【コメントリレー】3歳でも90歳でもカンタンに参加できる<otto piano Concours vol.01>審査員より菊地沙織、「ピアノでの楽しみは無限大。その楽しみをどんどん広げていって下さい!」

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オタイオーディオ株式会社が運営する電子ピアノ・鍵盤専門店/ピアノ教室ottoが、オンラインによるピアノコンクールを開催することが決定した。その名も<otto piano Concours vol.01 supported by Technics>。

◆<otto piano Concours vol.01 supported by Technics> 関連画像

「3歳でも90歳でもカンタンに参加できるピアノコンクール」をテーマに、初級、中級、上級と3つの部門を設け、より多くのピアニストが気軽に参加できるコンクールを目標としている。コンクールの全行程をオンライン化すること、また電子ピアノやMIDI鍵盤(ピアノ鍵盤モデルに限る)でも参加できることから、今まで何らかの事情でピアノコンクールに参加できなかった人たちの受け皿になりえる新しい形のコンクールである。このことは、今世界で最も重要な指標の一つであるSDGsの目標達成への取組みとしての側面も兼ね備えている。

そんな<otto piano Concours vol.01 supported by Technics>の審査員から、ソリスト/アンサンブルピア二ストでottoのピアノ講師も務める菊地沙織のコメントが届いた。応募を悩んでいるという世のピアニストたちは参考にしてみてはいかがだろうか?


■菊地沙織 コメント

──<otto piano Concours vol.01 supported by Technics>では、どんな演者に出てきてほしいですか? 

菊池 <otto piano Concours>では、年齢や場所、楽器などの制限がほとんどありません。ですので、今までコンクールを受けたくても受けられなかった方や、ピアノを長く習ってきた方でまた新しくステップアップをされたい方、またプロのピアニストを目指す方、さまざまな方に参加していただきたいと思っています。“動画でのエントリー”ということで、ある意味リラックスした中で自分を表現できる部分があるかと思います。伸び伸びした演奏をお待ちしています!

──また<otto piano Concours vol.01 supported by Technics>ではどんな基準で採点しますか?

菊池 コンクールの運営サイドでは、基準となる採点項目があります。もちろん、そちらの採点項目を踏まえた上での審査ではありますが、私としては、楽曲に対し真摯に、またあくなき好奇心を持って臨んだ演奏・演奏表現というのを重要に聴かせて頂きたいと思っています。

初級、中級、上級の課題曲は、ともに耳馴染みのあるクラシック作品のなかでも有名な曲です。まずはフレッシュな気持ちで楽譜にどんな事が書かれているか読み込み、ご自身の目線で作品のすてきな部分を新たに見つけ出して頂けたら嬉しいです。そして間違えないように弾こうとか、ソツなく纏めよう……そういったところを越えたような、今のご自身だから出来る表現を、こちらも一生懸命聴かせて頂きたいと思います。

──あなたの最初のコンクール出場について教えてください。

菊池 最初のコンクール体験はあまり記憶にないのですが、頑張ったらマンガを買ってもらえるなどのご褒美があったので、ある意味そのご褒美目当てに頑張っていたところがあるかもしれません(笑)。コンクールの会場では、いつも習ってる教室や友達のピアノだけでなく、同い年の子供たちのピアノをたくさん聞くことができるので、「この子はなんでうまいんだろう?」とか「この子はうまいけど、ピアノ練習の他に一体何をやっているんだろう?」とか、考えながら聞いていました。だいたい毎回同じ顔ぶれが集まるようになると、例えば前回からどれだけ頑張ってきたかが見えてお互いの励ましや刺激になっていました。もちろん、緊張のあまりとんでもない失敗をしてしまったりと悔しい思い出もありますが、今となっては自分なりに一生懸命にやっていたからこそ、楽しく良い思い出となっています。

──一番記憶に残っているコンクールは何でしょうか?

菊池 演奏中に弦が切れたことです。弦が切れるとすごい音がするので、一瞬何が起きたんだろうと頭の中が白くなりました。冷静を保ちつつ弦が切れたことを把握しながら演奏を続ける、といういつものプラスアルファのドキドキ感でした。

──コンクールに出場する際は何が一番重要だと思いますか?

菊池 コンクールのタイプにもよりますし、目指すものにもよると思いますが、もし受賞を目指すならば、ひたすらに“準備”かなと思います。演奏するだけに留まらず、誰に向けてどんな演奏をしたいか、そのあたりのベクトルも定めながら練習していくと、ブレない自分の演奏になるかと思います。

──ピアノ(アコースティック/電子)の楽しさについてあなたなりの意見を教えてください。

菊池 「ピアノは楽器の王様」。このような言葉があるように、ピアノは88鍵の鍵盤、そしてペダルを使うことによって、オーケストラのようなダイナミックなサウンドを作ることができます。その反面、ある意味独り言のような内省的に繊細なサウンドも作ることができます。そしてソロで弾くだけにとどまらず、他の楽器や歌、アンサンブルの相性も抜群です。ピアノで奏られる音楽ジャンルも限りないですよね。内部奏法といった現代的なアプローチの演奏も興味深いですし。ピアノでの楽しみは無限大。その楽しみをどんどん広げていって下さい!

