【インタビュー】MOSHIMOが見せた変化「ロックバンドとして生き抜くために」

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「猫かぶるのヤメマシタ」。4月からスタートするアルバム・リリースツアーのタイトルが、今のMOSHIMOを正確に表している。2018年を通して、ライブバンドとしての筋力アップと共に、ボーカル岩淵紗貴による恋する女子の本音さらけ出しまくりなメッセージを武器に快進撃を続けてきたMOSHIMOが、遂に到達した新境地。通算4作目のニュー・アルバム『TODOME』に込めた熱い思いと不甲斐ない女の魂の叫びを聞け。

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■ “これはやりたくない”というものを決めた

── ビジュアルも含めて、ガラッとイメチェンしたというか。

岩淵紗貴(Vo&Gt/以下、岩淵):そうですね。

── アルバムを作り終えて、今までとは違う手応えとか、ありましたか。

岩淵:サウンドも詞も、ライブを第一に考えました。今までは、いろんな曲調で自分の感情を出していけたらいいなと思ってたんですけど、2018年はライブバンドとして生きていこうと決めた年で、そこから音作りが変わったんですね。過去の作品を否定するわけではないですけど、MOSHIMOが何者かわかりづらかったかな?というのがちょっとあって。ロックバンドとして、ライブバンドとして生き抜くために、曲を作っていきたいと思ったんです。

一瀬貴之(Gt/以下、一瀬):ライブの動員も増えてきたし、バンドをやってる以上ライブに軸を置きたい気持ちがあって、今回の作品も、ライブハウスで演奏している姿を想像して作りました。今までは、クリエイター気質が強かったというか、僕はそういうのも大好きで、ピアノを入れてみよう、ストリングスを入れてみようとか、アレンジの偏差値を高めることを目指していたんですけど。今回は、自分たちがライブハウスでできること、自分たちが歌う理由があるもの、岩淵のエッセイ感というか、本人が経験したものの中から作りました。今までもそうやって作ってきた部分はあるんですけど、“こういうシチュエーションはどうだろう”とか、想像の部分も多かったんですよ。本人が歌う理由を大事にしつつ、新たに作り始めたのがこの半年ぐらいですね。

岩淵:ストーリー性がないとわかりづらいとか、昔はめちゃくちゃ言われてたし。何が言いたいのかわからないと言われて、詞を書き直すことも多かったんですけど、よくよく考えると、歌ってるのは私だし、とやかく言われる筋合いはねぇなと思ってきて(笑)。ラブソングに起承転結とか要らないし、悲しいなら悲しいで、その時あった一個の感情をポンと書くほうが、自分の気持ちも入るし、“なんでそんなにきれいなものを作ろうとしてたんだろう”と思っちゃって。だから、2018年からそういうことをはっきり言うようにして、“これはやりたくない”というものを決めたんですよ。今までは、できないと思われることが嫌で、わかりやすく書けないことが嫌だとか思ってたけど、私しか歌えないものを作りたいなと思うようになったし、自分の中にNGを作ることをしました。やりたくないことはやらないというボーダーラインを作って、八方美人にならずに発言するようになると、制作の面でも日常の面でもすごく充実するようになったので。そうすればするほど、ライブに対する思いが強くなって、自分の言葉に責任を持ちたいと思うようになったんですね。

── 全部が絡み合ってる。リズム隊の二人は、最近のバンドの変化をどう感じている?

本多響平(Dr/以下、本多):ライブを重視することで、音が簡素化したぶん、曲に対するアプローチが単純明快になりましたね。元々そういう音は好きだし、そういう楽曲ができたことで、個人的にもすごく手ごたえを感じた1枚になりました。

宮原颯(Ba/以下、宮原):2018年はライブをいっぱいしてきて、そのたびにポチ(岩淵)が、自分の中のオラオラ感をどんどん出すようになって。それがあって、今回のアルバムができたのかなと思いますね。

一瀬:1年ぐらい前に、ライブのやり方を変え始めた時には、反対意見もあったんですよ。たとえばファッションやクリエイトの面でも、スタイリストさんがいるとカラフルになるけど、僕はそういうのが嫌だったんですよ。それを自分からは言い出せずにいたんですけど、せっかくバンドをやってるなら、自分が好きなことをやったほうがいいじゃんって。自分がやりたいことをやって失敗しても、それはそれで納得がいくので、そういうことを言い出したり、実行し始めたのが、ちょうど1年ぐらい前だったんですね。バンドのロゴもそうだし、全てのクリエイトをそういうふうに変化させていったのがその頃で、最初はすごい勇気が要りましたし、やることなすこと“それはMOSHIMOじゃない”とか死ぬほど言われて、みんなの中にMOSHIMOのイメージがあるのはありがたいことですけど、そこを我慢して、“俺らはこうなんだよ”と思うことをやり続けてきたんですよね。

岩淵:この1年そうやってきて、お客さんの反応も全然違うし、その瞬間しかないものを一緒に楽しもうということが、すごく強くなった。

一瀬:そうだね。自分たちがやりたいことをやった時のほうが、お客さんの反応がいいので。それが芸術として素晴らしいか素晴らしくないか?ということよりは、自分たちがやりたいことが、他人に作られたものなのかそうではないのか、お客さんは肌感覚でわかるんじゃないかなって、すごく感じましたね。

── 楽曲を掘り下げていきましょう。1曲目「電光石火ジェラシー」は去年9月のシングルで、3曲目のリード曲「釣った魚にエサやれ」も、去年ライブでやっていた。ほかは最近の曲が多いのかな。


岩淵:ほとんど最近ですね。アルバムに入れようと思って作った曲ばかりです。

一瀬:最初に作ったのは、「釣った魚にエサやれ」。

岩淵:これはスタジオに入って、♪ニシン来たかとカモメに問えば~とか、ふざけて歌って、“これ面白くね?”って。


一瀬:「釣った魚にエサやれ」というワードを使って、何かやりたいなというのは元々あって、そこからスタジオでふざけてるうちにできた曲です。ポチが「ソーラン節」を歌って…。

宮原:いきなり踊りだしたもんね。

岩淵:何をやったらライブで楽しいかな?と思って。逆に「ヤダヤダ」とかは、私の元々のネガティブな部分がすごい出てる曲だなと思います。

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