【俺の楽器・私の愛機】091「世界中の通販サイトを検索しまくってやっと見つけた逸品」

【VGS Radioactive TD-Special Pro】（茨城県　Meatian　L歳）


6年ほど前に楽器屋で見つけたギター。見た目の奇異さとは裏腹に、かつて聞いたことがないくらいコードが美しく鳴る。その代わり、ビブラートやチョーキングが利かない。どんなにチョーキングしても、ちょっと位ならペグを回しても音程は変わらない。このギターに衝撃を受けつつも、即買いできる価格ではなかったため諦めた。

時は流れてギターを買い替えたいという頃になって「ギターに何を求めるか」を考えたところ、あのギターがフラッシュバックしてきた。あの時楽器屋でメモ代わりに撮影していた写真を探して名前を確認し、そのギターのメーカー(ドイツの会社)は、私が見つけた翌年にはクラシック専門の楽器メーカーに買収され、その翌年には製造終了したそうで、新品や別モデルの存在が期待できないことも分かった。楽器屋のサイトから個人売買のサイトまで、国内外のあらゆるサイトを検索するも売り切ればかり。ようやく1本、アウトレット品がなんと日本にあることを突き止めた。


やっとのことで手にしたギターだが、手にしてみると何か物足りない。そこでオリジナルのピックガードを作ってもらった。イスタンブールの業者と夜な夜な(向こうは昼だけど)送られてくる型紙のファイルを印刷・切り抜き・ギターに貼り付けてはビデオ通話でもう少しこの部分をこうしてほしいといった要望をやり取りした。

このギターに決めるに当たって唯一妥協したのが「トレモロアーム」だった。弦の張力を極限まで一定に保つブリッジとはどうしても思想が合わないのだ。そこで、アームの代わりにギターシンセを搭載。アームダウン/アップ効果をペダル操作で補完している。


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すげえ、エバーチューンだ。トゥルーテンペラメント・フレットとあわせて、完璧なチューニングをキープする逸品ですよね。これ、チョーキングできるセッティングにして、ステージでガンガン使うスタイルにすれば、チューニングのストレスから開放されて昇天できますね。バジー・フェイトンもこれが欲しかったんじゃないかな。完璧なピッチはギターシンセとの相性も究極です。（JMN統括編集長 烏丸）


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