【インタビュー】SHANK、アルバム『STEADY』を輝かせる容赦ないバンド模様「妥協はしません、させません」

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■好きでやっているんで頑張るもなにもない
■楽しんでいるってことが自然体になる

──そういう面でも実りの多いレコーディングだったわけですか。ミュージシャンとして、バンドとして、殻を破った感触もありますか?

松崎:ないです(笑)。

庵原:うん、リリースされていない今はまだ(笑)。

松崎:でも、殻をもう少し破りたいなってきっかけになりましたね。自分らでまだ破れるところはあるんだ、成長できるところがまだあるんだって、それを知ることができたのは良かったと思います。

池本:僕は、殻を破るきっかけをメンバーからもらってますからね。自分が弱いところもよく知っているから、そこを突いてくれるのはありがたいですね。

庵原:もう30歳を超えてこれしかないんだし、自分のやるべきことをしっかりやろうって、一人ひとりが思うきっかけにもなった制作やレコーディング、そしてアルバムになっていると思います。

松崎:バンドをやれなくなるかもしれないって状況に初めて陥った、ということも影響しているんですよ。コロナで半年近くライブできない状況になって、それが少し怖かったから。だったらバンドを続けるために何ができるのかって。自分と向き合う時間もあったし、そこで成長しないと。バンドを続けるために、もっと前に進まなきゃとは思ってます。周りに就職したり仕事を始めたバンドマンやミュージシャンもいたんですけど、俺達はイヤだと。意地でも音楽でやっていこうと思ったんです。

──その勢いで、子供の父兄参観に行っちゃうわけですか(笑)。ライブのMCでもよく話に出てきますが。

松崎:そうです。父兄参観はライフワークですよ。でも子供に教えられることが、僕の中ではすごく多いんです。音楽に直結していなくても、関係はしていると思う。できなかったことができたとき、子供がすごく喜んでいる姿を目にすると、人間が成長するってすごくいいことなんだなと思うから。子供にバカにされないように、親父も成長するように頑張ろうかなぐらいには思ってるんですよ(笑)。親父が好きなことやって飯食ってるほうがカッコいいだろうなって、勝手に思っているんで。子供も自分がやりたことやっていってほしいし。音楽を続けたいと思う気持ちも、子供がいなかったら折れていたかもしれない。音楽とか自分たちのやっていることに関して、すごく真摯に向き合えたから。ネガティヴな2年だったとは思わないんです。大事なものをなくさないために、音楽をちゃんとやろうって思ってます。

──精神的にもますますタフになったSHANKですね。この『STEADY』も踏まえて、メッセージしたいことも強くなっていますか?

庵原:個人的には、伝えたいことは何もないんです。歌詞は、自分に対して“オマエ、大丈夫か?”みたいに、浮き沈みする自分に対して言ってるだけで。それを聴いて、自分に落とし込んで解釈してくれる人が、気分良くなってくれたらいいなって。ネガティヴな要素じゃなくて、プラスな方向の感情になってくれたらいいことだなって思います。

──アルバムタイトルも、幾つか候補もありました?

庵原:いろいろ考えたんだけど、『STEADY』しか出てこなかった。一番合っているなって。今、話したように、聴いた人次第でどう捉えられるかってところにも近いんです。説明しすぎないで、いろんな捉え方ができるタイトルなので、『STEADY』にしましたね。“ブレない”とか“安定”という解釈もできるけど、そういうつもりで付けた感じでもなくて。実際はブレブレだし、それも含めて、追い求めているって意味もある。自分でもそこが曖昧だったから、この曖昧なタイトルにしたんだと思う。


──葛藤しながらも着実に次に向かうんだ、というニュアンスにも受け止められました。アルバムリリースに伴う新たなツアー<STEADY TOUR 2022>が3月から始まります。ライブでプレイするにあたって手ごわい曲も多そうな『STEADY』ですが?

