【インタビュー<前編>】清春、『エレジー』完成「ダークさとか、今までやってきたことは剥せない」

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■僕のやってるこの形は
■きっと今の僕にしか表現できない

──<エレジー>公演で歌ってみて、とりわけお気に入りの曲はあるんですか?

清春:自分でも、“これは集中できてるな”って思うのは「rally」とか。あとは「輪廻」「アロン」あたりかな。「GENTLE DARKNESS」も。だいたいそういうのをアルバムに集めてる。

──きっと、そういう“来たぞ!”という瞬間が訪れるのは、日によって違うと思うんです。そこが観る側にとっても演奏する側にとっても醍醐味だったんじゃないかと。

清春:ホント、照明にしろ、音響にしろ、すごく左右される形態ですよね。

──ごまかしも効かないし。

清春:うん。仮に同じ体調だったり、同じ心持ちでステージに立っていたとしても、すごく敏感に左右される感じはある。誰も助けてくれないっていうか。バンドでいいのは、 “この曲間、入り方が良かった”とか“テンポが良かった”とか“グルーヴが超良かった”とかで、ボーカルは助けられる。それがバンドの良さなんだけど、これは皆無。もちろん、ギターの2人(中村佳嗣/大橋英之)はすごくよくサポートしてくれたんだけど。どっちかっていうと、フォローっていうよりは、よくスムーズにやらせてくれたなっていう感じはありますね。まあ、ギターも大変だね。66公演もあんなにずっとストローク弾いてるんだからさ(笑)。

──そうですね(笑)。スタジオ盤では、<エレジー>公演にはなかったロビン・デュプイさんによるチェロが入っていて、さらなる豊かな音像が楽しめます。

清春:彼のチェロ素晴らしいです。いま彼は山のなかに住んでるの。普段チェロを弾けるっていう理由で。で、仕事の時だけ東京に来たりとか、いろんな地方の公演で弾いてるっていう。それって素晴らしくないですか? 僕らには考え付かないもん。山のなかだったら歌えるから、そこに引っ越すようなもんでしょ? そこまで人生を音楽に捧げてるというかさ。僕らだったら、遊びに行きやすいところに引っ越したりするじゃん。人生において何をするかっていう選択がストレートですよね。そのために生きるっていうのがすごいね。

──チェロを入れてみようと思ったのは、どんなきっかけで?

清春:2008年に『light~saw the light & shade~』(『shade~saw the light & shade~』っていう、『エレジー』とはまた違うリズムレスのアルバムを出したことがあるんだけど、その時にチェロもバイオリンも結構入ってて。ライヴでも、ロビンが来てくれたりとかしてたんです。ああいう壮大な感じっていうのは、普段バンドで使われる楽器では出ないというかね。鍵盤ともサンプリングとも、ちょっと違う感じ。アカデミックになるんじゃなくて、ダークなほうに行くっていうのは、こういう弦楽器の人でもできる人とできない人がいて。それなりにオーケストラとかで楽器を弾いてる人もできることはできるんですけど、シンガーとの融合とか、日本の音楽との融合を何回も経験してる人じゃないと、なかなか難しい。まあ、久しぶりに会ったけどね。

──それでさらに楽曲の表情が引き出されたというわけですね。

清春:うーん。『エレジー』、またいつか出したいですけどね。“2”というか。

──それは是非お訊きしたかったことでもあります。まだまだやり残した部分ってあると思うんです。

清春:すごくありますね。こうやってリリースする時には、どうしてこうなっちゃうんですかね。

──この先もこういうタイプの音楽を追究していかれるんでしょうか?

清春:んー、多分、残るんだと思うんですよ、僕の活動形式のなかで、残っていく方式だと思う。なんていうのかな、あんまり他の人にはできない。最近、アコースティック・ライヴはみんなやり始めたりしてるよね。僕の場合はちょっと変化してきてて十年ぐらい前からやって積み重ねた結果、ただバンド・ヴァージョンの曲をアコースティックとか編成が少ないミュージシャンたちとやって、“美しい良い曲ですよね”だけでもない。なかなかこれ、僕しかできないんだと思う。歌もちゃんと歌ってるんですけど、見世物としても成立する度合いというのが、なかなか難しいんです。セット組んだりとかじゃないんですよね。だから、僕のは意味が違うなとは思ってます。海外にはもっとすごい人いっぱいいそうですけど、僕が知ってる範囲でも素晴らしい人はいっぱいいます。ホントに歌っていうところとか曲とか歌詞っていうところで表現してる人っているんですよ。でも、僕のやってるこの形は、きっと今の僕にしか表現できないんだと思う。

取材・文◎志村つくね




■アルバム『エレジー』

2017年12月13日発売
【完全初回生産限定 2CD+DVD】COZP-1402-1404 ¥5,000+tax
<DISC1“elegy”>
01.LAW’S
02.ゲルニカ
03.アロン
04.rally
05.GENTLE DARKNESS
06.夢
07.カーネーション
08.この孤独な景色を与えたまえ
09.輪廻
10.空白ノ世界
<DISC2“elegy”poetry reading>
1.LAW’S
2.ゲルニカ
3.アロン
4.rally
5.GENTLE DARKNESS
6.夢
7.カーネーション
8.この孤独な景色を与えたまえ
9.輪廻
10.空白ノ世界
11.YOU
<DISC3“elegy”performance(DVD)>
▼LIVE AT Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
サロメ/陽炎/瑠璃色/lyrical/rally/alice/シャレード
▼MUSIC VIDEO
「LAW’S」

■アルバム『夜、カルメンの詩集』

2018年2月14日発売予定
【完全初回生産限定盤 2CD+DVD】COZP-1411-1413 ¥5,000+tax
【通常盤 CDのみ】COCP-40251 ¥3,000+tax

■<KIYOHARU 25 TIMES DEBUT DAY>

2/9(金) 岐阜club-G

■<KIYOHARU TOUR 天使の詩2018『LYRIC IN SCARLET』>

2/23(金) 大阪BIGCAT
2/24(土) 金沢EIGHT HALL
3/02(金) 仙台Rensa
3/16(金) KYOTO MUSE
3/17(土) KYOTO MUSE
3/21(水・祝) 柏PALOOZA
3/24(土) 長野CLUB JUNK BOX
3/31(土) 札幌PENNY LANE24
4/07(土) 青森Quarter
4/08(日) 盛岡Club Change Wave
4/13(金) 名古屋 BOTTOM LINE
4/14(土) Live House 浜松窓枠
4/28(土) 鹿児島CAPARVO HALL
4/29(日) 長崎DRUM Be-7
5/03(木・祝) EX THEATER ROPPONGI


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