【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第13回ゲスト:N∀OKI [ROTTENGRAFFTY]

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■当日はロットン兄さんたち
■何か仕掛けてくると思います(笑)

──ROTTENGRAFFTYのターニングポイントがアルバム『This World』だという。

ASH:まさに「THIS WORLD」のMVは、N∀OKIさんが今話してたことですよね。トンネルの中で撮った映像で、それまでトレードマークだったスーツ姿がパッと燃えて、メンバーそれぞれ好きな格好になって。俺、スーツの感じも実は真似していたんです。名古屋でやってたバンドでは衣装をスーツにしてた時期もあって。完全にROTTENGRAFFTYの影響だったんですよ(笑)。

N∀OKI:俺らがスーツにしたのは、HIROSHIと侑威地の私服がビックリするぐらいヤバいセンスだったんで、“これはダメだ”と(笑)。俺らみたいなヘヴィなことやってるバンドがスーツで統一してるのもいいと思ったから、「スーツにしよう」って俺が言ったんですよ。でも夏フェスにスーツは終わってた(笑)。暑いし、洗えないし、ツアーが続いたらどうしようもなくて、剣道の武具みたいな匂いになってくる。ライブしてたら、前のほうのお客さんが“う〜ん…”ってうなってて、これはマズイと(笑)。申し訳なくなって、お客さんのほうに近づかないようになり、だって俺が悪臭の元なんで(笑)。天日干ししたら色あせるし、最後は車の塗装スプレーで黒く塗ってたし(笑)。スーツをやめたら、だいぶラク。2010年から調子がいい(笑)。


ASH:2010年にスーツを脱ぎ去ったROTTENGRAFFTYに、僕は衝撃を感じましたね。印象的だったから。

N∀OKI:そのタイミングで、バンド名の表記をアルファベットに変えたんですよ。心機一転だったから、先代の社長が「バンド名を変えるぐらいのパンチがほしい」と言ってて。ただ、バンド名まで変えるのは、「今まで積み上げてきたものもあるから、ちょっと辛いっす」って。それで物販でデザインしてた英語表記のROTTENGRAFFTYにして、MVではスーツを燃やそうかって話になって。バンドが第二フェーズに突入みたいな感じにしたのが良かったですね。


ASH:「THIS WORLD」のMVはグッと来ましたから。

N∀OKI:「THIS WORLD」と「響く都」は、暗闇の中にいた5年間、ずっとライブで育てた曲で。リリースしてないけど盛り上がってた。2010年にやっと音源化されることになったんだけど、言ってみれば、“ライブでやっているあの曲がようやく出た”みたいな感じもあったんじゃないかな。

ASH:ファンにとってはライブで馴染みもある、あのキラーチューンっていう立ち位置の曲ですから。

N∀OKI:そうそう。そこからバババッみたいな。そのときは36歳になる年やった。それまでの5年間はライブはやってたけど、リリースもないから地方を廻る意味もあまりなかったから。5年間報われなかったけど、2010年からはその反動じゃないけど、初リリースのバンドぐらいの勢いでライブやりまくって。

──ライブ4連ちゃんとか、普通にやってましたからね。

N∀OKI:やってたと思う。スーツじゃなくなったから、悪臭も放たないし(笑)、ライブ連ちゃんも問題ない。

ASH:そのころ名古屋のライブを観させてもらったんですけど、N∀OKIさんの圧が一層すごいことになってた。“鬼気迫るとはこのことだ”ってぐらい。一番後ろのPA席のところで観たんだけど、目の前で胸ぐら掴まれてるぐらいの迫力があって。“絶対に物販を買って帰ろう”って思ったくらいヤラレました。それが京都ミューズのライブを撮ったDVDで。1曲目の「THIS WORLD」では“気づけば36にもなった”って歌詞を変えてラップしてるんですよ。僕はすごい勇気をもらったというか。“これは一番エモーショナルロックじゃん”って、メチャクチャ食らった。

