【レポート】SUPER★DRAGON、<SIX DAY>ツアーが開幕

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SUPER★DRAGONのライブツアー<SIX DAY>が9月26日よりスタートした。

◆ライブ写真

ツアーの幕開けとなった9月26日の東京・中野サンプラザ公演では、新曲「X」も披露。同曲は本日9月27日より配信が行われている。今回は、中野サンプラザ公演のレポートをお届けする。

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2021年9月27日。SUPER★DRAGONが結成から6周年を迎えた。9人という大きな所帯。メンバー全員が10代前半~半ばの頃にスタートし、多感な青春時代をプロとして歌とダンスのスキルを磨くことに捧げ、コンスタントにリリースとライブを続けながら、誰ひとり欠けることなくここまできたことは、何ものにも代えがたい彼らの価値であり個性と言えるだろう。なかでも、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲った2020年を乗り越えたことで獲得した、強固なグループの結束とパフォーマンス力には目を見張るものがある。

結成から5周年という節目に向かって動き出そうとしていたタイミングでの未曽有の事態によって、あらゆる予定が頓挫し先の見えない状態に。しかし彼らの心が完全に折れることはなかった。活動の軸を配信ライブやSNSでの積極的な発信などに切り替えるだけでなく、その間に現代を生きるアイドル/アーティストとして表現できることや、グループとしてのあるべき姿を必死で探していたのだろう。だからこそ彼らは、2020年末に「Burn It Black e.p.」という、キャリア史上もっとも説得力の強いEPリリースすることができたのだと思う。


タイトルの“黒”とは、SUPER★DRAGONがグループとして前を向き進み続ける覚悟であり、何ものにも染まらないという決意であり、同じ色を纏っても9人の個性は消えないという自信でもあると、リリース時のインタビューでメンバーは語ってくれた。またその黒は、コロナ禍そのものとも、溢れる情報に捉われ盲目的になってしまった人間の状態とも取ることができる。そんななかで何をどう選択していくべきか。答えのない世界と必死に向き合い続けてきたひとつの証が作品となりメッセージとなり、多くのファンを勇気づけたことだろう。


そして迎えた2021年の春。4月9日と10日にZepp Hanedaで495日ぶりにファンをフロアに迎えたワンマンライブを開催する。<NEO CYBER CITY - ネオサイバーシティ>と名付けられたそのステージでは、「Burn It Black e.p.」のインパクトをさらに上回るスケールアップした姿をみせてくれた。ライブでの定番曲と新曲をコンセプチュアルに織り交ぜながら、文明や欲望という怪物が生み出したディストピアのなかで、廃棄処分になることが明らかになりながらも決して諦めないクローン人間を見事に演じきる。その先にあるのは光なのかさらなる闇なのか。問題が山積みの社会を映し出す鏡のような、底抜けにハッピーエンドではないリアルな含みやエッジは、未来をファンとともに作り上げていきたいというメッセージだったのではないだろうか。


その後、SUPER★DRAGONは6周年前夜である9月26日から、東京は中野サンプラザを皮切りに、愛知2デイズ、兵庫と神奈川を回り、12月6日に再び東京に戻ってくる、念願のツアーを行うことを発表。そしていよいよ初日を迎えるということで、筆者も期待に胸を膨らませながら会場に足を運んだ。


ツアータイトルは<SIX DAY>。簡単に言えば<NEO CYBER CITY -ネオサイバーシティ->の続編となるサイバーパンクの世界観に通じるコンセプトライブで、近未来的な映像と9人のパフォーマンスによって、シリアスななかにも愛くるしさやユーモアを散りばめた、ポップかつエッジィでスペクタクルなステージを繰り広げた。


そんな彼らのパフォーマンスに応えるように揺れる、7月に開催されたファンクラブ会員限定ツアー<18 EYES>で、事前に公募していたファンネームが“BLUE”に決定したと発表された流れを受けて、観客一人ひとりが手に持っていたブルーのライト。コロナの感染防止対策のため声が出せない状況を引き合いに出すのは、皆が我慢している空気も伝わってくるため不謹慎かもしれないが、“目は口ほどに”ならぬ、“光は口ほどに”。古川毅が「BLUE」への感謝を述べていたが、メンバーもそこに宿るエモーションを心に刻み込んだことだろう。


今回のツアーは<SIX DAY>と銘打っているように、メンバーたちの選択によって物語の結末が異なる6つのパラレルワールド的な設定になっており、セットリストも会場によって変わるという。なので、ここで初日の詳細なレポートを書いても完全なネタバレにはならないのだがあえて伏せておくとして、それでもひとつ特筆したいことがある。この日、ファンの前に初お目見えとなった、まさに6周年を迎えた今日、9月27日にリリースされた新曲「X」についてだ。


SUPER★DRAGONは「9人組ミクスチャーユニット」と掲げ、ここまでの6年を歩んできた。その初期のロールモデルとなっているのは、90年代~00年代のLimp BizkitやLinkin Parkのような、日本では“ミクスチャーロック”と言われる、大雑把に言えばロックとヒップホップを混ぜ合わせたバンド音楽。それをあえてボーカル&ダンスのパフォーマンスユニットで展開してくことが彼らのオリジナリティの源流だった。


そこからさらに、ハウス/EDMやベースミュージック、10年代以降のヒップホップやK-POPなど、さまざまなジャンルのサウンドを柔軟に採り入れ、その音楽性を磨き上げてきたわけだが、「X」では“ミクスチャー”すなわち“さまざまな要素が混ざった”という言葉そのもの意味とあらためて向き合い、その解釈を広げ再定義しようとする強い気持ちを感じた。


実にSUPER★DRAGONらしい、トラップやエレクトロ、ミクスチャーロックなどがクロスオーバーするポストEDMサウンドは、今回の<NEO CYBER CITY -ネオサイバーシティ->~<SIX DAY>の近未来的な物語と共鳴し合うように、時空を捻じ曲げるかのごとくエクストリームな展開をみせる。そこに、JUNのサポートを受けてメンバーの古川毅、ジャン海渡、松村和哉で初めて3人で書き上げたリリックが乗り、彼らの提唱する“ミクスチャー”は新たな次元に到達した。


“全ては混ざり合うのさ”、“闇を越えて俺ら生きる今を 風と雲と音を抜けた向こうの居場所”といったポストコロナへの意志を感じる言葉や、“誰にも替え難い人生 型にハマるようじゃつまらない”というSUPER★DRAGONを象徴するようなメッセージと、MCで古川が話していたように、それぞれの個性を持つ「BLUE」たちが照らす青いライトが一体となった、サウンドスタイルとしての“ミクスチャー”という枠を超えた“トータルミクスチャー”。多種多様なカルチャーや個性が一つになれる、ライブという空間の、ダンスフロアの持つ原点的な魅力が未来に向かって大きく花開いた瞬間がそこにはあった。


そしてツアーはまだまだこれから。前述したように、会場によってストーリーもセットリストも異なる。そして新曲「X」に込められたメッセージ。この物語にはまだ続きがあるのか。もしくはまた新たな何かがスタートするのか。早くもSUPER★DRAGONの2022年やコロナ収束後の動きが楽しみで仕方がない。



文:TAISHI IWAMI
写真:小坂茂雄

◆SUPER★DRAGON オフィシャルサイト
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