【鼎談】千秋[DEZERT] × 尋[NOCTURNAL BLOODLUST] × 暁[アルルカン]、「最強でしょ? 何も考えず遊ぼって感じなんだから」

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■盛り下がってるとなると
■僕らの知らない世代のことなのかな──暁

──その観点とは?

尋:まぁ、今回は3マンじゃないからね。

千秋:3マンの会場もあるけど、他のバンドも出るし。一昨年の【This Is The “FACT”】第一回目はオレが企画したんですけど、今回はSacchanが主導しているんですよ。僕はただ、バンドと一緒にツアーを廻りたい気持ちがいちばん強かったので。確かに第一回目には出てくれたけど、あの時の【This Is The “FACT”】は先輩バンドと僕らと3バンド対3バンドの構図やったし、ああいうスタイルで継続してやりたかったんですけど、ハコがないのと、みんなのギャラが高い(笑)。いろんな意味合いで続けられないんです。今回は、僕的には“これ、楽しいやろ”っていう、ただそれだけ。だって見に来るヤツは絶対に楽しいし。

暁:うん。話もらった時にはいちばん最初に“面白そうやな”と思いました。

千秋:ほかのインタビューではアルルカンとノクブラを意識してるふうな発言をしたんですけど、どういう意志を持ってこのツアーをやるかっていうのは、Sacchanとか奈緒ちゃんとかDaichiくんの対談で話したのかなと思うんですよね(笑)。

暁:それを聞きに行きたかったな(笑)。

▲暁 [アルルカン]

──企画意図はその3人が知っていると。

千秋:たぶん。言い方悪いですけど、あっちはちゃんと考えてる組(笑)。ただ、オレは最初から「ノクブラとアルルカンは呼びたい」と言ってて。普通に対バンするだけじゃ面白くないから、ウチのリーダー(Sacchan)が意味合いを付けたんだと思う。僕が思うのは、“なんでもっと前にこの3バンドでやらなかったんだろう?”っていう、放置しすぎた感と今さら感。例えば以前にやっていたMEJIBRAY、DIUARA、BORNの3マン(イベント<BDM>2013~2016年開催)とか分かりやすかったと思うんですよ。でもまぁ、この時期だからこそなのかな。

暁:たぶん、この時期だから実現したんだろうしね。

千秋:今は全バンド、ライブに臨むベクトルが違うんですよ。2年前なら“オレらが時代を作るんだ”って感じでやってたかもしれないけどね。簡単に言うと、前は共有しようって感覚があったけど、今は違う。

──例えばこのヴィジュアルシーンを盛り上げようとか?

千秋:それはたぶん、ないと思います。

暁:この3人はってことだよね。

尋:っていうか、シーンに拘らなくても。

千秋:“シーンを盛り上げる”っていうのは正直、盛り下がってるっていうことが言いたいというか、それが前提の話だと思うんですよ。でも“盛り上がってるでしょ?”って思うんです。オレもホールでやったりしてるし、何と比べてるんやろうって。昔と比べてなのかなって思ってますけどね。

──例えば1990年代のシーンだったり?

千秋:それこそX JAPANだったり、the GazettEだったり、オレらが影響を受けた音楽ですよね。でも、アルルカンだってワンマンツアーやってるし。どう?盛り下がってるって思う?

暁:目の前のことに向きあってるつもりだから、ウチとしてはやれることやってる。

千秋:盛り上がってるよな?

暁:盛り下がってるとなると、僕らの知らない世代のことなのかなと思います。

千秋:【This Is The “FACT”】もシーンを盛り上げようっていう趣旨ではなくて“オレらがいちばんカッコいい”っていうだけの話で。“このイベントがいちばんおもろいやろ?”っていうことなんですよ。

▲アルルカン

──最初の【This Is The “FACT”】は、日本武道館だったり大きなクラスの会場を経験している先輩たちと、DEZERTと同世代の比較も含まれた企画だったと思うんですよ。今回は出演する全バンドで、誰がいちばん先に大きな会場にたどり着くかの凌ぎ合いみたいな意味もあると報じられていますよね。

千秋:えっ? そうなんですか?(笑)。

暁:ははは。そこは千秋くん発信じゃないんだ?

千秋:ライブ制作スタッフでしょうね(笑)。

暁:この3人は単純に面白そうだなと思っている組で、たぶん、Sacchanやスタッフの方とか、考えている方が結果的にそうなればいいって思ってくれていると思うんですけど。

千秋:(暁のお茶を勝手に略奪して飲む)

暁:オレのやんけ?(笑)。まぁだから、結果的にいろんなところに繋がって還元できればいいんです。

尋:未来に何を見てるのかわからんけど、ウチは最近ワンマンばっかりでイベントがなかったから、感覚が鈍ってないかなって。ワンマンは賛同してくれる人たちが集まるけど、イベントにはいろんなバンドのファンが見に来るから、今どんな反応が返ってくるか楽しみですね。

──ノクブラはフェスに出る機会も多いのでは?

尋:どちらかっていうとラウド系界隈のイベントばかり出てて、ヴィジュアル系のイベントは久しぶりなので正直、“大丈夫かな”って。

千秋:……この集まり、出口が見当たらないですね(苦笑)。せっかく来てもらって申し訳ないんですけど、ヴォーカル3人が集まっても“楽しみじゃね?”ぐらいな感じなんです、今回のイベントは。オレはノクブラ、アルルカンとは今後も2年に1回でも1年に1回でも定期的に共演し続ければいいじゃんって。そこでおもろくなかったら外れてくれてもいいし、だからといって仲が悪くなるわけでもないし。でも、こういうイベントって“戦い”みたいにしないといけないじゃないですか?

暁:はははははは。そうだね(笑)。

千秋:でも、見てるほうはそんなの関係ないですよ。オレもどっかのインタビューで「アルルカン、ノクブラの息の根を止める」って言いましたけど、そんなのネタみたいなものですよ(笑)。

尋:怖い。それ本音やろ?(笑)。

千秋:でも、そう言ったからってお客さんのモチベーションが変わるわけじゃないし。PIERROT × DIR EN GRAYのライブだったら違うかもしれないけど、ウチのイベント、けっこう、ほんわかなんですよ。別にDEZERTのファンが「ノクブラ見に行こう」ってなったら、それでいいし、「アルルカンのほうが楽しい」ってなったら、もう1回3バンドでやってやろうと思う。ただ基本的に僕は、ライブハウスで無茶苦茶するというか、不条理なことするのが好きなので、最終的には暴れられればいいかなって。ひとりで暴れてたらやばいですけどね。

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