【インタビュー】THE BEAT GARDEN、スタイリッシュさを継承しつつエモーショナルさを増しメッセージ性を高めた新アルバム『メッセージ』

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THE BEAT GARDENは、“3VOCAL+1DJ”という編成のボーカル・グループ。洗練感を纏った音楽性(前作の作詞/作曲を自ら手掛けていることも注目)や三つの個性が織りなす華やかなボーカリゼーション、端正なルックスなど魅力の多い彼らがニュー・アルバム『メッセージ』を完成させた。THE BEAT GARDENならではのスタイリッシュさを継承しつつよりエモーショナルさを増し、リスナーへのメッセージ性を高めた同作は、幅広い層にアピールする好盤といえる。ここにきて“自分達らしさ”を確立しつつあることを感じさせる彼らの全員インタビューをお届けしよう。

■ファンとの寄り添い方や伝えたいメッセージも変わり
■それに伴って創りたい音楽も変わっていった


――まずはTHE BEAT GARDEN結成のいきさつを改めて話していただけますか。

U:僕とREIとMASATOは、大阪で同じ専門学校に通っていたんです。一緒に曲を作ってみようということになり。REIが作ってくれたトラックに三人でメロディーを乗せたら、「これは、もう絶対ドーム行けるっしょ」という話になって(笑)。それで、その1週間後にみんなで上京して、THE BEAT GARDENとして活動を始めました。当初は自分達で作ったトラックをPAさんに流してもらってライブをしていたんですけど、EDMの要素とかを採り入れて、もっと自由にお客さんに楽しんでもらいたいという気持ちになって、だったらDJを入れたほうがいいよねという話になって。それで、僕の地元の後輩で、グループの運転手とライブの時の物販をやってくれていたSATORUをメンバーに誘ったんです。「君、DJやらない?」みたいな(笑)。でも、1ヶ月くらい悩んだよね?

SATORU:うん。三人がすごく熱かったんですけど、邪魔はできないなと思ったし、まして僕は音楽の経験が全くなかったので、俺なんかでいいのかなというのがあって。でも、この人達と一緒にいたら人生楽しそうだなと思って。

――もうひとつ、THE BEAT GARDENは全曲を自分達で作っていることも大きな魅力になっています。

U:自作曲でいきたいというのは最初からあって、ずっと変わらないですね。

REI:最初に三人で作り始めた頃の曲を今聴くと恥ずかしいけど。初期の頃はUさんがメロディーをあげてきてくれたものにみんなで色づけしていて、そうやってできたのがインディーズ時代の「WILL」とかですけど、そういう時期を経て、それぞれが曲を作るようになっていったんです。そういう流れで来ているから自分達で曲を作るのは自然なことに感じているし、なにより三人で曲を作るのがすごく楽しい。だから、作曲や作詞を誰かに任せたいとは思わないです。

――自分達でクオリティーの高い曲を作ることができていますしね。

U:ありがとうございます。そこは、がんばったよな?(笑)

SATORU:うん!

U:SATORUかよっっ! お前は違うだろう!(笑)

SATORU:ああ、そうですね。すみません……(笑)。

REI:曲が良いと言ってもらえるのは、本当に嬉しいです。今でこそエモーショナルな曲だったり、メッセージ性の強い曲をやっていますけど、インディーズ時代はエレクトロを基盤にして、そこにダンスやロックのエッセンスを融合させた曲をやっていたんですよ。つまり、よりトラック重視だった。そういうところから入って、その後ポップスも作れるようになって…というふうに、それぞれがコンポーザーとして成長してきていることは感じています。


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――3VOXということもポイントで、ブラック・ミュージックが香るUさん、爽やかかつメロウなMASATOさん、熱いREIさんという異なる個性を活かした華やかなボーカリゼーションは本当に聴き応えがあります。

U:僕ら三人は、ルーツがバラバラなんですよ。僕が一番影響を受けたのは、久保田利伸さんです。小学校の時に「流星のサドル」を聴いて大好きになりました。そういうところから入ったので元々はR&Bが好きで、中学生の頃にバンドに目覚めてリンキンパークを聴くようになるんです。それに、友達とバンドを組んで175Rとか、BUMP OF CHIKENとかのコピーをしていました。そういう感じで子供の頃からいろんな音楽を聴いていたし、今もいいなと感じた音楽はなんでも聴きます。

MASATO:僕は音楽を聴くようになったきっかけは、EXILEです。自分も歌いたいと思うようになりました。その後は日本のR&Bを聴くことが多かったけど、UさんやREIと出会って、ロックも聴くようになったし、最近は弾き語りとかを聴くことが多いですね。僕は歌モノが好きで、いい歌を聴きたいという欲求が強いんだと思います。


