【インタビュー】HYDE、2020年第一弾シングル完成「次のステップに行くために」
■ダウナーな雰囲気を乗り越えて
■新時代が幕開けるっていう感じ
──今、発言された「頑張ったという手応えを毎日得られることが自分にとっては進化」という言葉に、常に何かに挑んでいないと前に進めないんだなと改めて考えさせられました。現状維持ではいずれ後退していくんですよね……。
HYDE:そうかもしれないですね。でも、ここ1週間ぐらいはお休みだったんで、随分だらけてますよ、今の僕は(笑)。だから、このままじゃいけないと思い始めてる頃で、仕事しないとあかんなって。
(※このインタビューは<L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR MMXX>横浜アリーナ2DAYSおよび国立代々木競技場第一体育館2DAYSの4公演の開催中止が決定する前に行われたものです)
──いやいや、HYDEさんの働き過ぎは有名な話ですが(笑)。
HYDE:日本人は特に働き過ぎだと言われるからね。でも、だからと言って僕は「働くな」とは言わないです。
▲HYDE |
HYDE:そうそう。人と同じかそれ以下でいいならそのままでもいいんだけど、人より先に行きたいと思っているなら、休んでいるヒマなんてないんですよ。それこそアスリートと同じ。だから、働いてないのに働いてるようなこと言うなってことでね。「人より頑張ってるのになー」とか言ってるヤツも、僕から見たら「お前、ほんまに頑張ってるか?」って思うことはありますよ。もちろん休むことも重要なんだけど……まぁ、さっき言ったように僕は最近、ちょっとラクしてたんで、あまり強く言えないですけど(笑)。今年はまだ、ライヴに関してはL'Arc-en-Cielだけやってる感じだし、L'Arc-en-Cielのツアーも、スケジュールがびっしり詰まってるわけじゃないから。その合間についついズルく怠けちゃうんです。よくないな(笑)。
──そんな(笑)。むしろ、たまにはちゃんと休んでいただきたいです。
HYDE:はい(笑)。
──もう一方の新曲「INTERPLAY」は『パチスロ真・北斗無双』のテーマソングですが、VAMPSの「AHEAD」や「DEVIL SIDE」も『ぱちんこCR真・北斗無双』のテーマソングに起用されてました。
HYDE:それがすごく好評だったみたいでね。また新しい曲でやりたいというお話をいただいたので、ならば、『北斗無双』のタイアップありきで作ろうってことになったんです。タイアップのお話は随分前からもらってたんですよ。だって、アルバム『ANTI』制作期間の終盤にはすでに作り出していた曲ですからね。
──こちらも直球な歌詞に驚かされました。例えば、“転んだってタダじゃ起きない”とか、“忘れないけど振り返ったりしない”というフレーズ。今までのHYDEさんなら、メタファー(隠喩)を使って別角度から表現されてたんじゃないのかな?って。
HYDE:僕はパチスロとかに詳しくないけど、フィーバーする瞬間に流れてほしい、景気のいい感じにしたかったんですよ。それと、ちょうどこの曲の歌詞を作ってた時が、令和になる瞬間で。やっぱり新しい時代の幕開けっぽいニュアンスをすごく感じたので、そのニュアンスを曲の中に入れたかった。そう思ったのは何かを乗り越えたいからだったというか。去年までの日本はまさに、災害とかが多かったので、全体がダウナーな雰囲気だったじゃないですか。それを乗り越えて新しい時代が幕開けるっていう感じを……まぁたしかに、わかりやすく書いてしまったね(笑)。
──ええ、かなりストレートに。
HYDE:じゃあ、今後はもっとオブラートに包むか全英語詞にします(一同爆笑)。
──いやいや、そうじゃなくて(笑)。新鮮だったからこそ刺さったという話でして。こちらの楽曲も「BELIEVING IN MYSELF」同様、攻撃的なサウンドが容赦ないわけですが、制作クレジットは、HYDEさん、hicoさん、Aliさんといったライヴでお馴染みのメンバーです。AliさんについてはMONORALのメンバーとしてHYDEさんファンにもよく知られてると思いますが、hicoさんについてHYDEさんからご紹介いただけますか?
HYDE:うちのステージでキーボードを弾いてますよ、鍵盤面を客席に向けて。「ZIPANG」のプリプロダクションも彼に一緒にやってもらったり。これまではプログラマー的な役割でお願いしてたから、今回みたいなクレジット表記(written by HYDE, hico, Ali)にしたのは、初めてかもしれないね。「ZIPANG」のときも今回もそうだけど、コードの付け方とかは彼がいなかったら難航してたかもしれない。
──なるほど。『ANTI』までは、USのクリエイター陣やプロデューサー陣と組むことで、広がる可能性を追求したいとおっしゃってましたよね。今回の2曲はいずれも、日本を拠点に活動する音楽家と組んで制作されたものです。それはつまり、『ANTI』以降、音楽に向き合う心境や状況に変化があったということですか?
HYDE:基本的には、出来ればアメリカで制作したいんだけど、今回はスケジュール的にまず不可能だったんです。『ANTI』完成後はライヴばっかりだったから、自分で作る時間もなかったし。「MAD QUALIA」も全部日本で作ったんですけど、それと同じ状態で。今回の2曲は、日本で作ったほうが操縦がしやすいということもあって。だから今後、この2曲をもしも英語バージョンで歌い直す時は、USのプロデューサーに入ってもらうかもしれない。
──じゃあ、世界、特にアメリカに向けて音楽を発信するという視点は変わっていない?
HYDE:変わってないです(即答)。
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