【インタビュー】dps、マーティ・フリードマンとの共作含む1st EP完成「アジアツアーでの成長も音源に」
dpsが6月19日、デビューシングルから約7年ぶりの音源となる1st EP「カミカゼ」をリリースした。同EPには表題曲をはじめ、マーティ・フリードマンとの共作曲「あの頃は何もわからなかった(with Marty Friedman)」など全4曲を収録。マーティ・フリードマンとのコラボは、dpsデビュー直前に公開されたギターバトル動画をはじめ、USインストバンドPolyphiaのアジアツアーに“マーティ × dps”の混合バンドで出演するなど、これまでも精力的に行われてきた。そして完成した4曲はコラボ曲のみならず、マーティからの影響がそこかしこに散りばめられている。
◆「あの頃は何もわからなかった (with Marty Friedman)」MV 動画
壮大なロックバラード「あの頃は何もわからなかった (with Marty Friedman)」、パワフルでテクニカルな側面を持つ表題曲「カミカゼ」、オトナの色気が香る「キャンドルに火をつけて」、スタイリッシュなハードチューン「夜の飛行機」といったタイプの異なる4曲が映し出したのは、確かなテクニックを持つ4人がバンドとしてより高め合っているという一体感。メジャーデビューから約半年、『名探偵コナン』テーマ曲起用、マーティ・フリードマンとのコラボ、アジアツアー、国内フェス出演などによる大きな経験と実績を振り返りつつ、現在進行形のバンドサウンドが詰め込まれたEP「カミカゼ」について、じっくり話を訊いた。
◆ ◆ ◆
■「Dメロくださーい!」とか
■マーティさんに楽しんでもらえた
──2018年11月に『名探偵コナン』のオープニングテーマとなった「タイムライン」でメジャーデビューを果たし、その後、世界的ギタリストのマーティ・フリードマンと一緒にポリフィアのアジアツアーに参加するなど、充実した活動をみせています。まずは、ここまでの活動の印象や手応えなどを話していただけますか。
森丘:前回のBARKSでのインタビューは、「タイムライン」リリース前に取材をしていただいたじゃないですか。実際にリリースしてから各地で反響があったり、嬉しいコメントをたくさんいただいたりしていて、それが純粋に嬉しいです。
安井:一番嬉しかったのは、海外でライブができたことで、僕は海外に行くこと自体、初めてだったんですよ。それだけでも大きな出来事だったし、マーティさんが加わった5人編成でdpsとしてライブができた。もともと好きだったアメリカのポリフィアと一緒にツアーを廻れたのもすごいことだなって。
木村:アジアのお客さんも熱かったですね。
▲木村涼介 [Vo] |
木村:本格的な音楽活動やバンドは僕にとってdpsが初めてで、最初はとまどうことも多かったけど、徐々に慣れてきましたね。「タイムライン」をリリースした時にはわからなかった自分の課題が、ここにきて見えたりしているし。そういうことがモチベーションにつながっているんです。“自分を試されることの連続”というやり甲斐のある環境の中で、いろんな経験をさせてもらえていることに感謝しています。
川村:僕は最近、バンド感がより強くなってきていることを感じています。たとえば、昨日のライブで機材トラブルがあったんですけど、全く動揺することがなくて、全員が“なんでもこい”という対応だったんですよ。それを見て頼もしくなったなって。それに、それぞれがバンド内で果たす役割もわかってきて、物事が自然とまわるようになってきている。ここまでの活動を通して、個々としても、バンドとしても、成長できていることに手応えを感じています。
森丘:楽曲のアレンジにしても、ギタープレイにしても、「タイムライン」リリース時には思い浮かばなかったり、できなかったりしたことを今回の「カミカゼ」では活かすことができた。そういう自分の成長や、バンドとして順調にレベルアップできていることを楽しんでいるというのはありますね。
▲1st EP「カミカゼ」初回限定盤 |
川村:今回はマーティさんとコラボレートした「あの頃は何もわからなかった (with Marty Friedman)」が一番最初に完成したんです。この曲が核になって、他にどういうナンバーを入れるかを固めていった感じでした。
──今回のコラボは、アジアツアー中に木村さんのスウィートスポットを見つけたマーティ自身から、「絶対、何か一緒にやろう!」という話をもらったことがきっかけとのことですが、コラボが決定した時点で、曲調のイメージなどもあったのでしょうか?
川村:マーティさんと(森丘)直樹という2人の優れたギタリストが居るわけだから、最初はすごくロックな楽曲を作ったんですよ。それをプロデューサーとマーティさんに聴いてもらったら、「違う」と言われたんです(笑)。マーティさんは(木村)涼介の声を聴いて、“バラードがいい”と思ったみたいで。ただ、バラードといっても、いろいろなタイプがあるので、マーティさんとLINEで意見交換してみたところ、彼は壮大なロックバラードをイメージしていることが伝わってきたんです。スケール感のあるロックバラードというと僕の中ではエアロスミスなので、改めて彼らの楽曲を聴き直したり。あと、ドラマー視点の話ですけど、そういう楽曲はスネア一発に気持ちを込めるというか。リズム面ではそこを押し出したいというのもありました。
森丘:いつもは原曲ができたら僕がフルサイズのアレンジをするんですけど、今回はまず楽曲の1番だけアレンジを進めて、それをマーティさんに聴いてもらったんですね。そうしたら、マーティさんが「これを僕が膨らませます」って、以降のアレンジをしてくれたんですよ。サビのコードとかは少し変わりましたけど、基本的に僕が考えた方向性を活かしてくれました。
▲木村涼介 [Vo] |
川村:マーティさんから「サビの後に違うセクションをつけてください」というリクエストがきたんです。僕も展開が必要な気がしていたのですぐに作ったら、「いいじゃん」と言ってもらえました。なんかマーティさん、ノリノリだったよね(笑)?
森丘:そうですね(笑)。
川村:当初アレンジは、マーティさんには途中確認してもらう程度で、全部直樹にやってもらうつもりだったんですよ。だけど、マーティさんのほうから「後は僕がやりまーす!」とか「Dメロ、くださーい!」とか(笑)。
森丘:あはははは。マーティさんに楽しんでもらえたみたいで、僕らとしても嬉しかったんですよ。
◆インタビュー(2)へ
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