【インタビュー】Ken Yokoyama、15年を物語るセルフコンピ盤完成「横山は一本気だなって」

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■ライブでやっていく曲を念頭にまとめたんで
■全曲、聴いておいてくれよ

──新録オリジナル曲「I Feel For You,Fuck You」でセルフコンピは幕を開けます。それともう1曲の新録オリジナル曲「Swap The Files Over Your Head」も入っています。いつぐらいのタイミングで曲作りを?

Ken:それはJunちゃんに聞いてください。このアルバム自体、やろうと言ったのはJunちゃんだから。

『Songs Of The Living Dead』

Jun Gray:いや、前からこういうふうにまとめたアルバムを作りたいってことは、Kenから聞いてて、なんなら俺が加入したころから。俺が入った時点ですでに録音されていた曲も、今回のセルフコンピには入っているし。それに……思い出した! 加入したばかりのころ、Kenからレアトラック集のCD-Rをもらったんだよね。「ここに入ってる曲はライブであんまりやらないと思うけど」というニュアンスで。「こういうのを後々、CDにしたいかなって思いはある」と。だからアイデアはすでに持ってたんだけど、タイミング的にずっと、今じゃない、今でもないってのが続いて、俺が加入してもう10年ぐらい経って。

──なるほど。

Jun Gray:それで今年の春、難ちゃん(難波章浩 / NAMBA69)とのスプリット『Ken Yokoyama VS NAMBA69』のレコーディングがあって、次にどうしようと話したとき、ぶっちゃけ、スプリットで使い果たして、新曲もなかったりして。本来だったら今年、Ken Bandのフルアルバムを出したら美しい流れなんだけど、去年はHi-STANDARDでKenがこっちの曲作りに集中できなかったりしたし。それなら、ずっと前からのアイデアを形にするのは、このタイミングじゃないのかって。だけどKenには、やっぱり新録曲も入れたいという思いもあって。オリジナルの新曲を作るなら、年末か年明けになってしまう話も出たんだけど、俺がそんなのはダメでしょうと。夏か秋ぐらいにはリリースしようって、難ちゃんとのスプリットを出すくらいから俺は言い張ってたかな。それでKenに新曲を作ってもらって。

──最もドタバタしてた時期ですね。

Ken:そう、だからいつ曲を作ったのか、自分でも覚えてないぐらいなんです。でも新録の5曲を録ったのは、今年5月かな。難ちゃんとツアーしながらでしたね(笑)。新録曲を入れたいってのは、こだわりとしてあったんです。音源はもはやコアな人が買うものじゃないですか? 本当のコアな人は、全部のオムニバスもコンプリートしてると思うんですよ。そういう人に一番喜んでもらいたいじゃないですか、こういうセルフコンピは。こうやってひとつのアルバムにまとめられたところで、「どうなの?」って若い子は思うかもしれないけど、僕からしたら、ものすごいステイトメントなんです、ひとつにまとめるってことは。今後、ライブでやっていく曲を念頭にまとめたんで、全曲、聴いておいてくれよって。

──それに過去を振り返ってまとめたものではなく、今の一番新しい感覚も入っているのがポイントですね。しかもオリジナルの新録2曲が、タイプも曲調も違う。今のKen Bandはこれだけ広がっているんだぜ、という宣言に近いものも感じますよ。

Ken:うん、そうですね。

──そして、覚えてないぐらいの一瞬の時間でも、曲を作ってしまうというポテンシャルの高さですよ。

Ken:うん、やるしかなかったですね。Junちゃんがうるさいんで(笑)。

──今も腕組みしながらうなずいているし(笑)。

Ken:だから大変だったのは僕とMinamiちゃんで、ブーブー言いながらやりましたよ。「Junちゃんはやれと言うくせに、スタジオに来て、帰るだけじゃん」みたいな(笑)。

