【対談】風弥 -Kazami- (DaizyStripper) × みのり(まなみのりさ)、異彩の3者がチャリティー曲「ちぃたん☆の気持ち」で以心伝心

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■配信による収益すべてを開示して
■直接福島へ届けに行けたら──風弥

風弥:みのりさんが音楽を始めたきっかけを訊いてもいいですか?

みのり:小学3年生の時にアクターズスクール広島に入ってからです。そこからずーっと。もう長いんですよ。今年、11周年を迎えました。

風弥:DaizyStripperも今年11周年。活動歴が一緒ですね!

みのり:えー、そうなんですね!? 11年以上続けているグループってあんまりいなくて。えっ!すごい。メンバー変わってます?

風弥:変わってない。

みのり:まなみのりさも変わってないんです。でも、それって珍しいらしいんです。途中、メンバーチェンジをしながら続けているアイドルグループは結構あるんですけど、それでも10年以上続けているグループはあまりなくて。メンバーチェンジなしで続けているグループは本当に少ないらしいんです。

風弥:ヴィジュアル系もアイドルも、メンバーが入れ替わっていくことが珍しくない今のシーンで、ずっと同じメンバーで11年やってるってなかなかないことですよね。喧嘩はない?

みのり:喧嘩とかそういう時期を越えた感じがします(笑)。

風弥:あーあ、一緒だ(笑)。

みのり:結成11年だけど、アクターズスクール広島で小学校の頃から出会って、高校の時に結成して11年なので、家族よりも一緒にいる時間が長いですし、お互いが何を考えているかが言わなくてもわかるようになっているんですよね。もちろん活動に対する言い合いとかもあるけど、喧嘩にはならないです。なります?喧嘩?

風弥:うちらも喧嘩をする時期は超えたな。超えられない時期に分裂しちゃうバンドが多いけど、それを超えると多少の言い合いがあったところでね。崩壊なんかしないし、もうわかっているから、“それよりも、次、何しようか?”って。

みのり:うんうん、わかります。でも、同じメンバーで10年以上続けてくると“いつまで続けられんだろう?”って不安に思うときもあります?

風弥:あるある。だからと言って、止まるわけにはいかない。そういう風に時が過ぎて行くのかな?って思う。

みのり:そうなんですよ! えーすごい! 同じです(笑)。

風弥:まさに一緒だったんですね。メンバーと長くいると……情なのかわからないですけど、家族とも兄弟ともまた違った特別な存在になっていくというか。

みのり:そうですね。他のメンバーが入れ替わるとか全然想像できなくて。多分、メンバーが新たに入るとか変わるとかになったら、グループをもうやめるだろうなって。それぐらい今のメンバーじゃないと無理ってなってる。だけど、アイドルシーンも世代交代みたいなのがあるから、10年以上続けてると昔から一緒にやってきたグループの解散とかをたくさんみてきて。その中で自分たちは残ってて、でも新しい人たちはどんどん出てきてっていう、なんかその……。

風弥:うん、すごくわかる。ヴィジュアルシーンも10年以上いると周りのバンドがどんどん解散していったりするんだけど。その中で、もうバンドをやめてしまった人とかに久しぶりに会うと、「まだやっているんだ!すごいね!」って言ってくれたりするんだよね。その時に改めて“あーそっか、続けるってすごいことなんだな”って思う。周りが入れ替わっていくのに自分たちが変わらないっていうこと自体がね。

みのり:そうなんです。不安にもなるし、でも続けらているってことが、自分が思っているよりもすごいことなんだなって。うふふふふふ。やっぱり同じですね。

風弥:うんうん。これ、10年超えないとわからないよね。5年じゃわからない。10年を迎える前にみんな潰れてしまうから。

──それって何なんでしょうね。良い部分も悪い部分も、メンバーの全てを受け入れられるようになるんですか?

みのり:そうかもしれません。まなみのりさも1年前に活動休止をして。そこで、“やめるか続けるか”──今までで一番大きな決断の時期を迎えたんです。ちょうど10年だったから。めっちゃ迷って、みんなで話し合ったけど、結局、“続ける”って。なので、今、ここに戻っているんですね。

──壁や山を乗り越えた先に、一体感というものが生まれるんでしょうね。

みのり:あります、本当に。そのときに3人のうち1人でも“やめようかな?”って言葉が出てたら終わってたと思うんです。でも、誰もそれを言わなかった。だから今、続けることが出来てるので。

風弥:うちらは7〜8年目が一番大変な時期で、喧嘩もするような険悪な状態が続いたんですよ。“明日解散するんじゃないのかな?”って思う日が何日も何ヶ月も。でも、そこなんだよね。そこで、分裂寸前の時期が過ぎ去ると、“スーパーてやんでい状態”になる(笑)。わかる?

みのり:ふふふ、なんとなくわかります(笑)。その時期を乗り越えてからは、今、楽しいなってなってます。

風弥:僕もそう、今が楽しい。10年超えてからのDaizyStripperが楽しい。やっぱり楽しんでないとね。

──ステージに立つ人はそうでないと、客席に見透かされちゃいますからね。

みのり:うんうん。本当にそうなんです。

──それぞれの壁を乗り越えた同期のふたりが偶然にも、今、出会って、コラボ音源を完成させたということ自体、興味深い作品になったという。そのチャリティソング「ちぃたん☆の気持ち」の収益は、福島県にある特定非営利活動法人『SORAアニマルシェルター』というNPO法人に支援金として寄付されるということですが。

風弥:『SORAアニマルシェルター』は震災後、被災した猫や犬を救出し、保護している法人です。僕たちの企画意図に賛同いただけて、支援についても快諾していただけた。この音源配信による収益金などすべてを開示して、直接福島へ届けに行けたらいいなと思ってます。

──今年7月に発生した西日本豪雨災害は未だ大きな傷跡を残していて、みのりさんの地元・広島も被害を受けました。

みのり:そうなんです。今、広島と東京を拠点に活動しているんですけど、東京にいる間はライブごとに募金活動をして、また広島に帰ってるんですね。そういう活動を続けつつ、広島でチャリティーライブをすることを決めました。

風弥:DaizyStripperもツアーで広島へ行くことがあるんですけど、まなみのりさというアーティストは広島ですごく影響力があって、街全体が応援していることを感じるんですね。地元の象徴である彼女たちに、「ちぃたん☆の気持ち」でもいいし、まなみのりさの曲で、中国地方や日本全体を元気にしてもらいたい。そして、今回の動物を愛する思いに、たくさんの方々からの賛同をいただけることを切に願っています。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎Kuro


■チャリティーソング「ちぃたん☆の気持ち」


▼アーティスト名:ちぃたん☆らぶ
作曲:風弥 -Kazami- (DaizyStripper)
歌:みのり(まなみのりさ)
▼配信サイト
【音源】iTunes / amazon / mora / レコチョク / Google / ドワンゴ / エムティアイ(music.jp) / オリコン / TSUTAYA
【動画】mora (独占配信)


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