【インタビュー 前編】清春、『夜、カルメンの詩集』完成「僕しか作ってはいけないアルバム」
■言いたいことはそこにある
■結局は「美学」なんだよね
──「三日月」はもはやファンタジーの世界ですね。凜としていて優しい。
清春:特に「三日月」っていうタイトルにしようと思ったわけではなくて、単純に仮歌で「三日月」って歌っちゃってたから。
──そういうところにも深層心理が働いていたりして。
清春:う〜ん。この辺の「TWILIGHT」もそうですけど、ナイスポップスですよね。前半は音の雰囲気がスパニッシュな感じで、後半また未来へ向かっていくのかなっていう。未来というか現状の本筋に戻るというかね。まあ、曲順を決めてる時に自然とそういう並びになりましたね。
──曲順の流れも映画音楽みたいだと思ったんです。たとえば、清春さんが監督した映画のサントラ盤を作ると、こういうテイストになるのかなと。
清春:おっ!いいこと言いますね(笑)。
──未来に向けたほのかな明るさが終盤を彩り、最後は「貴方になって」で締め括るという構成。
清春:「三日月」があって「美学」があって……それが僕らが今回やりたかったことです。言いたいことはそこにある。結局は「美学」なんだよね。
清春:これが今の僕らの生きる道なんでしょうかね、大袈裟に言うと。それが残ったっていう感じ。今までこうやってきた、今の結果、みたいな。
──ラストナンバーの「貴方になって」ですが、“貴方になる”という行為は究極の愛の形ですよね。この曲が最後を飾ることによってアルバム全体がとても引き締まっています。
清春:シンプルかつ引き締まったよね。それと、僕はあまり意識してないんだけど、ギターテックの辰男ちゃんがこの曲を「レッド・ツェッペリンみたいで好き」ってよく言います。僕は「全然わかんないよ、俺」って言うんだけど。まあ、日本音楽の良いところがたくさん詰まってると思う。で、僕は全然意識してないけど洋楽っぽいニュアンスに聴こえるところもあるっていうのは素敵です。外タレのオールドスクールを聴いてた人にも響くっていうのは、“偶然お会いできた”感じがします(笑)。幾多にわたって繰り返してきた、それぞれの音楽を愛している人たちの輪の中に一瞬、僕が全然意識してなかった解釈が生まれる。そう言われても、ツェッペリンのどの曲かもわからないし、僕は普通に日本の音楽だと思ってやってるんですけど、いいですね。
──道を進んでいくなかで素敵な偶然もあるのかもしれません。
清春:それってすごく理想的なんだよな。洋楽っぽくしようとしても、どうしても邦楽っぽくなっちゃうことって結構あると思うんだけど。そうじゃなくて、エスタス・トーネも全然日本の音楽を知らないだろうけど、そのギターが日本っぽく聴こえて、僕らの心の琴線に触れることがあるんですよ。「これって日本のわび・さびじゃない?」って。そういうところが、“音楽に国境はない”みたいなことになるのかなと思いますね。どの国の人が聴いても馴染めない音楽って、いっぱいあると思うんだけど、たまに触れ合う時がある。そこが素晴らしいですよね。
取材・文◎志村つくね
アルバム『夜、カルメンの詩集』
【通常盤 (CDのみ)】COCP-40251/¥3000+tax
2018年2月28日発売
▼DISC 1(初回限定盤、通常盤共通) “夜、カルメンの詩集”
01.悲歌
02.赤の永遠
03.夜を、想う(Album ver.)
04.アモーレ
05.シャレード(Album ver.)
06.眠れる天使
07.TWILIGHT
08.三日月
09.美学
10.貴方になって
▼DISC 2(初回限定盤のみ) “夜、カルメンの詩集” poetry reading
01.悲歌
02.赤の永遠
03.夜を、想う
04.アモーレ
05.シャレード
06.眠れる天使
07.TWILIGHT
08.三日月
09.美学
10.貴方になって
11.罪滅ぼし野ばら
▼DISC 3(初回限定盤DVD) “夜、カルメンの詩集” video
赤の永遠/眠れる天使/夜を、想う
■<KIYOHARU TOUR 天使の詩2018『LYRIC IN SCARLET』>
2月24日(土)金沢EIGHT HALL
3月02日(金)仙台Rensa
3月16日(金)KYOTO MUSE
3月17日(土)KYOTO MUSE
3月21日(水・祝)柏PALOOZA
3月24日(土)長野CLUB JUNK BOX
3月31日(土)札幌PENNY LANE24
4月07日(土)青森Quarter
4月08日(日)盛岡Club Change Wave
4月13日(金)名古屋 BOTTOM LINE
4月14日(土)Live House 浜松窓枠
4月28日(土)鹿児島CAPARVO HALL
4月29日(日)長崎DRUM Be-7
5月03日(木・祝)EX THEATER ROPPONGI
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