【インタビュー】植田真梨恵、新曲ダブル配信が物語る充実のアルバム制作「全てのひらめきとわくわくを一枚に」

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植田真梨恵が5月1日、シングル「WHAT's」と「I JUST WANNA BE A STAR」をダブル配信リリースした。「WHAT's」は映画『ミセス・ノイズィ』主題歌であり、一方の「I JUST WANNA BE A STAR」はドラマ『ピーナッツバターサンドウィッチ』エンディング主題歌としてオンエアされているなど、両曲ともにタイアップ決定を受けてのシングルダブル配信となる。

◆植田真梨恵 画像

「I JUST WANNA BE A STAR」は昨秋、作詞作曲からMV撮影までの制作過程を25時間生配信して完成させた異例の楽曲だ。生バンド一発録りによるサウンドが鬼気迫るほどの息づかいとウネリに溢れて躍動的。一方、打ち込みとアコースティックギターを軸に構築された「WHAT's」は、アレンジがシンプルになればなるほどボーカルやメロディが生きてくるということを見事に体現しつつ、遊び心を忘れない彼女ならではのナンバーだ。

すでに自身が公言しているとおり、植田真梨恵は現在アルバム制作中。秋には全国ツアーを開催する。果たして、2020年第一弾リリース楽曲にして対照的な「WHAT's」と「I JUST WANNA BE A STAR」はアルバムの方向性を指し示すものとなるか? トークはコロナ禍における日常に始まり、新曲の革新性から、オルタナティヴがキーワードとなるであろうニューアルバムに至るまで、多岐に広がっていった。そのロングなインタビューをお届けしたい。

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■今、ここでできなかったら
■これから先もできるわけない

──まず、植田さんの現在についてうかがいたいのですが、世の中は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、不要不急の外出自粛や密閉 / 密集 / 密接といった3密状態を避けることが求められています。ご自身は日々をどのように過ごされていますか?

植田:今のような状況になる以前より、“アルバムをつくる”という目標を掲げていたので、当初から4月と5月はガッチリと楽曲制作期間だったんです。珍しく他のスケジュールをほとんど入れることなく。特に今はライブもできない状況ですし、基本的には日々、家で楽曲をつくる……どれだけ深くまでつくることができるかということに集中して、制作をしていますね。

──制作と生活のオン/オフという意味ではいかがですか?

植田:切替はしてないですね、一緒になっちゃってます。布団から起きて曲をつくって、ゴハンを食べて曲をつくって、みたいな状態なので(笑)。映画を観たりとかちょっとした時間もありますけど、それも制作の一部という感じです。



──それはいつもの制作ペースと変わらない?

植田:言葉を選ばずに言えば、いつもよりも制作に没頭することができているかもしれません。アルバムを見据えて制作期間を設定していたことも大きいですけど、それ以上に、今制作しているアルバムは私の中で大切な一枚になるので、すごく気合いが入ってます。10年ぶりくらいの気合いです(笑)。

──素晴らしい。10年ぶりの気合いには何かのきっかけも?

植田:今年2月くらいに、“植田真梨恵って何の人?”って、自分をすごい遠くから客観視する機会があって。もしかして私って、他の誰かからすると“声優さん?”とか“アナウンサーの人?”と思われているかもしれないなって。

──“歌手の植田真梨恵”が認識されていないかもしれないと?

植田:はい。外に見せているつもりの自分のイメージと、実際に外から見られている自分のイメージにも隔たりがあるのかなって。私は何でもかんでも歯に衣着せずに歌ったり発言しているつもりではあるんですが、思ったよりも爽やかに見ていただいていたり(笑)。

──“爽やか”というイメージは自ら否定されるわけですね(笑)。

植田:爽やかではないと思うんですけど(笑)。私は芸術が好きだし、日々歌ばかりつくっているし、歌にしか興味ないよっていうところをちゃんと外に出していきたいと思っていて。それを今、ここでできなかったら、これから先もできるわけないと感じた瞬間があったんです。なので、そういうアルバムをちゃんと作っておかなきゃと強く思いながら、曲づくりをしています。


──なるほど。では、5月1日にダブル配信リリースされた「WHAT's」「I JUST WANNA BE A STAR」についてお訊きします。「I JUST WANNA BE A STAR」は、生配信『「25時間生放送 まりえのま」#25時間で作曲からMVまでつくってみた』の中で、そのタイトルどおり本当にリアルタイムでつくり上げてしまったナンバーです。企画意図や楽曲内容については、以前のBARKSインタビューで語っていただきましたので、ここではゴールデンウィーク中に、その動画を全9回に分けて毎日配信したことについてうかがいたいのですが。それにしても1回につき2〜3時間という大ボリュームが、改めてあの生配信の凄まじさを伝えます(笑)。

植田:映画を余裕で1本観られる時間ですからね、それも9日間毎日(笑)。好きな方が観てくださって、振り返りながらコメントして盛り上がってくれたらいいなという気持ちで、私やバンドメンバーが時々チャットに参加したりしながら、再放送(YouTubeプレミア公開)したんです。あたりまえですけど、自分が曲をつくっているところを客観的に観るのは初めてのことなので、私自身は面白かったです。

──“#おうち時間”“#StayHome”のタイミングで公開されたことやアーカイブされたこともありがたいです。

植田:もともとはマネージャーのアイデアなんです。私が今、制作モードなので、外へ向けて何かを発信するということが、よっぽど努力しないと気持ち的にムリなんですね。そんな中で、ゴールデンウィークだし、「I JUST WANNA BE A STAR」リリースタイミングだということもあって、改めて公開しましょうかって。


──音源を聴きながら、楽曲のつくられ方や裏側を改めて知ることができるという試みには、リアルタイムの視聴とはまた違った発見もあるでしょうし。その「I JUST WANNA BE A STAR」が生バンド一発録りに対して、もう一方の配信曲「WHAT's」は真逆な肌触り。対照的な2曲が同時リリースされたことになるわけですが。

植田:2つの楽曲にそれぞれタイアップが決定して、偶然外に出るタイミングが重なったことでのダブル配信リリースなので、たまたまではあるんですが、本当に対照的な楽曲だと思います。

──「WHAT's」は映画『ミセス・ノイズィ』のタイアップありきで制作されたということですが、どんな楽曲にしようと?

植田:映画の台本を読ませていただいてストーリーはしっかり頭に入っていたんですけど、曲自体はどんなものでも合うなと思ったんです。リアリティのある映画だから、人間愛だったり、他者との関わりだったり、優しさだったり、そのどんな部分をピックアップしてもしっくりくるだろうって。「WHAT's」じゃなかったら、もしかしてピアノの優しいバラードを出してたかもしれないなって思うくらい。

──歌詞のモチーフは男女ですか?

植田:そうです。だから実際は、そんなに映画に沿いすぎずに書いてます。『ミセス・ノイズィ』という映画に描かれた人とのすれ違いとか勘違いから波紋が広がっていくところと、「WHAT's」っていう曲自体が持っている不器用な人間同士のぶつかり合いみたいなところ。そこでリンクしているんですよね。ちょうどその時期の私は、曲が書けなかったり、いろいろ思うことがあって自分の中に怒りの感情があったんです。そんな気持ちすら曲にしておこうみたいなつもりで書いた曲で。この曲が選ばれてよかった。

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