【インタビュー】<ルナフェス>真矢編、「畑は違えども同時代を駆け抜けてきた」

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■それでも摩季ちゃんはいつまでも
■大事に叩きたい、そんな存在です

──すでにアナウンスされていますが、<LUNATIC FEST. 2018>もオープニングアクトはLUNACYです。そもそも前回、このアイディアが出てきたときに真矢さんはどう思いました?

真矢:面白いじゃん!っていう感じだったと思うんです。たとえば、どんなフェスでも一番手って絶対にいるわけじゃないですか。でも、LUNA SEAのお客さんが一発目からほかのバンドを観て、完璧にトップギアに入るかな?っていう疑問からスタートした企画だったと思うんですよ。だったら、一番トップギアに入るような方法を考えようって、LUNACYがトップバッターになったと思うんだよね。

──お客さんをトップギアの状態にするために、自分たちがまずそうならないといけないと。そのかわり、えらく長い時間ギア入れっぱなしの状態が続くわけで。

真矢:そうなんですよ。この2日間は、終わった後ならば倒れてもいいくらいの覚悟でやってたので。

──LUNA SEAにもかつて、ライブハウスの対バンで一番最初に演奏する機会もあったと思うのですが、ある意味、自分たちのフェスのオープニングを自分たちが務めたことで、そういう時代の気持ちが呼び起こされるようなことはありましたか? 当日は、全員が黒ずくめの出で立ちで、当時のナンバーから3曲を嵐のように演奏して立ち去るステージだったわけですけど。

真矢:LUNA SEAはデビュー当時、いろいろなイベントに出させてもらうことがあったんですけど、好きだったんだよね、一番でドッカーンとさせるっていうのが。だからそこはもう慣れたもので。

──あと、対バンのみなさんのステージにLUNA SEAメンバーが飛び入り出演するシーンも幾つかありましたが、真矢さんは一番オイシイところを持っていきましたね。

真矢:あははは! え、何をやったけ?

──SIAM SHADEのステージで……。

真矢:そうだ、歌をうたったんだ(笑)。

──それも歌詞カードを見ながら(笑)。

真矢:そうそうそう(笑)。ドラムっていうパートは飛び入りが不可能っていうか、大掛かりになっちゃうんですよ。最初からドラムセットがステージ上に2つ組んであったらバレちゃうでしょ。だから、最初はSIAM SHADEに「オレ、カウベルで参加する」と言ったのね。そうしたら淳士(真矢のローディーを務めた過去がある)が「絶対それだけはやめてください! それでは僕、ドラムが叩けません」って言うから、「じゃ、歌かな?」っていう話をして(笑)。結果、ああなりました。

──2日間を通じて、会場に一番笑い声が起きた時間でした(笑)。

真矢:ははは! 気持ちよかったです(笑)。

▲<LUNATIC FEST.>2日目/2015年6月28日@幕張メッセ

──あの日は歌で飛び入りがあったと同時に、LUNA SEAのステージではドラムのサウンドチェックを淳士さんが行いました。あのシーンもホロッとくるものが。

真矢:あれは本当にその場の思いつきだったの。「淳士、サウンドチェックやってよ」って言ったら、「え、いいんですか!?」って(笑)。そんなノリでしたね。でも、最初はお客さんもあまり気づいてなかったもんね、暗転の中でやってたから。それが徐々に明るくなるにしたがって、気づき始めて驚きの声が大きくなっていく感じでしたよ。

──脈々と受け継がれているものがあるからこそのドラマを見ることができました。

真矢:LUNA SEAのステージのとき、ローディーのようにドラムセットの後ろにいたのは、淳士とピエール中野とYuumi (minus(-)サポートドラム)っていう3人でしたからね。そういうシーンもレアで面白かったし、<LUNATIC FEST.>ならではだよね。

