【世界珍楽器さんぽ #17】天にそびえる、ちょっと可愛いドラゴンのラッパ

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本日紹介するカーニクスという楽器は、2000年くらい前に活躍していたケルトの金管楽器(ラッパの仲間)です。

この楽器の特徴は「めちゃくちゃ長い」こと。その上、ベル(開口部)は動物の形をしており、見た目のインパクトがあります。

カーニクスは近年になって発掘・再現楽器が制作され、考古学分野で研究が進んでいるようで、音を聴いてみると意外にも普通のトランペットやホルンに似ています。これはおそらく、金管楽器の「音を“出す”仕組み(人間の声で言う“声帯”にあたる部分)」が古代からそこまで変化していないためでしょう。

ちなみに、現代のトランペットは管を伸ばすと140センチほどになるそうで、丁度このカーニクスと同じくらいの長さになります。


昔のラッパには、コーヌやブッキナと呼ばれるフープ状に曲がったものもあります。これらは形や時代・場所こそ違えど音を出す仕組みは同じで、用途的には軍用が多いそう。

こういった「指で押すところが無いラッパ」は、「指で押すところがあるラッパ」の進化前のものですが、現在でもこだわって使用する奏者や必要とされる場面があり、新商品が開発・販売されています。


(編集部 安藤)

■今日の楽器「カーニクス」

地域:ヨーロッパ
分類:金管楽器(古楽器)
特徴:長い、不思議な装飾
日本での入手難易度:頑張れば類似のものは手に入るはず
ひとこと:チューバ版のこれが欲しい(全長10メートル)
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