Jun Gray:いや、でもいいベースを弾く男なんですよ、俺という男はね(笑)。そういう作業はちゃんとやりますから。

──ベースフレーズでちゃんと歌いますからね。

Jun Gray:そう、分かってるじゃん(笑)。

Ken:いや、でも半分、ベースラインを考えてるのはKenですから(笑)。

Jun Gray:うるせーよ(笑)。そんなワケないだろ。実際にKenがベース弾いてる昔の曲も、今回のセルフコンピには入っているんだけど、「ルート弾きしかやってねぇのか!?」って曲もあったり(笑)。

Ken:それ、マスタリングのときに初めて自分でも気づいた。「俺、こんな単純なベースフレーズ弾いてたんだ、おもしれーな」って(笑)。昔、サージが仕事でいなかったりしたときに、GUNNちゃんにドラムを叩いてもらって、それ以外のことは全て一人でやったりしてて。『Nothing But Sausage』の時期はそうでした。

Jun Gray:いや、そこではけっこういいベースを弾いてるんだけど。でも、「なんで、こんなベース弾いちゃってんの。コイツは手を抜いてるな」みたいな曲もある(笑)。

Ken:厳しいんですよ、Junちゃん(笑)。いや、自分で聴いても笑っちゃいましたけどね、“なんで、これはこういうベースなった?”みたいなのが(笑)。

Ken Band

──そういう笑いポイントもありますよという。コアなファンには懐かしいと感じる音源も入っているけど、これからのツアーやライブでは今のメンバーが、いろいろとアレンジも加えて、各曲を増強させるんでしょうね?

Jun Gray:そりゃ、そうですよ。

──また、腕組みしながら語ってるし。

Minami:あのままルート弾きしてくださいよ、Junさん(笑)。

Jun Gray:いやいや、俺流にちゃんと完成させるわけですよ。俺はベースを弾くってことに関しては、全て俺流にやらせてもらいます、という感じだから。あんまり原曲どおりに弾いてない。それだとつまんないから。

──そのままでは楽しくない、さすが、違法改造バイクを乗り回す男です(笑)。自分流にやるのが楽しいよってことですね。

Jun Gray:バイクは違法じゃないから(笑)。ちゃんと車検通るから。

──ただ、今回のセルフコンピで解せないのが、Ken Yokoyamaではないナンバーが入っていることなんですよ。Kenco Yokoyamaさんの曲が入ってますね、ネエさん?

Ken:そうだわ、2曲ね。この際だから、もう、Kencoさんのが入ってもいいんじゃないかって(笑)。

Jun Gray:シャム69もジューダス・プリーストもカッコよくカバーできてたし。「Living After Midnight」(ジューダス・プリースト)がまたカッコいいんだよね、聴いてみると(笑)。

Matchan:すげーカッコいいんですよ、ほんとに。

Ken:めちゃテンション高くてカッコいいの。今回、メタルのカバーはジューダス・プリーストぐらいか。

──公にメタルカバーしたことで言うと、血まみれペイントのギターやベースでスレイヤーをやりませんでしたっけ?

Ken:あっ、血まみれギターで「Hundsome Johnny」を弾いてた。

Minami:そうそう。カバーはしてないけど、血まみれギターは弾いてました。

Ken:あとサージが在籍していたころ、イントロだけスレイヤーを弾いてたかな。なんだっけ、あれは。「South Of Heaven」かな。

──それでなぜか、ライブパフォーマンスの動きはスコーピオンズだったんです(笑)。人間トーテムポールやってました。

Ken:あっ、そうです。Junちゃんを僕らの両膝の上に乗っけて。Junちゃんはクラウス・マイネ(Vo)役で。

Jun Gray:そのころは、やっぱ他にもメタルやってたよ。なんだっけ、アンヴィルか。

Minami:人前ではやってない(笑)。リハではよくやってましたよ(笑)。

Jun Gray:人前でやってなかったっけ? でもウケるわけないもんな(笑)。

Ken:なにしろ「Metal On Metal」ですからね(笑)!

──選曲がツウ好み(笑)。

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