【インタビュー】HYDE、ソロ再始動第一弾シングル完成「新しい自分が始まる」

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■法が僕たちを守ってくれるわけじゃない
■自分たちで立ち上がらないとダメだっていう

──ちなみに今作でニックとタッグを組むことになった経緯は?

HYDE:今回のレコーディング期間でスケジュール的に可能な、僕に合うプロデューサーということで10th Street Entertainment(モトリー・クルーらを抱えるアメリカの大手マネージメント)が候補に挙げてくれた中の1人です。もう1人、別の曲で一緒にやってる方がいるんですけど、それは今後のリリースでまたお話するとして。ニックにはどちらかというとライトな曲を担当してもらってるかな。この曲も、僕が彼に渡した軽い雰囲気のデモのうちの1曲で。今後、もっとプロデューサーは増えるかもしれない。

──HYDEさんはニックのどういったところに惹かれたんでしょうか。

HYDE:彼はアメリカの音楽シーンをよく理解していて、極端な話、彼が作った曲を歌うのが僕の目指す場所への近道だって言う人もいるくらい、僕にいちばん足りない部分を持ってる人でもあって。そういう人に僕の曲を預けたらどういう化学変化が起こるかっていうところだよね。やっぱり僕は日本人だからリアルなアメリカのシーンを知らないわけで、知ってるとしても偏ったものでしかないから。

──実際、化学変化は起きました?

HYDE:ミックスのこともあるし、今回は五分五分かな。日本人とアメリカ人の好みって真逆な部分があるから、そこは難しいところなんだけど。

──作詞もニックとの共作ですが、どのように構築されていったのでしょう? 強い言葉が並ぶ中、行き詰まった現状を打破したいともがく今の世情を反映しているようでもあり、新たな一歩を踏みだそうとしているHYDEさん自身の心境も映し出されているように感じたのですが。

HYDE:基本的にはアメリカって常に怒っていないといけない、みたいなところがあって。例えばテイラー・スウィフトも曲だけ聴いたらかわいいけど、歌詞を読むとどれも怒ってるじゃないですか(笑)。そういうところも鑑みつつ……僕の中で“法を守っていれば人を守れるのか?”みたいなことを思うことがあって。最近もアメリカで銃の問題があったけど、向こうにいると本当にリアルだからね。近所で発砲事件があったりとか、そういうのを目の当たりにしていると、法が僕たちを守ってくれるわけじゃない、やっぱり自分たちで立ち上がらないとダメだっていうか、それは向こうの社会全体の空気としても感じるしね。で、ミーティングで“最近、思っていることは?”って話し合っていく中で、そういったものがどんどん出てきて、それを最終的にニックが英語に当てはめていったっていう。

──なるほど。ではヴォーカリストとしては今回、どのように臨まれたのでしょう。例えばこれまでにはない歌い方に挑戦してみた、とか。

HYDE:歌の中で歪みが突然出てくるっていうのは今まであんまりやったことがないかもしれない。そういう意味では新しいと思うね。ひとつの歌の中で静と動が分かれているとか、そういうのはやろうと思ってたから。ただ、英語詞はやっぱり発音で苦労するんですよ。発音に囚われて、どんどん歌が下手になってしまったりするから難しい。

──難しいというのは声の表情とか、そういう部分で?

HYDE:うん、表情だね。自分では上手くいったと思っても、ニックがそのテイクを選ばなかったりするし(笑)。むしろニックは発音重視で選んだりするから、そのへんのさじ加減が非常に難しくて。でも、なんだかんだで答えは徐々に見えてくると思ってるから。VAMPSのときもそうだったけど、ひとつひとつ、やっていくたびに次が見える。今はこれが僕の最高だけど、今後はもっと変わっていくかもしれないし。

──客観的にご自身の歌を聴いていかがでしょう。

HYDE:まあまあかな。90点ぐらいじゃないですか。

──お、高得点。

HYDE:何言ってるんですか、いつも100点ですよ(笑)。

──すみません(笑)。でも、そうおっしゃいますけど、聴いていてとても鬼気迫るというか、歌詞に滲んだ切迫したムードが絶妙に歌声で表現されてると思いました。なんでしょう、のっぴきならない感じというか。

HYDE:そう! のっぴきならなさは意識しましたね。その感じがミックスで削られてしまうのがいちばん怖かったので、そこは死守しました。でもニックにあまり伝えられてなかったのかもしれないけど、なぜかどんどん削られていくんだよね(笑)。なので日本でミックスをやり直して危機感を出したんです。

──危機感が歌の重要なポイント。

HYDE:僕にとってはね。それがないと、ただ単にのんびりした曲になっちゃうなと思って。

──ミュージックビデオにも危機感というテイストは存分に反映されていますよね。この映像の世界観は歌詞から派生したものですか。

HYDE:いや、最初からあの映像をイメージしてました。歌詞とか曲は関係なく、最初のシングルのMVはあのイメージでいきたいな、と。

──潔いまでのオマージュですが。

HYDE:はい(笑)。そこが狙いというか、キャッチーな要素として“ああ、あの映画『シャイニング』ね”って観た人に思わせたいというのが今回、僕のひとつの戦略としてあって。例えばYouTubeでいかに最後まで観させるか。そのためのアイデアでしたね、最初は。

──映像として話題になれば、と?

HYDE:そういうことです。『シャイニング』だったら“あれ? どこかで観たことあるな”っていう人はたくさんいるだろうけど、たぶん普通に演奏シーンが流れても、そうはならないと思うんだよね。なので今回はオマージュとして使わせてもらいました。

──『シャイニング』という映画自体に思い入れはあるんですか?

HYDE:好きな映画だけど、特にはないです。純粋に衝撃的で、みんなの知ってるシーンがあるのがいいなって。

──そこに映画『ブレードランナー』的要素を加えてくるところがHYDEさんらしいですよね。

HYDE:あれが僕の想い描いているライヴのイメージなんです。なくてももちろん大丈夫なんだけど、一応、あの匂いを入れておいたほうがHYDEの今後の展開がわかりやすいかなと思って。

──でも先に映像のアイデアありきとは思えないくらい、楽曲にハマっていました。ラストシーンは“これまでのHYDEを壊して新たなHYDEが取って代わる”“ソロとして生まれ変わる”という意志の暗喩とも解釈できそうです。

HYDE:結果、そうなったよね。最初はそんなつもりもなくて、単純に映像のアイデアとして思いついただけで。でも後から“これってそういう意味にも取れるな”とは自分でも思ったけど。だって最初はむしろこの役を誰がやったら面白いかってところから考えてたくらいだから。でも俳優さんにお願いするより、自分がやればお金もかからないし……ってここ、笑うところだよ?(笑)。

──笑いません(笑)。

HYDE:ははははは! で、自分がやればストーリー的にも新しい自分が始まるっていう意味にもなるし、ちょうどいいなって。

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