【対談】Psycho le Cému × MUCC、「ふたりが出る台本を書いていいの?」

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結成20周年を迎えたPsycho le Cémuが『20th ANNIVERSARY PROJECT「TWENTY STORY」』と題した“全20章”におよぶアニバーサリー企画を展開中だ。音源リリースやライブなど、スケジュールはあまりにも過密で精力的。20周年への感謝と賭ける意気込みが伝わってくるようでもある。<Live Battle「ライバルズ」>と題した対バン企画は、そのうちの第6章〜第8章を成すものであり、8月から11月に掛けて全7公演の規模で開催中だ。

◆Psycho le Cému × MUCC 画像

主催ツーマンの開催は自身初。これまでコンセプチュアルなワンマンを主戦場としていたPsycho le Cémuだが、同シリーズでは絆や因縁の深いアーティストとバトルを繰り広げる。先ごろ公開したLM.Cとの第一弾対談では20年来のつながりや秘話が赤裸々に語られ、対バンシリーズ中で最も世代の若いアルルカンとの第二弾対談ではそれぞれの悩みを暴露。第三弾となったメリーは同世代ならではの赤裸々なトークを展開、第四弾のcali≠gariでは爆笑必至の毒舌トークが繰り広げ、第五弾のメトロノームではイビツな関係性が浮き彫りとなった。

そして第六弾に迎える対バン相手が20年来の付き合いとなるMUCCだ。デビューも年齢もほぼ同じ。昨年、Waiveを加えた同期3バンドによるイベント<MUD FRIENDS 2000〜2018>で、その親密さはもとより、ライバルであり泥友(MUD FRIENDS)として互いに高め合っている存在であることが明らかとなった。そして行われた今回の対談は、2バンドの立ち位置やシーンの現状が語られたことをはじめ、YUKKEの「AYAくんに憧れてた」発言や、Psycho le Cémuの芝居にMUCCが出演する宣言など、信頼に厚い両者ならではのもの。11月27日(水)、EX THEATER ROPPONGI公演を前に行なったPsycho le CémuのDAISHIとseek、MUCCの逹瑯とYUKKEによるトークセッションをお届けしたい。

なお、Psycho le Cému (DAISHI+seek) × MUCC (逹瑯+YUKKE) の直筆サイン入り「ライバルズ」Tシャツを1名様にプレゼントするキャンペーンを実施中だ。詳しくはこちらをご覧いただきたい。

   ◆   ◆   ◆

■MUCCのなかで俺だけはあったんですよ
■Psycho le Cémuに悔しいといった感情が

──対バンシリーズ<ライバルズ>もいよいよ後半に突入し、11月27日のEX THEATER ROPPONGI公演にはMUCCを迎えると。それでこの対談というわけです。

YUKKE:俺、Psycho le CémuのBARKS対談企画をよく読んでます。おもしろいっす!

逹瑯:俺はついこの前、このふたり(DAISHI&seek)としゃべったばっかだしな(笑)。だから今日は、YUKKEさんがいっぱい。

YUKKE:対談では、けっこういろんな話しますよね? 初回のLM.Cとの対談はおもしろかったし、青さん(cali≠gari)との対談もおもしろかった。

DAISHI:青さんは名古屋バンドをすげーディスってた(笑)。

逹瑯:青さんなら許されるよね。

seek:確かに(笑)。

▲Psycho le Cému

──その話しぶりからすると、相当、仲がいいですよね?

seek:距離の近さも、時代も含めて。

DAISHI:MUCCさん側がどう思っているか知らないけど、Psycho le Cému側から見て、数少ない仲のいいバンドですね(笑)。

逹瑯:お互い長いもんね。

DAISHI:オムニバスアルバム『SHOCK WAVE』に収録されることが、若い頃の夢やったんです。で、最近、ツアーの移動中の車内でそれをseekと一緒に辿ってたんですよ。この時期には誰がいて、どのバンドが参加していた、とか。

seek:年に1回リリースされていたオムニバスでしたね。

DAISHI:そうそう。それで僕らもイベント<SHOCK WAVE>に出させていただいたんですよ。“今も残っているバンドは誰がおる?”と思ってみたら、僕らとMUCCだけ(笑)。「けっこう悲しいなー」っていう話もして。

