SKY-HI、“今出せる最高”を届けた自身最大規模のオンラインライブ

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SKY-HIが7月19日、本来であればリアルライブを開催する予定だったKT Zepp Yokohamaにて無観客としては最大規模となるライブ<SKY-HI Round A Ground 2020 -RESTART->を開催した。

◆ライブ画像

本来は観客が動員されるはずだった客席フロアには多くの照明機器とカメラが配置され、レーザーが会場全体に縦横無尽に張り巡らされるなど、“無観客”だからこそ可能な演出システムが実装された。

今回のライブの冒頭シーンは、新たな感覚でリアルと別次元のディレクションを持つARライブという位置付けで「この渦中だから、仕方がなくオンラインで観るというライブではなく、この渦中だけど、それと関係無くオンラインで演る意味のあるライヴを。」という全体コンセプトのもと、プロジェクションやセンシング、人工知能など多くの最先端テクノロジーを駆使し、CESやMUTEKなどの世界的イベントでイマーシヴ(没入型)なXRコンテンツを発表してきた「2ndFunction」「REALROCKDESIGN」「AVC」らと本人による綿密なミーティングを経て完成した。


SKY-HIがMCでも「1ができないなら1よりかっこいいAとかBをお届けすると自宅ワンマンから考えてきた」と言っていたように、熟考を重ねて可視化された演出となった。まるで映画を観ているかのような、壁などの制限を感じさせないスペーシーな世界観が描きだされ、オンラインならではのアングルを活用した一人称と三人称視点が行き交う演出には、インターネット上にファンからの驚きの声が上がっていた。

ライブは、9月に発売されるベストアルバム『SKY-HI’s THE BEST』に先んじて7月17日に配信された新曲「Sky’s The Limit」からスタート。こだわり抜いた演出で、ミュージックビデオとは一味違う妖しさを纏って披露された。パーティーチューン「Limo」は、前半はアコースティックアレンジで披露。椅子に腰掛けて、あたたかさのある光に包まれ高らかに歌う姿には、ファンからは「演出と楽曲の融合っていう感じ」「その場にいなくても温度が伝わってくる」と感嘆の声が上がった。

さらにメジャーデビュー曲「愛ブルーム」をはじめ、“-RESTART-“ というライブタイトルに倣う様に、これまでのキャリアで発表された楽曲を、今SKY-HIが持ち合わせるあらゆるスキルを全て駆使して披露していく。


「スマイルドロップ」ではラップや歌だけでなく、バンドメンバーと一緒に己のでき得る楽器スキルをも遺憾無く発揮していく。ドラムを叩きながらフロウを放つという“SKY-HIならでは”のパフォーマンスで魅了した。バンドメンバーとの久しぶりの共演からもライブができることへの喜びが溢れ出ており、“オフラインライブに敵わないこそできる、オンラインライブの最高クオリティ”がそこにあった。

音に包まれるSKY-HIをに対しては「幸せそう」「楽しそう」というコメントが寄せられ、最前列を超えた位置からのカメラワークもあいまって、ファンも多幸感を間近で感じられたようだ。映像による演出では、より伝えたいメッセージを前面に打ち出し、投影されているビジュアルを指差すなど、言葉を浴びるようにパフォーマンスする場面も。

SALUとの楽曲「SS」は和風かつクラシカルなアレンジと、この日のために書き下ろした新しいヴァースで披露。これを皮切りに始まる感情的なラップゾーンでは、身振り手振りと共鳴する映像やフロアをフルに張り巡らされるレーザーに包まれながらパフォーマンス。2ndアルバム『カタルシス』に2つに分かれて収録されている楽曲「フリージア」では、前後半でまとめながら、画面越しの視聴者へ訴えかけるように言葉を放っていく。


MCでは「決してポジティブなことが続くわけではない」「この世の中は最高のことばかりじゃないが、最高に近づくことができる。そういう存在が俺たちだと思う」と語り、現在の状況でライブを行うことの意味、伝える意味を音楽家として改めて提言。それを経て「優しい歌を」と話し、本編はラストスパートへ突入。