庵原:個人的には「Mind Games」かな。スカの曲は、歌いながらベースを弾くってことが、最初のうちはなかなかできないんですよ(笑)。裏打ちのリズムと、そうではないメロディに、やりながら身体が慣れていくというか。スカはベーシストの自分とボーカルの自分が常に闘ってる感じがします。

池本:「Once Again」は友達のバンド(ザ・アンドロイズ)の曲をカバーさせてもらっていて。自分には観てた側のイメージもあるから、もちろんそれよりも良くなるようにライブで表現したいと思ってます。だけど、原曲を知っている人にどう捉えられるかも、楽しみではあるんです。

松崎:「Poker Face」はずっとワウペダルを踏みながら弾くんですよ。最近、エフェクターボードにワウを組み込んでみたんですけど、思った以上に弾く態勢が悪くなっちゃうんですよね。で、俺の左足は大丈夫かなと思ったり(笑)。

池本:身体の心配(笑)?

松崎:ワウをボード内に組み込むのはやめて、足元に置こうか悩んでるぐらいっす(笑)。ツアーが始まる頃にはコロナの状況が少しでも良くなって、このツアーの中で、お客さんとみんなでいい景色を見られたらなと願っています。

──2022年はSHANK結成から18年目ですよね。

松崎:あんまり実感ないんですけど、気づけば(笑)。でも年々、元の位置に戻っているというか。バンドが好きで始めて、いろいろ頭を使ってこねくり回していた時期を超えて、ただ純粋に好きな音楽やろうって時期に戻ってきてる。シンプルになっているとは思うんです。キャリアが何年だとかってことよりも、まず楽しくやれているってことがいいなと思います。

──継続するためのモチベーションはなにかあります?

松崎:頑張らないってことですよ、音楽を。好きにやるってこと。

庵原:頑張ってないってわけでもないんですけど、好きでやっているんで、頑張るもなにもない。楽しんでいるってことが自然体になる、それが長く続けられる方法のひとつなんだろうなと思います。

取材・文◎長谷川幸信

■フルアルバム『STEADY』

2022年1月26日(水)リリース
CTCD-20093 ¥2,700(税抜)
BAiTFiSH RECORDS
▼収録曲
01. Candy Cruise
02. Drain Water
03. Bright Side
04. Mind Games feat. HEY-SMITH
05. Rules
06. Karma
07. Lazy Daisy
08. Rising Down
09. High Tide
10. Fall Into The Night
11. Poker Face
12. Once Again
13. Steady


■<STEADY TOUR 2022>

3月19日(土) 福岡 BEAT STATION
open17:15 / start18:00
ゲスト:SIX LOUNGE
(問)PROJECT FAMIRY 092-406-0855
3月21日(月・祝) 広島 CLUB QUATTRO
open17:15 / start18:00
ゲスト:キュウソネコカミ
(問)YUMEBANCHI(広島) 082-249-3571
3月26日(土) 松山 WstudioRED
open17:15 / start18:00
ゲスト:BUZZ THE BEARS
(問)DUKE 089-947-3535
3月27日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
open17:15 / start18:00
ゲスト:四星球
(問)YUMEBANCHI(岡山) 086-231-3531
4月13日(水) 渋谷 Spotify O-EAST
open18:15 / start19:00
ゲスト:OLEDICKFOGGY
(問)iTONY ENTERTAINMENT info@itony.co.jp
4月15日(金) 仙台 Rensa
open18:15 / start19:00
ゲスト:dustbox
(問)NORTH ROAD MUSIC 022-256-1000
4月17日(日) 札幌 PENNY LANE24
open17:15 / start18:00
ゲスト:dustbox
(問)SMASH EAST 011-261-5569
4月20日(水) 金沢 vanvan V4
open18:15 / start19:00
ゲスト:EGG BRAIN
(問)FOB 076-232-2424
4月22日(金) 名古屋 DIAMOND HALL
open18:15 / start19:00
ゲスト:HEY-SMITH
(問)JAILHOUSE 052-936-6041
4月23日(土) 大阪 NAMBA Hatch
open17:15 / start18:00
ゲスト:HEY-SMITH
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
▼チケット
4,200円 (税込 / ドリンク代別)
【オフィシャル2次先行(抽選)】
受付期間:1/7(金)18:00〜1/23(日)23:59
https://l-tike.com/shank-steadytour2022/


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