【インタビュー】DEZERT、ギターとの確執「音楽的なギタリストは、今、ヴィジュアル系をやらない」

ツイート

■僕は今、このアルバムで言ってることを
■伝えたい。それしかないんです

──そもそも、千秋はギタリストの何が好きじゃないんですか?

千秋:嫌いじゃないんですけど、もともとギターのアレンジにそんなに魅力を感じたことがないんです。基本、ボーカルしか聴いてなかったから。ボーカルを聴いていると、“ベースが大事”ってことになってきて、そうなると“ドラムも大事”ってなるんです。たいした知識もなく自分で楽曲を作っていたからかもしれないけど、ギターってボーカルの帯域と被るんですよ、アレンジも含めて。 “スゲー邪魔、ギター、マジうぜえ”って。だから“ギターはイヤだな”って感覚になったんだと思う。自分のイメージでは、順番的に上からボーカル、ベース、ドラム、ギター。そう考えると、ギターは最後のひと手間というか。例えばパスタを作って、お皿に盛って、その次に何をするかというのがギター。それで一流料理に変わることもあると思う。でも、ギターがいなくても成り立つと思ってるんで。

──調味料的な感覚なんですかね。楽曲はメロディ、リズム、ハーモニーが三大要素であり、ギターは装飾だと。ただ、ギタリストはそこをとっくに理解しているものでしょ?

Miyako:うん……多分(笑)。

千秋:これはギター論になるんですけど、2000年代からのネオヴィジュアル系って、“穴の空いたダメージジーンズ”のイメージなんですよ。昔の人が見たら、“穴が空いてるんだから縫いなよ”ってなる。でも俺らは、製品としてダメージジーンズってあるから、当たり前にそれを履くでしょ。ヴィジュアル系もそうなっちゃったと思うんです。メイクして人と違うことをするのがヴィジュアル系のフォーマット、みたいな。だから、おもしろくないんですよ。先人でもあるX JAPANとかLUNA SEAとか、ちゃんとしたジーンズを履いてたと思うんです、そもそもの楽曲のクオリティが高い。そういう中で、“ちょっとダメージしてみよう”とか、それがカッコよかった。でも今は、最初からダメージジーンズがカッコいいってことになってるじゃないですか。

──なるほど。

千秋:曲を聴いててわかるんです、“このバンドの曲はギタリストが作ったんでしょ”って。変な転調とか、ムチャクチャなソロフレーズやサウンドメイクってのは、だいたいギタリストがやってる。ベースとかドラムの人が曲を作ると、すごく音楽的になることが多いんですよ。でも、ギタリストは全然音楽的じゃない。だから嫌いで(笑)。俺は、“音楽的なギタリストは、今、ヴィジュアル系をやらない”と思ってるんです。また批判が殺到しそうだけど(笑)。

▲SORA (Dr)

──ダメージジーンズのたとえ、わかりやすかったですけどね(笑)。『TODAY』というアルバムはそのフォーマットとは全く違うってことでしょうし。ところで現在は、次のツアーに向けたリハ期間です。ツアーに向けたテーマなどもありますか?

千秋:基本的にセットリストを変えないツアーにしようと思ってるんです。セットリストが同じでも、昨日と今日では全然違うライブになるじゃないですか。そこで僕はどう変わるべきか、ここは変わらないほうがいいのかとか、自問自答する準備を今のツアーリハではしてます。新たな挑み方をしようとしているのは間違いないです。

Miyako:お客さんに向けてやるけど、自分達が楽しくなくなっちゃったら本末転倒になっちゃう。もちろん辛いこともあるんだろうし、もがくこともあるはずだけど。それもまたバンドをやっている楽しさのひとつでもあるんだろうと思ってます。ひとつずつ何かをクリアしていくことで、自分達の進むべき道も見えていくんじゃないかと思ってます。

──アルバム『TODAY』を発表後、いろんな意見もメンバーのもとに届いていますか?

千秋:SNSをやってないから届きにくいけど、やっぱり届きますよ。この前のライブでも手紙をもらったり。いい意見だけじゃないですよ。“メンタル弱いんだから、やめてね”って思いますけど(笑)。「この音楽が好き」と言われれば嬉しいし、「変わったから好きじゃない」と言われれば悲しいですよ、当たり前に。でも僕は今、このアルバムで言ってることを伝えたい。それしかないんです。だから何回かライブに来てみてよ、と。過去が好きだった人も、今が好きな人も、未来の人も、一度、ライブに来てみてほしい。それぐらい、僕らは覚悟を持ってやっているから。

取材・文◎長谷川幸信


■DEZERTオリジナルフルアルバム『TODAY』

2018年8月8日ON SALE

【トゥデイ盤 -特殊パッケージ3枚組仕様 (CD+2DVD)】DCCA-67 ¥8,000+tax
<DVD収録内容>
▼DVD Disc1
<DEZERT LIVE TOUR 2017”千秋を救うツアー2” TOUR FINAL>at 中野サンプラザ LIVE映像
01.「おはよう」
02.  sister
03.「誤解」
04.「排泄物」
05.「教育」
06.「変態」
07.「おやすみ」
08.「脳みそくん」
09.「ピクトグラムさん」
▼DVD Disc2
『TODAY』レコーディングドキュメント映像

【通常盤 (CD)】DCCA-70 ¥3,000+tax
<CD収録内容>※トゥデイ盤/通常盤共通
01.沈黙
02.おはよう
03.蝶々
04.浴室と矛盾とハンマー
05.蛙とバットと機関銃
06.Hello
07.insomnia
08.オレンジの詩
09.普通じゃない㈽
10.おやすみ
11.TODAY

■<DEZERT LIVE TOUR 2018 「What is “Today” ? 」>


8月18日(土) 大阪 CLUB QUATTRO
8月19日(日) 大阪 CLUB QUATTRO
8月25日(土) 福岡 DRUM Be-1
8月26日(日) 福岡 DRUM Be-1
9月01日(土) 名古屋ボトムライン
9月02日(日) 名古屋ボトムライン
9月15日(土) 仙台darwin
9月16日(日) 仙台darwin
9月23日(日) 札幌cube garden
9月24日(月・祝) 札幌cube garden
▼チケット
前売:4,000円(税込)
※オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
一般発売:2018/5/26(土)〜

■<DEZERT LIVE TOUR 2018 「What is “Today” ? 」TOUR FINAL>
11月18日(日) 東京 Zepp DiverCity Tokyo
開場17:00 / 開演18:00
▼チケット
前売 ¥4,500(tax in)
※1Fスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
一般発売日:9月8日(土)〜


◆インタビュー(3)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス