【インタビュー】WANDS、21年ぶりのニューアルバムを語る「ちゃんと前に進めている」

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■深読みをされたくないんです
■分け隔てなく入れたいと思っていた

──アルバムのタイトル『BURN THE SECRET』を直訳すると“秘密を燃やす”という意味ですが、このタイトルにした理由は何だろう?って想像が膨らみます。

柴崎:“何だろう?”って思われるのはいいことですよね。歌や演奏を聴きながら“秘密を燃やせというタイトルなんだ”と思ってイマジネーションを膨らませてくれたら楽しいかなって。

──アルバム資料には“ありのまま、むき出しのWANDSサウンドがついにベールを脱ぐ”とありますが?

柴崎:そこまで言ってしまわないほうがいいかなっていう(笑)。

上原:ははは。スタッフの方から、「『BURN THE SECRET』はどうですか?」っていう提案があって、僕は「語感的にめちゃくちゃカッコいいやん」って。秘密を燃やすっていう意味もミステリアスだし、“新しいWANDSとしてさらけ出していくよ”っていう姿勢も感じられるのがいいなと思いました。

──「Burning Free」という曲も収録されていますしね。

上原:それはたまたまなんですけどね。ほかにもアルバムタイトルを思わせる言葉が入っている曲があるので。

柴崎:「Secret Night 〜It's My Treat〜 [WANDS第5期ver.]」もそうですからね。

上原:そういう意味でもふさわしい気がしましたね。

▲柴崎浩(G)

──書き下ろしの新曲と以前のWANDSの曲のリアレンジのバランスはどういうふうに決めていったんですか?

柴崎:僕らは新しい曲を作り続けていって、配分はプロデューサーが決めていますね。ファンの方の中にはいろいろな意見があって新しい曲だけ聴きたいという方もいれば、あの曲を今のメンバーで聴きたいという方もいて、難しいところではあるので、そこは委ねました。

──では、以前のオリジナル曲に関して、メンバーサイドで「この曲は入れたい」と思った楽曲はありますか?

柴崎:第3期の曲を入れたいっていうのはありましたけどね。自分たちとしてはこの時期の曲はやりたくないとか、そういうことは思っていないので、深読みをされたくないんです。全部WANDSの曲なので分け隔てなく入れたいと思っていました。

──収録楽曲について少し掘り下げてお聞きしたいのですが、「Secret Night 〜It's My Treat〜 [WANDS第5期ver.]」は1995年の大ヒットシングルであり、TBS系テレビ『CDTVサタデー』エンディングテーマとしてオンエアされましたが、そもそもが前身番組『COUNT DOWN TV』のオープニングテーマとして流れていた曲ですよね。同じ曲が同じ番組で25年ぶりにテーマ曲として起用されるってなかなか、ありえないことですよね。

柴崎:そうですね。想像はできなかったですよね。この曲には特別な想いがあるファンの方が多いみたいなんですが、確かにWANDSって「Secret Night 〜It's My Treat〜」の前と後で音楽性がちょっと変わったんです。ただ、WANDSの音楽であることには変わりがなくて、サラッとやれたのが良かったのかなと思いますけどね。

──当時、転機になった曲のひとつなんですね。新たにレコーディングされた第5期WANDSのテイクはソリッドになっていて、よりロックンロール色が強くなったというか、開放感を感じました。

柴崎:(上原を見て) 歌のフィーリングかな? 確かにそうかもしれないですね。

上原:ははは。何なんでしょうね?

柴崎:自然と“この曲はこういう感じかな”って歌ったり、演奏したり、アレンジしているわけだから作為はないんだよね。

上原:狙ってはないんですよ。このメンバーで「Secret Night 〜It's My Treat〜」をいいものにしたいと思っていただけなので。

柴崎:うん。結果、カラッとしたイメージを持たれたんじゃないかな。

──では特に音色や音数が違うとか、そういう変化はなく?

柴崎:テクニカルなことを話すと、音的には当時とほとんど同じことをやろうというテーマで臨んだんですよ。にも関わらず印象が違うというのは面白いなと思いましたね。なので、歌のフィーリングが大きいのかなと。

──木村さんはどう感じていらっしゃいます?

木村:昔よく、“ビートルズが今の録音機材でやったらどうなるんだろう?”って考えたことがあって、MTRとかMIDIとかPro Toolsとかっていう機材の変遷というか、時代時代の流れも影響するんじゃないかなと。それが柴崎くんのギターにも出ていたり、サウンドに関しては生きてきた年月の差が出ているのかもしれないし。そこに歌という要素が加わることでスッキリとしているのかもしれない。

──思いがけないマジックが生まれたということでもあるんですかね。

柴崎:そうですね。


──書き下ろしの新曲についてもお聞きしたいのですが、ミュージックビデオが先行公開されている1曲目の「David Bowieのように」で、デヴィッド・ボウイというアーティスト名を歌詞に入れようと思ったのはメンバー間でやりとりが?

上原:歌詞に関してはけっこう任せてもらっているんですよ。

柴崎:そうですね。リクエストを出したりは、そんなにしないですね。

上原:「David Bowieのように」はアルバムの中でも二転三転した曲で、何パターンも歌詞を書いたんです。悩んでプロデューサーに相談したら、「あまり考えすぎないでWANDSとしてカッコいい歌詞に、サビにパンチのあるフレーズ」ってアドバイスをいただいて。「サビの頭に具体的な地名や人物の名前を入れるのはどう?」っていう話の中で、David Bowieはどうかなって思いついたんですけど、そこからまた悩みました。ちょっと強すぎないかなって。

柴崎:濃すぎないかなって。

上原:そうなんです。でも、キャッチーで覚えやすいものって一歩間違えたらダサくなりそうなものでもあって、紙一重だと思ったんです。それをキャッチーにできるかは俺がカッコよく歌えるかどうかだから、柴崎さんにその時点で相談しました。

柴崎:自分は「この歌詞をスパッと歌えるなら歌ってくれ」って。結果、メロディのキャッチーさより数倍インパクトのあるサビになったと思っています。

──“David Bowieのように綺麗に死ねるのなら”という歌詞が印象的です。アルバムの1曲目なので派手なサウンドの曲か、バラードでくるのかなと思いきや、じわじわくるキャッチーさを持った曲で、ボーカルも声を張るのではなく、色気のある大人な雰囲気ですよね。

柴崎:そうですね。低い音域で歌ってほしいという想いがありました。

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