【インタビュー #4】徳永暁人、doa15周年と不屈の音楽ライフ「僕は最後尾からスタートした」

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■もうやめようと思いながら
■結局、一生続けるでしょうね(笑)

──そしてdoaの結成は2004年。結成の経緯などは先ごろ公開した全員インタビューでお話していただきましたが、ひとつだけリーダーの徳永さんにお聞きしたいことがあります。吉本さんには音楽的経歴がほとんどなく、さらにプロとしてレース活動をしていますが、当初、メンバーに選んだことに不安はなかったですか?

徳永:出会った時の吉本君は、おっしゃるとおり全くの素人だったんですよ(笑)。でも惹かれたんですよね。

──吉本さんのパーソナルインタビューでは、「徳永さんと初めて話をしたときに、歌ったりハモったりすることは楽しいだろうなって。でも、それ以外のことはよくわかっていなかった」とおっしゃっていて。吉本さん自身も自覚的なところはなかったようなんですが、徳永さんはどこに魅力を感じたんでしょう?

徳永:吉本君と知り合う前に、新しいバンドを作ろうと思って、何人かのボーカリストとデモテープを作ったりしていたんです、実は。でも、うまくいかなくて立ち消えになったものばかりで。吉本君と出会った時、たまたま僕はCSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)のカバーを作っていたんです。英語詞なので、オーストラリア育ちの吉本君に歌ってもらうことにしたら、まず声が個性的だったんですよ。音楽の知識もないし、ボーカル技術的なこともほぼ知らなかったと思うんですけど、鼻にかかった感じの声がクセになる魅力を持っていた。

──なるほど。

徳永:レーサーということに関して言えば、実は、僕は彼がレーサーだということを知らなかったんですよ(笑)。だから、週末になると「サーキットに行く」と言う話を吉本君から聞いていたので、“レースを観るのが好きなんだな”と思っていたという(笑)。ただ、あまりにも頻繁にサーキットに行くって言うから、確認したら、「いや、車に乗っているんです」と言われ、“ええっ!”と(笑)。つまり、知らなかったので障壁にすらならなかった(笑)。

▲doa

──シンガーとしても人柄的にも一緒にバンドをやりたい存在だったんでしょうね。そうやってdoaを立ち上げて活動を軌道に乗せた後、2011年頃からメンバーそれぞれがソロ活動も行うようになりました。

徳永:ソロは最初、やりたくなかったんですよ。大田さんも吉本君もソロを始めていたけど、僕がやりたい音楽はdoaで形にできているし、リーダーだし、ソロの意義を感じなかったんです。でもある時、“いや、待てよ。僕はdoaに甘えているんじゃないか?”と思った瞬間があったんです。“doaの陰に隠れて、チャレンジしていないんじゃないかな”と。吉本君も大田さんもソロに対して、いろんな企画を考えたりして一生懸命がんばっているわけですよ。その姿を見て、“doaだけやっていればいいというのは違う”と思って。

──なるほど。

徳永:それに、自分が作曲家として提供した曲をセルフカバーしたかったので。それは自分自身が、というよりも“お客さんに楽しんでもらいたい”とか、“doaとは違う音楽を味わってもらえる機会”という気持ちのほうが大きかったですね。あとは、僕ひとりで歌うことによって、吉本君と大田さんの価値が改めてわかる……“吉本君、大田さん、いつもありがとね”みたいな(笑)。なので、挑戦みたいな感じでソロライブをやることにしました。

──その初ライブが2011年10月の<徳永暁人ソロライブ「Route 109 Vol.1」>です。ファンの皆さんは、すごく嬉しかったと思います。ソロライブではどんなことを感じていますか?

徳永:doaメンバーによるソロライブって、それぞれのカラーが濃く出るんですよね。大田さんはロックチューンを集めたり、僕はピアノで弾き語るなどの大人っぽいもの、吉本君はオケを流して歌に没頭する。doa以上に、それぞれの音楽的な個性が浮き彫りになっていると思うんです。

──ソロ活動で得たものもdoaにフィードバックされていますよね。

徳永:バンドを活性化できたという意味でも、ソロをやって良かったですね。doaを長くやっているうちに“これはOK / これはNG”という形が勝手にできてしまったんですよ。でも、それぞれがソロ活動をすることで、視野を広げることができた。たとえば僕がピアノを弾きながら歌う曲があってもいいんじゃないかとか、大田さんのソロライブの演出が面白かったから、そのままdoaで使ってもいいんじゃないかとか。doaのライブだけではわからなかったことばかりで。バンドというのはそういうものなのかなと。

──それぞれのソロがdoaをさらに魅力的にさせるというのは理想的ですね。さて、徳永さんのお話をうかがって、自分の夢を実現させるためには諦めないことや努力することが大事だなと改めて思いました。

