【インタビュー】H.E.A.T、「凄くハードな曲もあればメロウな曲もある」

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1980年代を彷彿させるメロディアスな楽曲で一躍人気を得たH.E.A.Tは、スウェーデン出身のハードロック・バンドだ。2009年に<LOUD PARK>で初来日を果たし、2015年に初の単独公演を決行、2017年は5枚目となるスタジオニューアルバム『Into the Great Unknown』をリリースし、作品ごとに様々な新しいカラーを採り入れ成長し続けている。

◆H.E.A.T画像

2018年は初の大阪公演を含む単独公演が開催され、若さ溢れる元気いっぱいのステージングで冒頭から一気に観客を引き込ませた。シンガーのエリックは客席フロアに降り、クラウドサーフで移動したバーカウンター上でのパフォーマンスも披露、日本への思いを込めたMCや現在習っている合気道着まで着用するなど、ファンサービスも満載だ。一方でバラードではしっかりと歌を聴かせ、演奏陣もライブ用楽曲アレンジに工夫が見られるなど、バンドとしてライブでの表現力も着実に向上しており、彼らの楽曲の魅力をより引き出せていた。

これまでより一層の貫禄をつけて戻ってきたエリック・グロンウォール(Vo)、デイヴ・ダローン(G)、ジミー・ジェイ(B)、ヨナ・ティー(Key)、クラッシュ(Dr)のメンバー全員が、東京公演の前日にインタビューに応じてくれた。






──約2年半ぶりの来日ですね。

エリック:とてもエキサイティングだよ。僕とデイヴにとっては2度目、他のメンバーは3度目の日本なんだ。今朝も皇居やみんな色々な場所へ行ってとても楽しんでいるよ。

──ギタリストが前回のエリック(エリック・リヴァース/G)からデイヴへ変わりましたが、デイヴ復帰の経緯を教えて下さい。

デイヴ:楽しいからさ。

エリック:デイヴは多くを語らないから僕が代弁するよ。そもそもデイヴはギタリストとしても素晴らしいし、一度脱退した時もメンバーとはとても円満だった。辞めた後もずっと友達だったし、彼が戻る事はバンドにとっては自然な事だったよ、ファミリーだからね。次回はまたエリックが来てデイヴがいないかも(笑)…なんてのは冗談だけど(笑)

──デイヴは、バンドを離れていた間はどんな活動を?

デイヴ:スウェーデンの他のバンドも演っていたけど、毎日パーティーしてビールを飲んで、ハイキングしたりね。でも曲作りはしていたよ。


──デイヴ復活後の活動やプレイはメンバーからみていかがですか?

全員:ナイスだよ。

ヨナ:最初はバンドとしてグルーヴに若干の違和感も感じたけど、すぐに解消されたよ。

ジミー:ヨーロッパツアーでも、良いフィーリングでできていたよ。

クラッシュ:「あれ?この時デイヴは居なかったんだっけ?」みたいな事が多くて、そんなに居なかったかな?という感じだよ。考えてみたら3年半も居なかったんだけどね。彼がいる事がとても自然だから、1ヶ月くらいにしか感じないけど。

──新作『Into the Great Unknown』は、アダルトでドラマティックな作品になりましたね。


エリック:バンド活動を1年間休んで、その間はそれぞれ音楽とは離れた生活をしていたんだ。その後からみんなで曲作りを始めたんだけど、前作『Tearing Down the Walls』はみんなが集まってからの曲作りスタートだった。今回は、個々にアイディアを持ち寄ってからのスタートで、それがこういうサウンドになったんだよ。

ヨナ:プロダクションについては、モダンでコンテンポラリーなものにしたかった。曲に関してはどんな曲をどこに入れるかに重点を置いたかな。凄くハードな曲もあればメロウな曲もあるでしょ?ハードなものが多いとヘヴィ・メタルになってしまうし、メロウばかりでもポップアルバムになってしまうから、このバランスはとても考えた。一番良い混ざり具合になったんじゃないかな。

──以前は皆ヘヴィなサウンドが好みと言っていましたが、今はポップなサウンドも好きに?

全員:そうだね。

ジミー:良い音楽ならジャンルは問わず、ヒップホップ、クラシック、デスメタルも好きだからね、自分たちの好きなものを採り入れているよ。

──バンドサウンドが薄めになった気もしますが、いかがですか?


