツアー<フルカワユタカ presents 『yesterday today tomorrow TOUR』>

2018年1月13日(土) 愛知県 伏見JAMMIN'
2018年1月14日(日) 大阪府 Shangri-La
2018年2月11日(日・祝) 静岡県 Shizuoka UMBER
2018年3月17日(土) 岡山県 岡山ペパーランド
2018年3月18日(日) 福岡県 INSA
2018年3月21日(水・祝) 宮城県 enn 3rd
【チケットオフィシャルサイト最速先行受付】
受付URL http://www.getticket.jp/g?t=e9fmz3z  (PC・携帯・スマホ)
受付期間:〜11月13日(月) 23:59

■<フルカワユタカ SHELTER 3days>

▼11月28日(火)下北沢 SHELTER「バック・トゥ・ザ・インディーズ」
サポートメンバー bass: 村田シゲ (ロロロ) / drum: 福田忠章 (Frontier Backyard , Scafull King)
▼11月29日(水)下北沢 SHELTER「フルカワユタカはこう弾き語った」
▼11月30日(木)下北沢 SHELTER「無限大ダンスタイム’17」
サポートメンバー guitar: 新井弘毅 / bass: 宇野剛史 (QUADRANGLE,GOLIATH) / drum: 鈴木浩之 (U&DESIGN, QUADRANGLE,GOLIATH)
▼チケット
全公演 前売り¥3,500(税込、D別)※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888 (weekday12:00~19:00)

■<フルカワユタカ presents「5×20」>

2018年1月28日(日)新木場STUDIO COAST
開場13:15 開演14:00
出演:フルカワユタカ / the band apart / Base Ball Bear / …and many bands , musicians
▼チケット
スタンディング 4,800円(税込)
※ドリンク代別
※3歳以上要チケット
一般発売:2017年11月25日(土)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888 (weekday12:00~19:00)

■<FRONTIER BACKYARD 6th album「THE GARDEN」Release Tour>

2017年11月10日(金)宮城・仙台 enn 2nd
出演:ASPARAGUS / FRONTIER BACKYARD / フルカワユタカ
2017年11月11日(土)岩手・大船渡 KESEN ROCK FREAKS
出演:ASPARAGUS / FRONTIER BACKYARD / the band apart / フルカワユタカ
2017年11月12日(日)岩手・宮古 KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
出演:ASPARAGUS / FRONTIER BACKYARD / the band apart / フルカワユタカ
2017年11月14日(火)北海道・札幌 BESSIE HALL
出演:ASPARAGUS / FRONTIER BACKYARD / フルカワユタカ
2017年11月16日(木)青森・aomori SUBLIME
出演:FRONTIER BACKYARD / フルカワユタカ
2017年11月17日(金)宮城・石巻BLUE RESISTANCE
出演:FRONTIER BACKYARD / フルカワユタカ
2017年11月18日(土)栃木・HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
出演:FRONTIER BACKYARD/ CALENDARS / フルカワユタカ

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