▲REI (Vo)

REI:僕は、音楽に目覚めたのは小学校6年生の時です。カニエ・ウェストのライブに一人でいったんです(笑)。小学生の頃にダンスを始めてから洋楽を聴く習慣がついていて、当時はカニエ・ウェストにハマっていたんです。彼のライブを観て、リスナーに影響を与えるアーティストという存在に興味を持つようになって、自分もそこを目指したいと思うようになりました。自分のボーカル・スタイルに関しては、僕は洋楽/邦楽問わずいろんな音楽を聴きますけど、僕は歌心のあるシンガーが好きなので、自分も歌う時は感情を込めたいという気持ちがあるんです。それに、Uさんが考えてくれた歌詞の世界観を、しっかり表現したいという思いもあるし。だから、僕の歌は熱く感じるんだと思います。

SATORU:僕が影響を受けたのは……。

一同:えっ、SATORUも?(笑)

U:音楽は全然やっていなかったって、さっき言ったじゃん(笑)。

――いやいや、せっかくなので、好きなアーティストなどを教えてください。

SATORU:ありがとうございます。僕は、ずっと聴いていたのはELLEGARDENです。

U:そして、カラオケで女の子がいると歌うのがMr.Childrenの「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌」です(笑)。

SATORU:やめろ、やめろっ!(笑)

U:それで、ゲットできないという(笑)。

一同:ハハハッ!!(爆笑)

SATORU:いいんだよ、俺は汚れ役だから(笑)。

――最新アルバム『メッセージ』について話しましょう。アルバムを作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?

U:1年半前に『I’m』というアルバムを出したんですけど、その時はプロフィール的なものを作りたかったので、よりエレクトロで、ロックなサウンドをどれだけJ-POPとして聴かせられるかということが課題としてあったんですね。その後『I’m』をリリースしてから1年半の間に、リリース・イベントをしたり、ショッピング・モールでミニ・ライブをしたり、対バンのイベントに出たりしたし、握手会も始めたんですよ。そうやっていろんな人と出会って、いろんな日々があることを肌で感じたし、片想いをしていますとか、仕事がうまくいかないとか、学校でイジメられているとか、悩みを抱えている人がいっぱいいて。そういう話を聞いて、それぞれの毎日に寄り添えるようなメッセージを込められたらいいなと思ったんです。なので、『I’m』以降のシングルはJ-POPに寄っていったし、新しいアルバムもその延長線上にあるものにしたいなと思って制作に入りました。

MASATO:個人的な話になりますけど、今回は自分も曲を作りたいなと思っていました。ずっとREIとUさんが曲を作ってくれていて、それを表現することがすごく好きだけど、楽曲に自分というものを表していきたいなという欲も出てきて。それで、今回「横顔」という曲を作りました。自分も曲を作ったことで、よりモチベーションが高い状態でレコーディングに臨めたというのはありましたね。


▲U (Vo)

REI:『I’m』の時はトレンドのものを、どうTHE BEAT GARDENに落とし込むかということを考えて表現したけど、作り終えた時に、次はもっと芯のあるアルバムにしたいなと思ったんです。芯がなかったわけじゃないけど、細かった。で、『I’m』以降の1年半の活動を通して、自分達は大きく変わったんです。ファンとの寄り添い方もそうですし、伝えたいメッセージもそうですし、それに伴って創りたい音楽も変わっていった。なので、アルバムの制作に入る前は、それをちゃんと形にしたいと思っていました。一言で言えば、どういう人に向かって歌っているのかが、もっと具体的に見える作品にしたかったんです。その結果、今回は家族に対する愛情や感謝の気持ちを描いた曲もあれば、恋人に対する想いをストレートに描いた曲もあれば、悩んでいる人に向けたメッセージを託した曲もある。ちゃんと芯のある作品にできたんじゃないかなと思います。それに、今回はMASATOさんも曲を書いてくれたというのがあって。僕らはファンの方を“BEAMER”と呼んでいるんですけど、BEAMERもUさん、MASATOさん、僕の顔が見える曲のほうが喜んでくれると思うんですよ。そういう意味でも、僕は『メッセージ』の仕上がりにはすごく満足しています。

SATORU:僕は楽曲制作に携わることはないですけど、三人があげてくれた曲を制作の途中で聴かせてもらったりして、すごく幅広いアルバムになりそうだなということを感じていました。アルバムが完成したら僕の想像を遥かに超えた振り幅の広さだったし、しかも良い曲が揃っていたんですよね。

◆インタビュー(2)へ
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