ヨナ:一聴すると音数が少なく感じるかもしれないけど、凄くディテールにこだわったんだ。あまり聴こえない部分かもしれないけどね、細かい部分は良く考えているよ。

ジミー:デリケートな感じだよね。今回はポストプロダクションに力を入れたんだ。ベーシックなレコーディングはタイのスタジオで行なって、その後に地元に戻ってからのポストプロダクションにたくさん時間をかけた。

ヨナ:曲自体はシンプルだよね、後の作業で色々とこだわったよ。

クラッシュ:そう感じてくれたって事は良かったよ、曲作りが僕らも上手くなった証かな?

──他に新しい試みはありますか?

エリック:曲作りの点では、ひとりひとりが完成形に近い形で持ち寄ったところが違うかな。

クラッシュ:一番の違いは、タイのスタジオでのレコーディングだよ。気候も良くて専用のプールや専用のシェフも居たし、スタジオも最高だった。エンジニアも優秀で、プロデューサーのトビアス(EUROPEなども手掛けるプロデューサー)が現在タイ在住なんだ。それで僕らが行く事になったんだ。

──タイでのエピソードもありそうですね。

エリック:あはは、口を閉ざすよ(笑)。

ジミー:暑かったよねー。

ヨナ:パタヤのナイトクラブでカバーバンドが出演していたんだけど、ステージジャックをしたんだ。僕らで勝手にAC/DCとか3曲くらい演奏しちゃってね。あとでそのバンドにはチップ渡したけど(笑)。

エリック:言えるのはそれだけさ(笑)。


──エリックの歌声は一層表現力が増しましたね。

エリック:ありがとう。今回は外部のヴォーカルコーチを付けた事が大きいかもしれない。タイのスタジオで働いているイギリス人のエンジニアなんだけど、僕らはネイティブじゃないから、英語の発音やアドリブに関しても指導してもらったんだ。結果的に良かったから次回もまた彼をコーチとして起用したいと思っているよ。

──今作ではフレディ・マーキュリーを感じましたよ。

エリック:自分のヒーローのひとりになり切ろうと思っているから、最高の言葉だよ。ありがとう。

──ニューアルバムでのハイライトはどこだと思いますか?

ヨナ:僕は『Into the Great Unknown』の途中のインスト部分なんだけど、宇宙空間に居るような僕のイメージで作ったのでぜひ聴いて欲しい。

デイヴ:僕が弾いたギターソロ部分だよ(笑)。

エリック:僕は「Shit City」のギターが凄くグルーヴィでお気に入りだな。

クラッシュ:「Do You Want It?」のブレイクダウン部分に注目して欲しい。H.E.A.Tにもこんな事ができるんだって思ってもらえると思う。

ジミー:このアルバムはバラエティにも富んだ楽曲が並んでいるけど、色々な事を混ぜても統一感が出せたと思う。通して楽しんでもらいたいな。


──ライブでも素晴らしいパフォーマンスを期待しています。

エリック:前回日本に来たのはツアーファイナルだったから、2015年9月から2016年いっぱいは休んでいたんだ。今回の日本でのライブが楽しみだよ。4月にはフィンランド、5月に<Melodic Rock Fest.>、夏はフェスティバルだね。

エリック:いつ来ても日本のファンは最高だよ。本当に忠実に僕らを応援してくれてありがとう。

ジミー:大阪は初めてだから楽しみだよ。



取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Takumi Nakajima

<H.E.A.T ~The Tour Into the Great Unknown 2018~>

2018.2.16 Shibuya Club Quattro
1.Bastard of Society
2.Late Night Lady
3.Mannequinn Show
4.Redefined
5.Into the Great Unknown
6.1000 Miles
7.Beg Beg Beg
8.We Rule / Time on the Run
9.Breaking the Silence
10.Living on the Run
11.Eye of the Storm
12.Best of the Broken
13.Emergency
14.Inferno
~Encore~
15.Point of No Return
16.Redemption(One for the Money)

2018.2.17 Osaka Club Quattro
1.Bastard of Society
2.Late Night Lady
3.Straight for Your Heart
4.Mannequinn Show
5.Redefined
6.Into the Great Unknown
7.1000 Miles
8.Beg Beg Beg
9.We Rule / Time on the Run
10.Breaking the Silence
11.Living on the Run
12.Eye of the Storm
13.Best of the Broken
14.Shit City
15.Emergency
16.Inferno
~Encore~
17.Point of No Return
18.Redemption(One for the Money)
19.Who Will Stop the Rain
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