感情たっぷりに歌い上げる「アイリスライト」、そして「音楽は止められない!」と言って「#Homesession」を軽快なステップとともに披露。SKY-HIは「自分のことは一番自分が分からなくなっちゃう。でも自分と一番近くにいる人間は自分。そして、自分と違う人間を一人でも愛せたら」と話し、この言葉の後に続けた“愛の歌”「Marble」を気持ちをこめて伸びやかに、あたたかくも力強く歌い上げていた。

ライブ定番の「I think, I sing, I say」では、改めてここに自身の“友達”として共に音楽を創り上げたアーティスト仲間へ感謝と愛を示し、踊れるラッパーだからこその軽快なステップでステージを隅々まで縦横無尽に駆け、フリースタイルラップを披露。視聴者に向けて「調子はどうだ!」と投げかけると、「最高!」という言葉がコメントとして返ってきていた。


本編は残すところわずかとなったところで、「生まれた感情に罪はない。人生やり直すことはできないけど、“生まれ直し”はできる気がする」と語るSKY-HI。そして「New Verse」を、まるで言ってきかせる様に歌う。そして「カミツレベルベット」ではこの日1番の笑顔で、カメラに向かって耳を傾ける。コメント上でのシンガロングは言霊となってステージ上のSKY-HIの耳に届き、ひとりひとりにこの曲を届けるようなパフォーマンスが行われた。

本編ラストを飾ったのは、3rdアルバム『OLIVE』に収録されている「リインカーネーション」。この選曲にファンも感極まった様子。“輪廻・転生“ を意味するこの楽曲タイトル通り、「何回でも会いにいく」と締め括り、本編が終了した。

SKY-HIとしては異例となるアンコールパートは、ラブソング「Blanket」からスタート。アンコールへの喜びと意外な選曲にファンのボルテージは最高潮へ。そしてタイのポップスター・STAMPとのハッピーチューン「Don’t Worry Baby Be Happy」へ続く。


いよいよライブも佳境。「手を掲げろ」と言いバンドメンバーと拳を掲げた「Seaside Bound」、「Double Down」では「アンコールやったからには休ませないぜ!」と視聴者を煽り、最後の楽曲「Snatchaway」へ。ライブではシャウトが生まれる部分では画面越しにステージと視聴者が一体となり、「Everybody この世界を遊べ!」と最後のフレーズでリミッターが外れたところで、この熱い一夜が終わった。

2021年に開催予定のツアーへの期待とファンとの再会を約束して、自身最大規模の無観客ライブは終焉。約2時間半、全35曲、キャリアをかけた今出せる最高のパフォーマンスと最新技術をもってして生まれた、オンライン生ライブの最高傑作であった。この模様はチケットを購入すれば、8月2日23時59分までアーカイブを見ることが出来る。また、ライブ前半の「のぞき見」はYouTubeで視聴可能だ。


<SKY-HI Round A Ground 2020 -RESTART->

アーカイブ視聴期間
2020年7月20日(月)10:00~2020年8月2日(日)23:59
配信プラットフォーム:Thumva(https://thumva.com/events/cQGFkydbt02x9BR)

セットリスト

Intro
SKY's The Limit(初披露)
Simply Yourlife
Doppelgänger
Persona
Run Ya
何様
F-3
Limo
TOKYO SPOTLIGHT
Tumbler
Chit-Chit-Chat
愛ブルーム
スマイルドロップ
ナナイロホリデー
Name Tag
Walking on Water
SS
As A Sugar
フリージア
Young, Gifted and Yellow
LUCE
そこにいた
Over the Moon
アイリスライト
#Homesession
Marble
I Think, I Sing, I Say
New Verse
カミツレベルベット2020
リインカネーション
Blanket
Don't Worry Baby Be Happy
Seaside Bound
Double Down
Snatchaway

◆SKY-HI オフィシャルサイト
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