N∀OKI:“クソ、見てろよ”みたいな悔しさがずっとあったから。やっと普通のバンドマンの活動やツアーができるみたいな気持ちがすごかったから。4連ちゃんだろうが、ツアー行程が酷かろうが、ギブアップなんかしたくないし。歳のせいにしたくないし、年齢なんか自分の気持ちひとつやと思う。ほんと、バンド組み立ての感じで、1県1県制覇して絶対に掴んでやるって。報われない5年間は、ライブでしか自分らのことを伝えられなかったから、そこでだいぶ磨かれた。あの5年間は辛かったけど、その時期があったからこそROTTENGRAFFTYは育ったんかなと思う。

──ASHは去年、バンド=ASH DA HEROになったわけですが?

N∀OKI:バンド、大変やで〜(笑)。

ASH:ソロを始めるとき、バンドはあきらめたし、バンドごっこはやりたくないって思っていて。でも、バンドへの憧れやロマンはずっと持っていたんです。いつか、“コイツらと一緒に闘いたい”と思えるメンバーと出会えたら、バンドにしたいなって気持ちがあって。今、そういうメンバーと出会えたんで、ソロからバンドになったという感じなんです。よりブーストさせていきたいなと思ってますね。それに、ソロからロックバンドになったから、正式にバンドのシーンに対して「よろしく!」と言えると思ってて。今回の<GACHINKO>というイベントでは、自分のリスペクトしている大好きなバンドに正々堂々と果たし状を持っていきたかったから、ROTTENGRAFFTYに声を掛けさせていただきました。

N∀OKI:嬉しいです。頑張ります。

ASH:「ボコボコにしに行きます」って連絡をすでに某メンバーから受けてます(笑)。ボコボコに打ってくる10発20発に、全部カウンターを合わせにいきますんで。

──その某メンバーというのは、燃えたバンを買ってきた人ですか?

ASH:そうです(笑)。そうか、その日、俺らもバンを燃やそうかな(笑)。そこから始めてみようかな。

N∀OKI:そこは合わせなくて良いから(笑)。燃やすなら、せめてMVで撮影しないと、元がとれない(笑)。とりあえず対バンは、自分が一番いい状態で臨んで、お手てつないでじゃないけど、お互いに研磨し合って、いい感じになったら素晴らしいなと思う。あとは楽しんで、いい日やったなと思えれば。

ASH:<GACHINKO>の前に名古屋で対バンさせていただくイベントもあるんです。


N∀OKI:それにしても、嬉しいですね。ROTTENGRAFFTYのことを好きな人が、「対バンをぜひ」って言ってくれるのは。本当に長く続けてきて良かったと思う。

ASH:バンドマンにとって、すごく大きな背中を見せてくれるバンドだと思う、ROTTENGRAFFTYは。

N∀OKI:ツインボーカルのバンドもなかなかいないからね。

ASH:しかもツインボーカルの色が、二人とも違うじゃないですか。これはNOBUYAさんとの対談のときにも言ったんですけど、二人とも歌うし、二人ともシャウトもラップもする。でも性質がまったく違うんですよね。NOBUYA君のことは日本刀だと思っていて、N∀OKIさんはマシンガンだと思ってて。

N∀OKI:そうなん? 俺、ヌンチャク違うの(笑)。

ASH:いや、もっと飛距離あるでしょ(笑)。一番後ろで観てても、胸ぐら掴まれるくらいだから。

N∀OKI:全く違うというのが、ステージ上でおかしい雰囲気になった時期もあるけど、もうそういうことも超えたよね。一時期、客席の上手と下手で盛り上がりが全然違うこともあったから。上手はウワーッとなっているのに、下手は明らかに全体のグルーヴになってないこともあって。でも続けてきて、NOBUYAがあって俺が光るとか、俺があってNOBUYAが光るみたいな、全然違う性質が今の強味になっているかなと思うんですよね。

