【インタビュー】doa、12thアルバム『CAMP』に「いつか必ず実現する。信じようという気持ち」

■新しいエンタメの在り方に挑戦したい
■未来を切り拓いていきたいと思っています

──ところで徳永さんは、初のセルフカバーアルバム『Route 109』を『CAMP』と同時リリースします。『Route 109』についても話していただけますか。

徳永：僕は作家としていろいろなアーティストに楽曲提供させていただいてまして。自分のソロライブで結構セルフカバーをしていたんです、トリオ編成でツアーを回ったり。これまで音源化したことはなかったんですが、以前からいつかやりたいという話をしていて。コロナ禍の影響で曲作りの時間がいっぱいできたので、これを機に一回やってみたいなと。ただ、懐古趣味はないので、今の感性で新たに楽曲を生まれ変わらせたかった。そういうスタンスをもとにトリオで一発録りしました。

──ジャンルを超えて、様々なアーティストに楽曲を提供できるスキルの高さを改めて感じましたし、ダビングをしないストレートなサウンドには驚きました。

徳永：ギターは一切ダビングをしていなくて、バッキングからそのままソロに移る形にしてるんです。しかも、僕がピアノを弾く曲はベースレスです。メンバーにはコード進行を渡して簡単に説明して、いきなり演奏したテイクがほぼそのままCDになっています。コーラスは一切入れないと決めていたんですよ。doaは3人のコーラスなので、それとは対照的なものにしたかったから。なので、全曲僕のリードボーカルしか入っていない。このアルバムを作って、やっぱりコーラスはいいなと思った部分もあるんですよ。

▲徳永暁人

▲セルフカバーアルバム『Route 109』

──再認識ですね。とはいえ、doa以上に幅広い音域や表情を活かした『Route 109』のボーカルは聴き応えがあります。

徳永：今の僕が持っている歌唱表現のすべてを詰め込みました。doaではローパート担当なので、高い声を張り上げたりする曲はあまりないけど、『Route 109』ではそういうことも敢えてやってみました。実はデモテープでは普段から高い声も出しているんですよ。なので、自分としては違和感がなかったし。

──シンガーとしてのポテンシャルの高さを改めて感じるリスナーも多いと思います。それに、最小限の音数で成立していることからは、楽曲クオリティーの高さがうかがえます。

徳永：僕には、自分のメロディーとコードがあれば絶対にいけるという自信があって、どこまでそぎ落とせるかにチャレンジしました。それに、こういうアルバムを作ることができたのは、アーティストのみなさんが書いてくれた歌詞があってこそだし、オリジナル作品として育ててくれたからこそなので、感謝しています。

──徳永さんのコンポーザー／シンガーとしての魅力を味わえる作品といえますね。話をdoaに戻しますが、『CAMP』リリース後の活動予定などは？

徳永：今の時点ではっきり言えることはないけど、アルバムを作ったことだし、オンラインライブ(12月23日(水)および2021年1月10日(日)の2日間、自身初の無観客オンラインライブ＜doa streaming Live -CAMP-＞開催決定)をやろうと思っています。楽しみにしていてください。

吉本：doaは先日、大阪のアウトドアイベントにライブ参加させていただいて、11ヵ月ぶりに人前で歌ったんです。ソーシャルディスタンスを保ちつつ実施されたイベントでしたけど、すごく楽しかった。アルバム『CAMP』リリース後は、いろいろなハードルはあると思いますけど、今の時代に合った形でライブをしたいですね。今はまだ先が見えない状況なので、明確なことはプランニングできないけど、感染対策を万全にした環境でファンのみなさんと直接会える機会を作りたいと思っています。

大田：コロナ禍ですから、アルバムリリースできるだけで幸せなことですよね。でも、来年はもっと動きたい。動かないといけないということをすごく感じているんですよ。配信ライブでもアウトドアライブでも、とにかくやれることをやりたいので、ファンの方には楽しみにしてもらいたいです。

徳永：これからは音楽に限らず、エンターテイメントが楽しい時代になると思っているんですよ。今回のコロナ禍で、Zoomをはじめいろんなツールを使うようになったじゃないですか。今後は音楽を聴くツールも増えるし、5Gになったらもっと環境が変わると思う。その変化に対応して、新しいエンタメの在り方に挑戦したい。失敗することもあるかもしれないけど、過去のやり方にこだわらず、いろいろやって未来を切り拓いていきたいと思っています。

取材・文◎村上孝之







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