【インタビュー】WANDS、21年ぶりのニューアルバムを語る「ちゃんと前に進めている」

■自由に楽しんでほしいですね
■WANDSの新しいアルバムだって気持ちで

──個人的には「世界中の誰よりきっと [WANDS第5期ver.]」から「アイリメンバーU」に移行する流れがグッとくるんですよね。

柴崎：グッときますよね（笑）。

木村：僕もここの流れ、好きですね。最後っていう感じがします。

上原：良かったです。アルバムで唯一、僕が作曲したのが「アイリメンバーU」なんですが、最初は自分の曲は入らないと思っていたんですね。どこかのタイミングで収録できたらいいなぐらいな感じで。

──なるほど。

上原：デモとして僕の曲が何曲かあったんですけど、アルバムができる間際に柴崎さんが「そういえば上原の曲あったよね。聴かせて」と言ってくださって、「いいじゃん、入れようよ」となったという。

柴崎：収録曲がだんだん決まっていって、全体を眺めたときにもう少し違う色があったほうがより魅力的かなと思えて。スタッフからも「上原の曲がいい」という話を聞いていたので聴いてみたら、「これは入れるべきだな」って。アルバムの中でも存在感のある曲になりましたね。

木村：色が違うよね。柴崎が中心に曲を作っているから。

柴崎：そうだよね。そんなに何通りの色も出せないので、広がりますね。


──ギターの音色やタッチも違いますよね。

柴崎：曲の構成やアレンジに合うものを探していったら、こうなったんですよね。最初、上原はサビ始まりで作っていたので、そのときはイントロのギターのフレーズはなかったんですよ。途中でプロデューサーから「Aメロから始めてみよう」っていうことになって、「じゃあ、静かな雰囲気で始めたいな」っていうところから出てきたフレーズです。

上原：すごく良かったですね。

──ノスタルジーを感じさせる歌詞ですが、上原さん自身の思い出を歌っているんでしょうか？

上原：そうですね。僕、生まれが九州で20歳そこらのときに上京してきたんですが、当時付き合っていた彼女がいて。これは8割ぐらいリアルな話です。

柴崎：そうなんだ。

上原：もちろん多少ドラマティックにはしてるんですけど、東京と九州なので遠距離恋愛は現実的じゃなくて、話し合って1年後ぐらいに別れたんですけど。東京に出てきたときの気持ちを思い出して書きましたね。

──めちゃめちゃ情景が浮かぶので、リアルな経験なのかなと思いましたが、やはりそうだったんですね。

上原：かなり前の話ですけどね。

柴崎：上原が個人的な話を今、インタビューでしてくれて、俺は“いい感じだな”と思ってるよ。

上原：ははははは。

──今作をどんなふうに楽しんでほしいですか？

柴崎：それぞれが聴きたいタイミングで聴いてくれたら嬉しいんですが、頑固オヤジのラーメン屋的に言うと「いい音で聴いてほしい」（笑）。

──このスープにこだわりがあるんだ的な。

柴崎：「この食べ方じゃないと」みたいなことは言いませんが、個人的には良いリスニング環境のほうがいろんな情報が入ってくると思うので。

上原：より良く聴こえる。

柴崎：でも、それはあくまで希望であって、自由に楽しんでほしいですね。“WANDSの新しいアルバムだ”っていう気持ちで。

──最後に、今後のWANDSの活動としては？

柴崎：最初はこのメンバーでのオリジナル曲が1曲しかない状態でステージに立ったんですけど、やっと少し増えてきたので、この調子でもっとメンバーシップを深めて、どんどん曲をリリースして、ライブをしていきたいですね。

──近々では10月31日と11月1日の配信ライブ＜WANDS Streaming Live〜BURN THE SECRET〜＞が迫っていますし。

柴崎：そうですね。配信ライブはアルバムを中心に過去の曲を織り混ぜながらの構成になると思います。あとはやっぱり早くコロナ前のように、お客さんと一緒にライブを楽しみたいですね。

取材・文◎山本弘子








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