逹瑯:その時代からやっていたから、小中一貫の同じクラスか隣のクラスって感じだもんね。同じクラスの同じグループかって言われたら、違うけど。グループは違うけど、昔からよく顔を合わせていたよなって感じ。

seek:MUCCは茨城から4人で、僕らは僕らで姫路から5人で出てきたから、イベントで他のバンドと一緒になる機会があっても、それぞれ自分らだけでワチャワチャしてたんですよ。だから他のバンドさんからしたら、ちょっと感じが悪いバンドっていうか(笑)。でも歳も一緒やし、バンドが出会った時代のシーンも一緒やったんで、同期と呼べるバンドはMUCCぐらいしかおれへんのかなって。

▲DAISHI [Vo / Psycho le Cému]

逹瑯:でも、活動20年ぐらいになってくると、Plastic Treeの竜太朗さんが「ほぼ同期だもんね」って言ってくるわけさ(笑)。違うからね(笑)。「ちょっとでも若く見せようとするのはやめてもらえませんか。こっちに寄っても、もう若くありませんからね」って言ったけど(笑)。

YUKKE:だってPlastic TreeのCDを通販で買ってた世代だからね、俺らは。

逹瑯:そうそう。竜太朗さんは大先輩だから(笑)。

YUKKE:でもね、ベーシストだけで集まる飲み会のときとか、ちょっと後輩も呼ぶんですよ。それに“同期会”って名前を付けると、後輩からすごい抵抗されるよ(笑)。それと一緒だと思う。

──15年以上前からの知り合いってことは、“当時はこう思っていました”という話はしづらいですか?

DAISHI:いや、そんなこともないですよ。

seek:1999年とか2000年に出会ったけど、僕らが主催して何かをやったりとか、当時はほぼなかったんですよ。

YUKKE:そういう機会ってなかったよね。

逹瑯:メジャーデビューして売れるのが早かったもん、Psycho le Cémuは。

seek:文句ですか(笑)? でも、俺らだけ売れたいみたいな欲求が強かったので、その当時は。同じシーンのなかにはいたけど、そのなかでも頭ひとつ抜けることしか僕らは考えてなかったんです。そういう意味で、“バンドマンの友達は必要なのか?”という思いも俺らのなかでよくあって。ライバルであったり、敵ではあるけど、友達は必要ないでしょって感覚が、当時は強かったんですよ。ところがMUCCだけは唯一、イベントが終わってから「ご飯でも食って帰りますか?」って、青梅街道沿いの安楽亭に一緒に行ったことあって(笑)。

逹瑯:あの安楽亭、もうないよな?

YUKKE:マネージャーがそこにいるわけでもなく、メンバーとローディぐらいで安楽亭でね。

▲seek [B / Psycho le Cému]

DAISHI:当時からMUCCはすごい人気でしたけど、妙に“悔しいな”とか変に意識する感じは、俺はなかったけどね。だって違いすぎたから、バンドのカラーが。

YUKKE:当時は真逆のことをやっていたと思うし。お互い、離れよう離れようみたいなところもあったと思う。でも多分、MUCCのなかで俺だけはあったんですよ。Psycho le Cémuに対して“悔しい”とか、そういった感情が。俺、自分にもうひとつバンド人生があるとしたら、Psycho le Cémuみたいなことやりたいって。

DAISHI:エーッ(笑)!

YUKKE:昔からそう。

逹瑯:AYAくんだろ?

YUKKE:そう、AYAくんにだいぶ憧れてた期間が長いよ。

DAISHI:憧れるならseekちゃうんかい! 同じベーシストってことで(笑)。

YUKKE:いや、AYAくんなんですよ(笑)。女形に憧れた。ライヴで踊りたいし。友達だから行くってのもあるけど、普通に観たくてPsycho le Cémuのライヴに行くんですよ。

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