【レポート】成山俊太郎、中原くん、小林柊矢が参加。シンガー・ソングライターにフィーチャーし応援していく<#OASIS presents SOUNDSTORM>

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“シンガー・ソングライターにフィーチャーし応援していく”プロジェクトとして昨秋発足したYouTubeチャンネル「#OASIS」が、2021年4月9日(金)に3回目となるライブイベント<#OASIS presents SOUNDSTORM #3>を開催。成山俊太郎、中原くん、小林柊矢のライヴを無料配信した。

◆<#OASIS presents SOUNDSTORM #3> 関連動画&画像

2020年9月にスタートした「#OASIS」は、今だからこそ自分の意思で表現ができるシンガー・ソングライターにフィーチャーし発信、多くのリスナーに厳選された新しい音楽を届けるプラットフォームとなるのがその目的だ。チャンネル内のコンテンツとしては、毎月厳選されたシンガー・ソングライターの楽曲を、ファン総数500万人超の日本最大級審査制写真投稿サイト「東京カメラ部」に投稿された中から選出された写真を背景に、24時間音楽ストリーミング配信としてノンストップでお届けする「Music Springs」や、その中からさらに注目のアーティストをピックアップして紹介していく「Artist Valley」などを展開する。

そんな「#OASIS」による<#OASIS presents SOUNDSTORM #3>。アーティストの紹介を含め、その模様をレポートしよう。

■次代を担う存在になることを
■予感させるライヴを魅せた成山俊太郎


定刻が過ぎ、画面に切り替わるとアコースティック・ギターを抱えた成山俊太郎がスタンド・マイクの前でスタンバイ。おもむろにギターをつま弾き出してこの日のライヴがスタートした。1曲目は弾き語りによる「ルーティン」。3月17日に発売されたばかりの初のEP「春を呼ぶ。E.P.」に収録された、たおやかなナンバーをギターを叩くように弾きながらリズムを出し、軽やかに歌う。その伸びやかな歌声は、ついつい聴き入ってしまうような心地良さだった。歌い終えると「初めまして。福岡県飯塚市からまいりました成山俊太郎です。どうぞ今日はよろしくお願いします」と短く挨拶。そのまま「七変化」へとつなげていった。こちらもEP収録の軽快なナンバーで、時折、かすかに笑みをたたえながら、エモーショナルに歌い上げていく。曲が進むに連れてギターのストロークが激しさを増し、エンディングでピークを迎えたが、次の「夜とグラス」では一転。目を閉じて思いを込めてささやくようにしっとりと歌ったかと思えば、高まる感情を解き放つかのように力強く歌う。静と動を行き来する表現力豊かな歌唱に引き込まれてしまった。


曲間はおそらくあえてだと思うが、MCを入れず、マイクから離れてギターをチューニング。その無言の時間が心地良い緊張感を生み、彼のライヴの世界観を醸し出しているようだった。そんな静寂の中、ゆっくりと歌い出し、やがて小気味よいストロークに乗せてEPの表題曲「春を呼ぶ。」を熱く歌い上げる。この曲をファンも待ち望んでいたようで、コメント欄にはたくさんの桜マークが並んだ。


最後の曲を前に改めて「成山俊太郎です」とここできちんと挨拶。「今日は仲のよい3人とのライヴなので、ワクワクしているのと同時に緊張もしています」と少々はにかみながら語る様子は、21歳になったばかりの青年らしい初々しいものだった。最後はエレクトリック・ギターに持ち替えて「カコソラミライ」を披露。静かに歌い出すとサビでは絶叫するかのように激しい歌声を聴かせた。エレキ・ギターの鋭いサウンドと相まって、圧巻のパフォーマンスだった。先のMCで、「まだ音楽を始めて間もない」と語っていたが、彼は19歳で出場したオーディション「ONE in a Billion」で注目を集めたときはまだ音楽歴半年で、その決勝が生まれて初めてのライヴだったそう。それから約2年が経過しているとはいえ、まだまだキャリアの浅い存在ながら、そのパフォーマンスは堂に入ったもので、この日のライヴも次代を担う存在になることを予感させるものだった。


■中原くんは視聴者を巻き込みながら
■圧巻のパフォーマンスを披露


2番手として登場したのは中原くん。青いペイズリーのシャツに白いパンツ、そしてビーチサンダルといういでたちでゆっくりと歌い出す。そのまま「メテオストライク」を1コーラス歌うと、「お時間ちょうだいいたします。中原くんと申します。よろしく!」と自己紹介し、テンポアップ。全身でリズムを取りながら、軽快に2コーラス目に突入していった。サビの“メテオストライク”の歌詞に合わせて、左足を高々と蹴り上げ、ラストには「よろしくだぜ~!」と絶叫。「お時間の許す限り、みなさんの元へ音楽を届けようと思います!」と、声がつぶれてしまうのではと心配になるほどの大声で続け、そのままアップテンポな「朝、目が覚めたら」へ。これまた軽快にギターをかき鳴らし、歌詞に合わせて表情をコロコロと変えながら歌い紡ぐ。“朝目が覚めたら僕の音楽で世界をぶっ壊そうぜ”……音楽で世界を変える。古くから言い尽くされたフレーズかもしれないが、彼が熱くストレートに歌うと、“そんなことができるかも”となんだかそう思えてくる。そんな不思議な説得力を持った熱唱だった。