ASH:まさに。あの阿吽の呼吸は、場数だし経験だと思う。どっちかが前に出ていったとき、後ろからの援護射撃。それぞれが凄いなと思います。

N∀OKI:でも二人でひとつみたいに思われるのは“この野郎!”なんですよ。例えば俺は一人で『UMB』に出たり、一人でライブするときもあったり。一人でも成立するボーカルがROTTENGRAFFTYには二人おるぞ、って気持ちはずっとある。

ASH:強烈なボーカリストがバンドに二人いるって、対バンするとなったら、相当手ごわいですよ。でも楽しい日にしたい。出演者もオーディエンスも、“このライブを選んだ自分は最高! 間違いなかった”という日にするのが一番。

──ライブ中、いきなり電源落としてもいいですか? マイクはONにしておきますが。

ASH:あっ、ドラムのビートだけでフリースタイルラップですか? なるほど、さっきの話はそのフリになってたんですか(笑)。おもしろそうだから、ちょっとやりたいですけど。

N∀OKI:やめましょう(笑)。俺らは“うわー、次に出にくいライブしてくれたなー”と思わせるようなステージをやって、それに対してASHが“クソー、やったるぞ”っていいライブしてくれたら、それが最高です。

ASH:間違いないですね。でもロットン兄さんたちなんで、絶対に何か仕掛けてくると思います(笑)。

N∀OKI:それは俺じゃない、策士はNOBUYAやから(笑)。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎堅田ひとみ


■<ASH DA HERO presents「GACHINKO」>


【ASH DA HERO vs ROTTENGRAFFTY】
2021年4月22日(金) 東京・渋谷Spotify O-EAST
open17:00 / start18:00
出演:ASH DA HERO / ROTTENGRAFFTY / 桃色ドロシー(ゲストアクト)
▼チケット
一般発売:1月22日 10:00〜
各種プレイガイド



■ASH DA HERO3ヶ月連続新曲デジタルリリース

▼2月9日(水) 「Avengers」



▼3月2日(水) 「Remember」



▼4月6日(水) 「Just do it」


■<ROTTENGRAFFTY ”It's Alright Tour 2022”>

06月10日(金) KYOTO MUSE
open18:30 / start19:00 ※ワンマン
06月14日(火) 周南RISING HALL
open18:30 / start19:00
06月16日(木) 広島クラブクアトロ
open18:00 / start19:00
07月05日(火) 愛媛W studio RED
open18:30 / start19:00 ※ワンマン
07月07日(木) 高松festhalle
open18:00 / start19:00
07月12日(火) 心斎橋BIGCAT
open18:00 / start19:00
07月13日(水) 心斎橋BIGCAT
open18:00 / start19:00
08月02日(火) 仙台Rensa
open18:00 / start19:00
08月03日(水) 仙台Rensa
open18:00 / start19:00
08月05日(金) 盛岡Club Change WAVE
open18:30 / start19:00 ※ワンマン
08月15日(月) 新潟LOTS
open18:00 / start19:00
08月17日(水) 長野CLUB JUNK BOX
open18:30 / start19:00 ※ワンマン
08月18日(木) 金沢EIGHT HALL
open18:00 / start19:00
09月13日(火) 恵比寿リキッドルーム
open18:00 / start19:00
09月14日(水) 恵比寿リキッドルーム
open18:00 / start19:00
09月16日(金) 渋谷O-EAST
open18:00 / start19:00
10月06日(木) 京都KBSホール
open18:00 / start19:00
10月24日(月) 札幌PENNY LANE24
open18:00 / start19:00 ※ワンマン
10月25日(火) 札幌PENNY LANE24
open18:00 / start19:00
11月09日(水) 名古屋ダイアモンドホール
open18:00 / start19:00
11月10日(木) 名古屋ダイアモンドホール
open18:00 / start19:00
11月18日(金) 熊本B.9 V1
open18:00 / start19:00
11月20日(日) 長崎DRUM Be-7
open17:30 / start18:00
11月21日(月) 福岡DRUM LOGOS
open18:00 / start19:00
...and more
※表記の公演はワンマン公演、※表記なしについてはゲストありとなります
▼チケット
¥4,610(税込¥5,071)
※未就学児入場不可・ドリンク代別途必要


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