──客席からは見えない部分でもドラマがあったんですね。そして<LUNATIC FEST. 2018>です。前回は3つのステージで、先輩も後輩も多く、LUNA SEAが世代の橋渡しをするような感じにも見えるところがあったんです。ところが今回はむしろ、同じ時代を生きてきたバンドや、LUNA SEAを見て育ってきたバンドが大半を占めるカタチになっています。この辺は前回とのコンセプトの違いというか、指針になったものの違いがあるんでしょうか。

真矢:音楽ジャンル的に、のりしろができたというかね。前回は、あの頃の目黒鹿鳴館そのもののようなところもあったじゃないですか。だから前回は畑が一緒だったんだけど、今回は畑が違っても、同じ時代を駆け抜けてきたアーティストが多いラインナップになったかなとは思いますね。

──前回引き合いに出されたのが、<エクスタシー・サミット>と<LSB>が合体したようなフェスということで。今回はそれよりも広がっているわけですね。全ラインナップを見渡した中で、真矢さんに縁が深い方というと、やはり大黒摩季さんです。お声がけしたのは真矢さんということでよろしいですか?

真矢:オレが直接声を掛けたというか、ミーティングで「面白いんじゃないか?」という話が挙がって、オレも「いいね、摩季ちゃんに出て欲しいね」と。

──ファンの方は、真矢さんが大黒摩季さんのツアーでドラムを叩いてることを知ってると思うんですけど、テレビ番組とかで「大黒摩季さんの後ろでドラムを叩いてるの、真矢さんじゃない!?」って偶然発見するケースもあると思うんですよ。そもそも大黒摩季さんと活動を共にすることになった経緯を教えていただいてもいいですか?

真矢:LUNA SEAの終幕と同時期に、摩季ちゃんが新しい事務所に移籍したんだよね。そういうタイミングが重なって、摩季ちゃんから声を掛けていただいたという。だから、LUNA SEAとは違ったカタチで、ドラマーとしてイチから育ててくれたのが摩季ちゃんというか、一緒に作り上げてくれた存在。終幕していた頃の僕は、いろいろな方のバックをやりたくて一生懸命叩かせてもらったんですよ。でも、LUNA SEAの<REBOOT>以降は、逆にあまりいろいろなところで叩きたくなくてね。それでも摩季ちゃんはいつまでも大事に叩きたい、そんな存在ですね。

──それはどうしてなんでしょう。

真矢:まず、摩季ちゃんバンドのミュージシャンは初見で演奏できるのが当たり前で。譜面を配られて、一回聴いたら“はい、やろう!”っていう流れ。だから、譜面が読めなかった頃のオレは、それこそみんなの前でドラムだけ何回もやらされたりしたんだよね、バンマスの指示で。それでも摩季ちゃんは、「頑張って頑張って!」ってずっと待ってて、励ましてくれるような人だから。

▲<Maki Ohguro 2018 Live-STEP!! 〜Higher↗↗Higher↗↗中高年よもっと熱くなれ!! Greatest Hits+〜 FINAL SEASON>5月7日@中野サンプラザ

──そういう意味では、ふたつ目のキャリアの始まりだったわけですね。同時に、大黒摩季さんをはじめ、バンドの原田喧太(G)さんやdoaの徳永暁人(B)さんも同期くらいですか?

真矢:そうそう、僕と摩季ちゃんと喧太くんはまったく同じ歳だし、徳ちゃんの出身はINORANとJの後輩にあたるんだよ、だからすごく近い(笑)。同世代と同郷だよね。

──<REBOOT>後、あえて絞ったLUNA SEAと大黒摩季さんの2つの共通点が同世代、つまり同じ価値観を持っている人たちの集まりだっていうところは、偶然とは言えおもしろいですね。

真矢:そうですね。摩季ちゃんの楽曲って振り幅が広くて、ジャズからLUNA SEAを凌ぐくらいのパワーで叩かなければいけないものまであるんですよ。それに、LUNA SEAもそうだけど、後ろで叩いているときに見える背中がカッコいいバンドマンでもある。だから、<LUNATIC FEST. 2018>では絶対みんなに観てほしいですね。

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