【インタビュー】10-FEET、<京都大作戦>を語る「楽しく、笑いもあり、感動もあり、全力で」

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■アーティスト仲間、観に来ていたお客さん
■みんなが逆境をプラスに変えた勝利──TAKUMA

──3人にとって、この10年間の<京都大作戦>でもっとも強烈な出来事は? 僕はね〜、KOUICHI先生の娘さんの成長も印象的で。おっきくなったね、と毎年思って。

KOUICHI:逆にちっちゃくなっていったらヤバイ(笑)。そういうネタもありつつ、<京都大作戦>は常に強烈なんでね。ひとつ挙げるのはなかなか難しい。

TAKUMA:毎年、何かしらありますもんね。どれをとっても、なかなか凄い。

──2018年の、わずか55分間に起こった出来事の全てが、この作品に収録されています。あの場にもいましたけど、やっぱり凄いですよ。舞台裏の緊迫感も、楽器転換の模様も、お客さんの一体感も、そしてライブも。

TAKUMA:凄かったです、あのときの高鳴りは。大ピンチなんですけど、高鳴ってましたね。女子サッカーなでしこジャパンのワールドカップのPKのときぐらい。

──それと比べる感じ(笑)?

TAKUMA:ずーっとドキドキしてたから。これどうなんの、どうなんのって。不安と心配が凄かったですけど、今、振り返ってみれば、全部が肯定できるじゃないですか。あの中断のまま中止になっていたら、こんなふうに言えないけど。今は肯定して良かったなと思えるというか。不十分な形で出演者にライブをお願いすることになってしまいましたけど、3日目に関しては。牛若ノ舞台のSHANK、G-FREAK FACTORYに関しても。その前の2016年には、牛若ノ舞台のトリでThe BONEZのライブ中に電源が落ちてしまったり。でも、この環境で出せる最高得点をお互いに出そうなって、暗黙で思える関係というか。

▲NAOKI (B&Vo)

──そのThe BONEZのライブ中に起こった、中断中の即興ラップのリレーや再スタートの興奮ぶりも、もちろん収録されています。

TAKUMA:あれがもし花団やったら、お客さんはみんな、ご飯食べに行ってたやろうな(笑)。

NAOKI:ラップでつなげてないやろな(笑)。

──酷いな(笑)。花団だったら、その場でダンボールでロボットの着ぐるみとか作りそうだよ。

TAKUMA:作る時間になるんや(笑)? アドリブでコントとかやってほしいっすね(笑)。

──あるいは、尾崎豊の伝説ライブ再現とか。

TAKUMA:あるかも、それは(笑)。

NAOKI:アイツら、レパートリーはありますからね(笑)。

TAKUMA:でも電源の復旧に時間が掛かったのは僕らのせいってだけで。それとあの映像を観てもらえば分かるんですけど、The BONEZやからこそ、あんな乗り越えられ方できたってのは間違いないですね。あのステージのスタッフチーム、横にいたアーティスト仲間、観に来ていたお客さん、みんなが逆境をプラスに変えた勝利というかね。

▲DVD『京都大作戦2007-2016 〜心ゆくまでご覧な祭〜』

──そうですね、何かトラブルが起こっても、トラブルにさせない魔力がありますよ。2017年の雷雨の中断と再開もそうでした。

TAKUMA:でも雷雨で一度、会場から退避するのは、自分がお客さんやったらメッチャ嫌やったと思うんです。いい場所をとったのにって気持ちもあるだろうし、あれだけ雨が強くても「でもライブあるし。俺らもライブと向き合ってんねん」って気持ちだけが雨に耐えさせてくれてたのを、一度、避難するというジャッジになった瞬間、気持ちはある程度折れると思うんです。「この場所を確保するのに、どんどけ苦労したんか分かってんか」とか、「雷は落ちひんかもしれんやん」とか、「落ちても自己責任で俺はここにいるよ」って人も、なかにはおったかもしれへん。それなのに状況に応じた一番必要な形で避難してくれて。再開することが決まって、みんなが戻ってきてくれている姿には、グッと来ました。それもみんなが大成功させましょうって気持ちになってくれたからだと思う。みんな、カッコよかった。

──アクシデントを乗り越えたとき伝説になるんですよね。伝説は作られたシナリオのなかからは生まれないですから。伝説が数々、生まれるのも<京都大作戦>。

TAKUMA:そうですね。でもトラブルは望んでないですけど(笑)。

──毎年、<京都大作戦>が終わったときにはいろいろ噛み締めながらも、やりきった感で灰のようになる感じですか?

KOUICHI:毎年あります。

NAOKI:終わった翌日は真っ白になってます。

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