徳永:“僕は最後尾からスタートした”っていまだに思っているんですよ。周りを見渡すとすごい人がいっぱいいて、そういう人を見ると、“勉強させてほしい”と純粋に思うんです。これからも、そういう気持ちを持ち続けていくでしょうね。

──謙虚ですね。徳永さんは根っからの音楽好きで、一生音楽と共に人生を歩んでいくでしょう。

徳永:ただ、音楽をやめようと思ったことは100万回くらいあるんですよ。月に2回はそう思う(笑)。自分がやっていることに納得がいかなかったり、自分の限界を感じることが多々あるから。曲が書けない時は、“今日はもう音楽のことは考えない”と決めて街に出たりするんですけど、気がつくと楽器店にいたりするんです(笑)。街中に流れている音楽に耳を惹かれて、“どういう作りになっているのか”って分析を始めたりするし。“僕は、なにをしているんだ!?”って(笑)。

──やめられないんですね。

徳永:はい(笑)。最近は大学で授業をしたり、若い人たちに作曲を教えているんです。昨日の講義では現在のヒットチャート40曲を研究したり。そういう世代の人たちと触れ合うと、彼らのほうが感覚が鋭いと感じたり、こっちが学ぶことも少なくないんです。教えるために僕自身が勉強しないといけないし、それが自分の糧になる。すごくいい刺激になっています。そういうことも含めて、僕はずっと音楽と共にあると思う。もうやめようと思いながら、結局、一生続けるでしょうね(笑)。

取材・文◎村上孝之

■ベストアルバム第三弾『doa Best Selection “BALLAD COAST”』

2019年11月6日(水)発売
GZCA-5294 3,000円(+税)


01. はるかぜ
02. 心のリズム飛び散るバタフライ
03. 野の花 (新曲)
04. 365のダイヤモンド
05. 地球の中で二人っきり
06. いっぱい
07. 愛は太陽のように誰にでもふりそそぐ
08. One Love
09. 旅立ちの歌
10. まわり道
11. 季節が変わる頃またここで会おう
12. ガラスのハイウェイ
13. キャンドル
14. 手紙
15. シェリー
16. 誰よりも近くにいるのに
17. I wanna know your soul
18. ただ君がいるそれだけでいい
19. ひまわり

■ベストアルバム第二弾『doa Best Selection “MIDDLE COAST”』

2019年9月11日(水)発売
GZCA-5293 3,000円(+税)


01. THIS LIFE
02. I wish
03. CATCH (新曲)
04. SMILE
05. YOU&I
06. 君だけに気づいてほしい
07. 終わらないYESTERDAY
08. 拳
09. Siren
10. ハレ
11. TAKE IT EASY
12. FRONTIER
13. Amazing Days
14. サザンライツ
15. Route 26
16. 大人ラプソディー
17. HOME SWEET HOME
18. 無人島
19. 僕は君を壊したりしない


■ベストアルバム第一弾『doa Best Selection “ROCK COAST”』

2019年7月10日(水)発売
GZCA-5292 3,000円(+税)


01. 英雄
02. HERO
03. WINDOW (新曲)
04. 火ノ鳥のように
05. 青い果実
06. 白の呪文
07. ゼロの気持ち
08. FREEDOMxFREEDOM
09. 見えない海
10. RIDE ON
11. FLY HIGH
12. 危険なカーブ
13. コンビニマドンナ
14. GIMME FIVE
15. Run to you
16. SATURDAY NIGHT FEVER
17. どしゃぶり PaperDriver
18. 自由という名のブランド
19. テキサスホールデム


■<doa 15th Winter Live “open_door” 2019>

11月30日(土) 北海道・札幌Space Art Studio
open16:00 / start16:30
12月13日(金) 東京・新宿ReNY
open18:30 / start19:00
12月14日(土) 東京・新宿ReNY
open11:30 / start12:00
12月21日(土) 岡山・YEBISU YA PRO
open15:00 / start15:30
12月22日(日) 福岡・Gate'7
open17:00 / start17:30
12月25日(水) 愛知・JAMMIN'
open18:30 / start19:00
12月28日(土) 神奈川・新横浜 NEW SIDE BEACH!!
open15:00 / start15:30
12月29日(日) 大阪・umeda TRAD
open17:00 / start17:30
▼チケット
前売 6,600円(税込) ※全自由席 ※整理番号付
当日 7,100円(税込) ※全自由席 ※整理番号付
※3歳以下入場不可、4歳以上はチケットが必要
※開場時間より整理番号順の入場
※ドリンク代別途必要
※開場・開演時間は9/29時点のものとなり、変更となる場合がございます
一般発売:2019年11月2日(土)10時より各プレイガイドにて


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