【インタビュー】神はサイコロを振らない、1stアルバムに渾身の全20曲「4人全員が魂を削って作った色とりどりな曲たち」

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■今までにない新鮮なアプローチができた
■何より今はライブでやるのが楽しみ

──「少年よ永遠に」は一発録りでレコーディングしたんですよね。

柳田:はい。僕らってずっとDAWで曲作りしてきたので、リズムとかが基本的にグリッドに収まりきっているんです。だからどの曲もしっかり構成されているんですけど、一方で初期衝動のようなもの……神サイを始めるよりずっと前の、初めてギターを買って、初めて友達と音を合わせた時の感覚って、ロックバンドと名乗るからにはずっと忘れちゃいけないと思っていて。


▲桐木岳貢(B)

──それが楽しいから、バンドやっているんでしょうしね。

柳田:そうですね。僕が“THE FIRST TAKE”で歌った時、すごく刺激的な体験をさせてもらって嬉しかった半面、“メンバーがいてくれたら、なお楽しかっただろうな”と思ったんですよ。何て言ったらいいのか分からないですけど、この4人で鳴らすと、絶対的な安心感みたいなものが……と同時に危うさみたいなものも、めっちゃ感じていて。そういうバンドの危うさと面白さみたいなものを一度楽曲として形にしておきたかったので、4人で“せーの”で録ることにしたんです。そうしたら、ドラムテックとして毎回レコーディングについてくれている方から、「 “一発録り”と言ったからには、エディットしてもらえるとも思うなよ。完全に生バンドのグルーヴのままでやれ」というふうに言われ。

吉田:いや、そんな強い言い方じゃなかったけどね(笑)。優しい人だから。

柳田:いや、優しい人だけど、その向こうにある熱さが見えるような言葉をいただいて(笑)。こういう録り方をしたことで根本的な部分を見つめ直せたから、すごく意味があったし、いい勉強になりましたね。

──バンドサウンドの質感としても、一発録りという環境やテンションが影響して、異質なものになりましたよね。一発録りの部屋鳴りも影響しているのかもしれませんが、リズム隊の迫力がすごい。

桐木:いい音ですよね。サウンドとしてはアルバムのなかで一番好きかもしれない。

吉田:「少年よ永遠に」のレコーディングは緊張感がすごかったから、俺は逆に「LOVE」のほうが初期衝動みたいなものを詰められた気がするんですよ。


──「LOVE」はブリットポップ感があって、これまで神サイでやってこなかった曲調ですね。

吉田:そうなんですよ。マスタリングエンジニアさんと話し合って、よりのっぺりとしたサウンドにしたり、ボーカルが遠くで鳴っている感じにするために特殊なミックスをしているんです。すごく外タレっぽい感じがあって俺も大好きな曲です。

柳田:J-POPのスタンダードを度外視している感じがいいなと思うし、ツーコーラスで潔く終わるうえに2分くらいしかないのに、ちゃんと構成されていて、どんどん色が変わっていっていくのも面白い。神サイでこういう曲をやったらおもろいだろうなって、ずっと思っていたんですよね。

吉田:で、俺、この曲に関してはレコーディング当日まで練習しなかったんですよ。偶発性を大事にしたいと思ったので、柳田に曲のニュアンスだけ軽く聞いて、そのまま当日を迎えたという。それもあって今までにない新鮮なアプローチができたと思うし、何より今はライブでやるのが楽しみです。

──いいですね。めちゃ踊れそう。

柳田:あと、この曲でミュージックビデオが撮りたいんですよ。舞台は夏の鎌倉。海沿いをオープンカーでただドライブしているような映像で、後ろの2人は酒飲んでアコギをペロンペロン弾いているみたいな。“神サイSummer Vibe”って感じのミュージックビデオにしたい。

吉田:“神サイSummer Vibe”(笑)。

柳田:アルバムがバカ売れしてくれたら、その制作予算がおりるかもしれないので、みなさんよろしくお願いします(笑)。

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