【インタビュー】10-FEET、KOUICHIが語るバンドとライブのリアル「何事にも元気ってのはすげー大事」

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■観た人はビックリしたんちゃうかな
■それぐらい生々しい作品やと思います

──初期のライブ映像は、20代後半ですよね。あの時期はどんなことを考えながらバンドやライブに向かっていってました?

KOUICHI:何を考えていたんやろう…? 単純にお客さんがだんだん増えてきて、いっぱいの人の前でライブをやれるってのはすごく嬉しかったですね。しかもそれを映像に残せるっていう。ありがたいなって気持ちがありました。ライブでやっている内容とか演奏曲は違いますけど、基本的なスタンスは変わってないと思うんです、多分、今とそんなに。TAKUMAのMCの内容も違うかもしれないけど、根本的なところは一緒やと思うんです。ほんまに年齢を重ねただけちゃうかな、昔と今を比べると。でも今は、よりお客さんのことをもっと考えるようになったと思います。

──初期からやっている「2%」の歌詞を見ると、訴えるメッセージは今も近いものありますからね。

KOUICHI:そうですね。使う言葉は違えど、一本、TAKUMAのスジは通っている。そこは変わらないと思いますね。

▲<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->@京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

──10-FEETの場合、曲を作るとき、だいたい歌詞は最後の最後に仕上がりますよね。それだけTAKUMAが熟考を重ねて、気持ちを言葉にしていくからだと思います。そうした曲をステージで演奏すると、歌詞に書かれた言葉やメッセージがメンバーにも染みこんでいくと思うんです。TAKUMAの言葉によって、ご自身の考えが改まったり気合いが入ったりすることも、よく経験しますか?

KOUICHI:改まってTAKUMAの歌詞について3人で話をするってことはないんですけど、個人的にあいつのMCとか歌詞の内容とかを観て、あいつも普段から言ってますけど、元気ってのはすげー大事というか、そこは意識するようになりましたね。何事にも元気っていうか。勇気とかもそうですけど。気持ちの部分ですね。気持ちの面であいつに後押しされたというか、意識するようにはなりましたね。あいつは、ほんまに初期のころから、それこそ結成当初ぐらいからそう言ってたんですよ。今でも力を思いっきり込めて、ステージであんだけ本気でそれを言えるのはすごいことやなと。ほんまに思っているからやろうなって。

──ここまでに作った楽曲の中で、KOUICHI先生が大好きなものは? たとえば、まず「これやろうや」とセットリストを決めるときに挙げたい曲は?

KOUICHI:僕は今でも覚えているんですよ、「蜃気楼」のレコーディング中、あいつがBメロを入れたとき、“すごくいいやん!”と本当に思ったんです。で、本人に「この曲、ええやん!」と言った記憶あります。曲が完成して聴いて、これは絶対にライブでずっとやる曲になるやろうなって思いました、そのとき。だから「蜃気楼」はほんまに好きですよ。やっていて、ちゃんと歌に気持ちが入るっていうか。コーラスしていないところでも僕はたまに歌っていたりするんで(笑)、思わず口ずさんでしまうような曲。他にもそういう10-FEETの曲はありますけど、「蜃気楼」は特別な感じが自分の中にあります。


──これまでに2000本近いライブをしている10-FEETですが、今回の映像作品を観て、今でも強烈に思い出深い場面などあります?

KOUICHI:密着ドキュメントが付いている作品があるんですよ。<VANDALIZE TOUR 2008>の映像『OF THE KIDS, BY THE KIDS, FOR THE KIDS! IV』ですね。あの密着のときは、いろんな感情が3人それぞれにあったと思うんですけど、そのまんま映っていると思うんで、ガチなドキュメントというか、すげー生々しい作品に仕上がってます。それを出す前は、そういった面はあまり見せなかったと思うんですよ。“10-FEET真っ裸”みたいな。

──それ以前は、ちょっとコミカルというか、笑いも忘れない親しみ溢れるパーソナリティが出てましたからね。

KOUICHI:はい、そっちが中心やったと思うんですけど、あの密着でそうじゃない面も。というか観た人はビックリしたんちゃうかなと思いますね(笑)。“ああ、こういう感じの10-FEETもあるんや”って。それぐらい生々しい作品やと思いますね。

──生々しく、ちょっとスリリングな緊張感が走るところもありで。

KOUICHI:そうですね、緊張感もすごいあるし。あれは印象に残っています。

──そういう裏側というかシリアスな部分まで映像にしてしまうのは、ある種の覚悟も?

KOUICHI:そうですね。当時は僕らのそういう部分も全部出したらええやんと。ドキュメントを撮っている時点で、多分、そうなるやろうな、だったら包み隠さず見せたらええんちゃう?ってなっていったと思います。密着の撮影が始まって、本当はツアー前半だけの撮影予定やったんです。でもTAKUMAが言い出したんかな、途中で「全部を撮ってほしい」って話になって。結果、全部を撮って良かったと思います。

▲<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->@京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

──それに、全てを見せたことでファンの受け止め方もちょっと変わっていったと思います。曲をさらにシリアスに受け止めたり。

KOUICHI:そうですね、聴き方も変わると思いますよ。

──個人的に、それ以降はTAKUMAのMCの流れが変わってきたと思ったんです。

KOUICHI:へぇ〜、内容ですか?

──背中を押してくれる言葉が、ナチュラルに本人の口から出てくるようになって。

KOUICHI:ああ、そうなんかな。多分、あいつのMC内容って、あいつがそのときに思っていることとか、あいつの感情そのものが言葉になっているんやと思っていて。何かあったんじゃないですかね。自分の中での変化も、あいつの中であったんじゃないですか。お客さんに対する思いとか、人に対する気持ちとか。そういうことについて僕らは話し合わないんで、憶測でしかないですけど。

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