──こんな練習をすると上達する(かも)ってことはありますか?

菊池 私は結構“練習の虫”タイプなので、「これをやると上達する」ということはいろいろとトライしたと思います。例えば利き手ではない左の手の能力を上げるために、わざわざ日常の動作を左メインにする。歌いながら歩く。寝る前に録音を聴き楽譜を眺めて寝て、朝起きたら寝ぼけつつもまた録音を聴き楽譜を眺めるなどキリがありません(笑)。あとはピアノに限らずですが、やはり自分のことを知るということがすごく大切なのではないかと思います。自分の身体やメンタルの傾向を知って、今もっている自分の武器を最大に活かせるところに向かえると良いですよね。

また、演奏の深みや説得力を出すには、やはり音楽以外の知識も必要かと思います。例えば今回の課題曲で出ているワルツやガヴォットは舞曲の種類なのですが、実際どんな風に踊るか? 踊っていた場所や人々、衣装はどんなかとか……掘り下げていくとたくさんの知識があった方が、表現の幅はより広く深くなると思うのです。ある意味、弾いていないときも上手へのスコアアップはできるわけで、そのあたりも楽しんでできると良いかなと思います。

──応募を悩んでいるみなさんにメッセージをいただきたいです。

菊池 ここまで読んでいただき有難うございます。まだ応募しようか悩んでいる皆様! ottoは昨年7月にスタートし、今回のコンクールは記念すべき第1回目となります。ぜひその一歩を皆様と一緒に歩ませてください。音楽は、きっと皆様をすてきな場所に連れて行ってくれると思います。皆様の演奏を聴かせていただけること、心より楽しみにしております!

【菊地沙織 プロフィール】

ソリスト、アンサンブルピア二スト。
仙台市出身。武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻卒業のち同大学大学院修了。

2007年よりフランスに渡り、エリック・ベルショ氏のもとパリ・エコールノルマル音楽院にて最高学年演奏家課程修了、またラヴァルシュヴルーズ音楽院にて室内楽を首席修了する。パリ市内にてソロリサイタル、室内楽コンサートを行い好評を博す。

2009年に帰国後は東京を拠点とし、ソリスト、アンサンブルピアニストとして本格的に活動を開始する。ソリストとしては、ポーランド・シレジアフィルなど海外オーケストラとの共演をはじめ、日本のみならず、スイス、オマーン、ルーマニアなど海外においてもコンサートに多数出演する。

またアンサンブルピアニストとして、財団法人サントリーホール・オペラアカデミーに在籍し、ジュゼッペ・サッバティーニ氏のもと研鑽を積む。声楽、弦楽器、管楽器との共演をメインとする他、都内合唱団の常任ピアニストをするなど合唱・オペラの分野のレパートリーも幅広く持っている。音楽之友社「桜色」はじめ、学校教科書のCD録音にも携わる。ホテルでのコンサートイベント、客船”ぱしふぃっくびいなす”、2020年は”飛鳥II”に乗船しコンサートを行う。同年日本最大級の作曲イベントBEAT GRANDPRIX ART MOVIE GUEST ACT、同MOVIEにてYAMAHA MUSIC JAPANの製品CMソングに起用された。

2021年にはTOSHIBA dynabookのピックアップアーティストに選ばれCM出演も果たす。
指導者としては、パリ留学時よりキャリアをスタートし15年以上の指導歴があり多くのピアニストを世に輩出している。溢れんばかりの情念と繊細な表現を同居させたピアニスト菊地沙織の世界に多くのMUSIC LOVERが魅了されている。

▲審査員一覧(順不同 敬称略) 新垣隆/小川理子/瀨崎紀子/前田祐里/山本有紗/ロー磨秀(マシュー・ロー)/菊地沙織/降旗真理子/山藤佳世/ikki

<otto piano Concours vol.01 supported by Technics>

エントリー&詳細はこちらから
https://otto-piano.com/otto/piano/?p=1998

■コンクールスケジュールについて
・エントリー受付開始/2022年1月25日(火)〜
・エントリー受付締切/2022年2月15日(火)23時59分まで
・決勝進出者発表/2022年2月25日(金)
・一般投票&審査スタート/2022年3月5日(土)
・一般投票締切&審査締切/2022年3月22日(火)
・決勝大会結果発表/2022年3月29日(火)

◆otto オフィシャルサイト
◆菊地沙織 オフィシャルサイト
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