【インタビュー】10-FEET、20thシングル「アオ」完成「まずはみんなが暴れ出したくなるような感動のライブを」

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■ピアノが主体になるような場面も
■作れるようになってきた

──「アオ」のイントロがピアノから始まるのが意外だったんですよ。

TAKUMA:これまでなかったかもしれないです。ピアノ自体はいろいろな曲でたくさん使ってきたんですけど、言われてみれば、イントロがピアノだけというのはなかった。

KOUICHI:うん、今までなかった。

TAKUMA:それでずいぶん印象が変わるなと。ピアノありにしようか、なしにしようか、マスタリングまで迷っていたんですよ。なしにしたらカッコいいけど、あの珍しい感じがなくなるなと思ったから、活かしたんです。

▲NAOKI (B, Vo)

──曲の導入部の印象は大事。ラーメン好きのNAOKIがラーメン屋へ行ったときの、例えるならお店の暖簾ですよ。

NAOKI:えっと……、そう…ですかね。

KOUICHI:もう、例えがすごい(笑)。

TAKUMA:NAOKI、違うんやったら、「違う」と言ったらええんやで(笑)。

──普通は赤暖簾だけど、この店は暖簾の感じからして違うぞと。なにか珍しいもの食わせてくれるラーメン屋かなと。そう思っちゃうじゃないですか。

NAOKI:……うん、……はい(笑)。

──その戸惑いの気持ちと、「はい」と言わされた感の答え方(笑)。でもラジオで「アオ」の先行オンエアをすでに聴いたファンも、“なんか新しいことになってるな”と感じたはず。

TAKUMA:ああ、確かに何が始まるんやろって感じにもなりますよね。そのイントロの次に、“シャーシャーシャー、ジャーン、ズズジャーン”という入り方は、僕ら、リハーサルでやりながら“カッコいいな”と思ってたんです。だから、“始まりはこれでええやん”って、ミックスのときにピアノなしバージョンにしてみたんですよ。ところが最初は新鮮に聴こえたけど、珍しい感じがなくなって。イントロでシリアスなピアノとストリングスが鳴ってるだけで、次の“シャーシャーシャー、ジャーン”が全然違って聴こえるんですよね。

──原曲のときからピアノを? 曲中にも起伏の激しいピアノの旋律を散りばめてるでしょ。それに去年のクリスマスイブに、ピアノをバックにした画像をアップロードしてたから、TAKUMAは鍵盤も好きで弾いてるのか?と思ったぐらいで。

TAKUMA:おっと、SNSパトロールしてるじゃないですか(笑)。

KOUICHI:10-FEETに関すること、詳しいな(笑)。

TAKUMA:でもピアノの使い方のバリエーションは増えたと思いますね。今まではピアノが引き立て役だったものが、ピアノが主体になるような場面も作れるようになってきたし。

▲20thシングル「アオ」初回生産限定盤

──あと存在感がすごいのはベース。フレーズが歌ってるんですよね。「シエラのように」の制作時、「曲を俯瞰で聴いたら、自由にベースラインが浮かぶようになった」と言ってました。

NAOKI:そうですね、同じ時期やったんで、「シエラのように」と同じ感覚でやっていたと思う。デモを聴いて、“たぶんここはこのイメージが強いんやろうな”ってのは残しつつ。一歩引いて曲を聴いたとき、“こういうフレーズがあったらいいな”と思ったら入れていって。そういう感じで作っていったと思います。

──ドラムのハット刻みも、歌とメロディを考えたクローズドやハーフオープンの使い分けで、いい意味でこざかしいなと。

KOUICHI:あざーす! デモをそのまんまではないけど、“雰囲気はだいたいこんな感じかな”ってやったんですよ。Bメロはちょっとデモから変わっているかな。

──ギターソロは、前半にオクターブ奏法があり、後半にフロントピックアップで鳴らすメロウなフレーズ。その表裏みたいな聴かせ方が憎い。

TAKUMA:ありがとうございます。例えるならX JAPANのHIDEさんとPATAさんみたいな感じですか。

──言っちゃうね、放り込んでくるな〜。

TAKUMA:カーク・ハメットとジェイムズ・ヘットフィールド(メタリカ)的な? あるいはマーティ・フリードマンとデイヴ・ムステイン(メガデス)とか?

──いや、どの感じでもないけど(笑)。短い小節数でも二面性あるソロ展開に、すごくドラマを感じるんです。勢いで弾いた感じでもないんですよ。

TAKUMA:なるほど、嬉しいですね。

──もっと言っていい?

TAKUMA:言ってください(笑)。

──ギターのバッキングで、クランチトーンから歪み全開にしていくとき、ボリュームをジュワッと上げていくのがいい。ライブ的な絵づらを浮かばせながらも、ちゃんと練り上げてる。そのバランスも良くて、何回も聴けちゃう。

TAKUMA:ああ、嬉しいですね。全部、余すことなく文字にしましょう。



──シンプルなアンサンブルでありながら、広がりや包容力を曲が持っているのは、それぞれのパートのフレーズやメロディの動きが鍵を握っていると感じました。“間違いなく10-FEET、新しいな”と。3人のバンドサウンドやアレンジが。

TAKUMA:「ハローフィクサー」は僕ら的にちょっと新しいことやったつもりだったんです。それが自分たちの中でスタンダード化して、新たな曲に着手していったとき、わりと自然にアプローチできたってのはあるかもしれないですね。

──カップリングの「朝霧を抜けて」と「タンバリン」は、ごく最近、作った曲ですよね。また違う思考が働いていました?

TAKUMA:作るときの感覚は「シエラのように」や「アオ」のときと近いですね。ほんまに弾きながら歌って生まれていった曲で。うまく解説はできないんですけど、アコースティックで弾き語りとかソロ曲を作るようになったじゃないですか。たぶんね、10-FEETでずっとエレキで曲を作ってきて、毎年ネタ切れを感じてたんです、この10年ぐらい。

──前回のインタビューでもそう言ってましたね。

TAKUMA:はい。最近になればなるほど、やっぱり曲のネタがなかなか出てこえへんようになったから、部屋にこもって制作する時間もどんどん増えていって。で、前まではエレキを生音で鳴らして作る作業が多かったのが、最近は防音室でアコースティックギターを思いっきりストロークして、思いっきり歌えるようになってきた。なおかつ弾き語りもわりと頻繁にやるようになったんです。弾き語りやアコースティックライブをすればするほど、10-FEETの曲がどんどん生まれていって。それは未だにそう。ネタ切れな気持ちで作るのがしんどくなってきていたのが、すごく伸び伸びと作れるようになったんです。

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