【インタビュー】the shes gone、新作『MORE』は「もっと好きになってもらえるアルバムに」

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目指すのは、あなたの日常に寄り添える究極の愛の歌。「ラブストーリー」「想いあい」「甘い記憶」とYouTubeヒットを連発し、ライブも各地でソールドアウトを続ける若き注目バンド・the shes goneが今年2作目のミニアルバム『MORE』を完成させた。前作『DAYS』よりさらにスキルと表現力を増した演奏と、中高生からさらに上のリスナーにも響く様々なタイプの恋愛ソングを散りばめた全5曲。バンドがつかんだ確かな自信と進むべき方向について、兼丸(Vo&G)が語ってくれる。

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■4人の音だけで鳴らしたい

──まずはアルバムのリード曲「シーズンワン」のミュージックビデオの話からしましょうか。今回はどんなコンセプトで?

兼丸:監督は中野翔太さんという方で、まだメンバーだけでミュージックビデオを作っていた頃、メールで連絡をもらっていたんですね。「想いあい」のMVを見て、「バンドのイメージに合ったビデオが作りたいので、良かったら撮らせてもらえませんか」というお話だったんですけど、その時はMVを作る予定がなかったので、一度お断りして。今回あらためて過去の作品を見せてもらって、「この方がいい」という話になりました。

──これまでとは違って、登場人物も多いし、片思いの男の子が主人公のストーリー仕立てになっている。見どころは?

兼丸:単純に何回見ても楽しめるように、ちょっとした仕掛けもあります。ストーリー自体はわかりやすい提示の仕方ではあるんですけど、ストーリーの始まりが果たしてMVの頭からなのか、もしかしたら途中からなのか?とか、そういう見方もできる作品にしてくださってます。キャストの方がお芝居をしている時の表情の抜き方がすごくうまくて、曲とはまた別にエモーショナルな部分を引き出してくれてるのが、今までにないと思ってますね。今までは可愛い子がいて、僕らが歌っていて、というものが多かったんですけど、そこにストーリーがついて、さらに表情をうまく抜いてくださったので、曲で表しづらいところをうまく汲み取ってくださったMVになっていると思います。今までのMVで一番納得してます。

──ちなみにあのナチュラル可愛い女の子はモデルさん?

兼丸:モデル兼女優さんですね。まだ16歳の子で、現役の高校生は出演者の中であの子だけです。中野監督の推薦なんですけど、宣材写真ではメイクをして肌も白かったのが、実際会ったら、本当の女子高生だから、夏休みが終わりたてで日焼けしてて、そこにすごくリアル感があって。おかげで「クラスにいる可愛い子」の理想に近いイメージができたのかなと思います。

──今回もキャッチーなMVできました。みなさんぜひ。

兼丸:女の子を見ていただければ、とりあえずいいです(笑)。それで、いつのまにか曲を好きになってもらえたらいいんじゃないかと。



──その「シーズンワン」が1曲目に入った2ndミニアルバム『MORE』。前作『DAYS』を作り終えて、ストック曲がゼロの状態から作り始めたとか?

兼丸:去年の暮れに『DAYS』を作り終えた後、個人的には大学の卒業論文があって、メンバーの脱退もあって、いっぱいいっぱいの状態だったんですよ。新曲のデモは作ってたんですけど、メンバーが固まらないとなかなか難しくて、3月に今のサポートドラムの方(熊谷亮也)が決まって、バンドの態勢ががっちり固まったなと思ってからようやく曲作りがスタートできたので。そこから作りながら録りながら、という過程でしたね。

──ドラムが変わったのは大きいと思う。ビートがすごく強くなったし、全体的に筋肉質になった感が。

兼丸:ドラムが筋肉質なのは、本当に筋肉質の方が叩いているので、もしかしたらそれかもしれない(笑)。僕がメンバーに話したのは、シンプルに曲をいいものにするために「曲の中で聴かせたい場所をはっきりさせよう」ということで。ドラムもフレーズ自体は難しくはないんですけど、聴かせたいところで抑揚を付けてくださるのが、前作よりも思い通りにできたので、リードギターのフレーズもシンプルにして、だからこそベースの動きが聴こえてきたり、そういうところがうまくできたんじゃないかな?と思います。

──アルバム全体に、何かまとまったテーマやモードがあったりするのかな。

兼丸:順番としては、「panorama」「嫌いになり方」「シーズンワン」を録って、ちょっと間が空いて「君のパレード」「ふたりのうた」を録ったんですけど、「panorama」は昔の曲で、流通する前のデモに入ってます。珍しく当時から納得のいく曲だったので、歌詞も演奏もほとんど変えず、ちょっとアレンジし直したぐらいです。その他は新曲ですけど、今回はメロディ先行で曲を作って、アレンジして、最後の最後にイメージにハマる歌詞を書く作業で、「嫌いになり方」「シーズンワン」の2曲は歌詞が全然出てこなかった。僕があまり歌詞を見ながら聴くタイプではなくて、聴覚に任せて感情が揺れ動く方なので、「なるべく耳だけで聴いて情景が浮かぶ歌詞を」と考えすぎてしまって、そこで悩んでた2曲ですね。響きと、歌詞のストーリー性と、情景が浮かぶことをすごく意識しすぎちゃって、全然出て来なかった覚えしかないです(笑)。

──いきなりつまずいたみたいな(笑)。

兼丸:演奏に関しても、前回よりもいいレコーディングスタジオを使わせてもらったので、さらに神経質になって、最初の2曲は細かいところが気になって、「そこは強く弾きすぎなんじゃないの?」「ノリはもうちょっと後ろなんじゃないの?」とか、作りながら修正しながらの作業が多かったです。そのぶん後半の2曲「君のパレード」「ふたりのうた」は、スムーズにできましたね。ライブと制作ばかりで行き詰まってたんですけど、後半の2曲を録る前に好きなアーティストのライブを見れたことで、視界が開けて、それぞれ2日ずつで歌詞は書けました。

──いい刺激になったんですね。

兼丸:ナマモノであるライブを見れたことで狭くなってた考え方や見え方が開けてくれて、自分で「ちょっと背負いすぎてたな」と思えるようになって。2枚目だし、何でもやっていい時期だし、韻とかを考えすぎずに書いてみようと思った時に、「君のパレード」「ふたりのうた」の2曲とも一行目がパッと浮かんで、曲の情景が見えたので、バーッと書けました。

──「君のパレード」は、シズゴとしてすごく新しさを感じる曲ですよ。すごく風通しのいい、軽快でポップな曲で、自分で自分の歌詞に突っ込んで「アハハ」って笑う声まで入ってる。あそこ最高。

兼丸:あれは、事前に考えてなかったんですよ。今回徹底したのは「4人の音だけで鳴らしたい」ということで、うまく歌うんじゃなくて曲を良くするのが大事だということに気付いて、「君のパレード」はちょっとふざけるというか、主人公がそういうタイプの人間なので、二番まで歌ったところで「アハハ」っていいんじゃないか?と。結果的に、うまくハマったと思います。

──シズゴってこういうユーモラスな面もあるんだなあと。だいぶ発見でしたね。

兼丸:本当はみんなふざけてるんで(笑)。今回のミニアルバム全体に言えることは、ライブを意識できたんですよね。前作では意識できなくて、「これライブでどうやるの?」ということもあったけど、今回はそういうものがないので、「君のパレード」も、ライブでやるのが楽しみです。ただ息継ぎが大変で、ちゃんと笑えるか?という課題はあるんですけど(笑)。

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