“サンキュー、ありがとう!!!”と大絶叫で締めくくると、「限られた時間の中でやりたいことがある」とおもむろにギターをいじり始める。激しい演奏でチューニングがくるったようで、そんなところからも彼の熱さが伝わってきた。すると「おい、お前ら!」いきなり叫び出した。どうやら足元にタブレットを置いているらしく、“パチパチの数が少ない!”と画面の向こうのファンを煽っていく。“完璧なチューニングで「朝、目が覚めたら」のラストサビを歌うから、今日1日が最高の日になるように俺にチャンスをください!”と、再度「朝、目が覚めたら」を歌い出す。コメント欄には拍手マークがずらりと並び、“やればできるじゃねえか! 100点満点!”と改めて曲を締めくくった。タブレットを使いながらうまく視聴しているファンを盛り上げていく手管は、日頃からTikTokやTwitter、YouTubeなどを使って積極的に情報発信をしている彼ならではといったところだろうか。


リズミカルなギターにセリフのような歌が絡む「自問自嘲」、“くだらない歌を精一杯歌います”と前置きしてちょっと切なげに、かつ力強く歌い上げた「不貞腐横丁酩酊節」を続けて、ラストは“明日からの音楽がもっと気持ちよく、楽しくなるように魔法をかけます”と「禁断少女」を再び激しいストロークに乗せて力強く歌い上げた。ラストはこれまで以上に高く左足を蹴り上げ、そして高々とジャンプ。画面から彼の汗が飛んできそうなほどの大迫力の熱演でライヴを終えた。終始自分のペースとスタイルを崩さず、視聴者を巻き込みながらのパフォーマンスは圧巻の一言。成山、小林とは一回りほど年の差があるそうだが、やはりそこはキャリアの成せる業だろう。


■未来への希望を感じさせるような
■熱い歌声が印象的な小林柊矢


トリを務めたのは小林柊矢。画面が切り替わると、センターマイクではなく、画面の右側に置かれたキーボードの前に座り、ゆっくりと弾き始めた。1曲目は、配信リリースされたばかりの新曲「茶色のセーター」。感極まったような表情で、情感たっぷりに歌い上げていく。ちなみにこのライヴの翌日には、「茶色のセーター」のミュージックビデオが公開になり、愛する人との別れを暗喩したかのような歌詞の世界観を映し出した美しい映像が話題を呼んでいる。“前の2人がめちゃめちゃ盛り上げてくれたんですが、僕はバラードを……”と、2曲目はアコースティック・ギターに持ち替えて「ドライヤー」を披露。これまた愛する人との別れを描写したこの曲を、切なそうな表情で伸びやかなに歌い上げた。


“昨日は飼っていた猫が家に来た日なので、急遽この曲を歌いたいなと思って”と説明して歌い出した「忘れないように」は、その猫が亡くなってしまったときに、家族みんなで大泣きしたときの気持ちを忘れたくないとの思いから作った曲なのだそう。最愛のものを失ったときの気持ちを、これまで以上に情感たっぷりに歌った。

“1月に20歳になって、大人としてのスタートを切ったばかりですが、次の曲は、10代でこの曲を作って良かったなと思っている曲。きっとこの曲に励まされることがあるはず。みんなも辛いことがあると思うけど、この曲が力になれば”。そんな言葉から始まった「大人になる前に」もしっとりとしたナンバーだが、切ないメロディの中にも未来への希望を感じさせるような熱い歌声が印象的だった。




“最後はナリのギターをお借りして”と、成山俊太郎のギターで弾き出したのは、4月28日にリリースの配信ミニアルバムに収録されるという「ビルの向こう」。新曲だということでコメント欄には“!!!!”など、驚嘆の書き込みが並んだ。ここまではバラードタイプの曲を続けてきた小林だが、最後は、未来への希望を描いたラブソングといった印象のアップテンポなナンバーで、軽やかにステージをしめた。20歳にしてこれほど物語性の高い音楽世界を作り出し、さらには美しい声で歌う小林もまた、次代の担うシンガー・ソングライターとして期待をせずにはいられない、そんな気持ちにさせるステージだった。



「ビルの向こう」を歌い終えると、小林が成山俊太郎と中原くんを呼び込んだ。“新曲、良かったよ!”(成山)、“でも、中原くんの後だったからやり辛かった(笑)”(小林)、“何か不服でも!?”(中原)と、会話からは3人の仲の良さがうかがえた。3人は2年ほど前から親交があるそうで、今回も3人で集まって、このセッションのための練習をしたのだとか。ということで、最後は3人で秦基博「鱗」をカバー。小林がギターを弾き、まずは中原が歌い出す。途中で成山へとスイッチすると、サビでは2人がハーモニーを作り出す、かと思うと小林と中原のコンビへと変わる……といった具合に、目まぐるしくボーカルが入れ替わりながら歌い継ぐ。“1回やってみたらすぐにうまくいった”と中原くんが語っていたが、大ざっぱに歌うパートをわけただけではない凝った構成に、本当はみっちり練習したのでは?などと無粋な勘繰りをしたくなるほどだった。



ラストは3人が声を重ねて、美しいも力強いハーモニーを生まれ、ライヴは大団円となった。この日、出演した3人はそれぞれに個性的かつ力強くも美しい声を持っていたが、その3つの声が折り重なるシーンは感動的で、この日のライヴのエンディングに相応しい名場面だったと思う。
取材・文:竹内伸一

<#OASIS presents SOUNDSTORM #3>

<セットリスト>
■成山俊太郎
1.ルーティン
2.七変化
3.夜とグラス
4.春を呼ぶ。
5.カコソラミライ

■中原くん
1.メテオストライク
2.朝、目が覚めたら
3.自問自嘲
4.不貞腐横丁酩酊節
5.禁断少女

■小林柊矢
1.茶色のセーター
2.ドライヤー
3.忘れないように
4.大人になる前に
5.ビルの向こう

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