【インタビュー】ULTIMA GRACE、デビューアルバム完成「これが遺作になってもいい」

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(c)Hidemi Otsuka/Patric Ulleus

GALNERYUSやALHAMBRAで活動中のYUHKI(Key)と元NIGHTWISH、現THE DARK ELEMENT、etc、のシンガー、アネット・オルゾンによる新たなメタルバンド、ULTIMA GRACEが始動した。迎えたメンバーには、ALHAMBRAでお馴染みの梶原稔広(G)、原澤秀樹(Dr)に加え、GERARDの長谷川淳(B)という盟友ラインナップだ。

確かな技量だけでなく、メンバー個々の感性が表現されたデビューアルバム『ULTIMA GRACE(アルティマ・グレイス)』について、YUHKI、梶原、Hideki(原澤)、長谷川に話を聞いた。

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■ライブやらないと死ねないという目標ができた

──ここまで長かったですね。一番最初にこのバンドの話を伺ったのは4年くらい前でしたよ。

YUHKI:長かったですね~、楽器隊のレコーディングまでは順調だったんだけどね。

──ALHAMBRAも「英語歌詞の曲が聴きたい」との海外からの声が多かったですから、それが構想の元ですか?

YUHKI:ALHAMBRAのメンバーが僕を含めて3人いるわけですが、僕にとっては全く別の新しいバンドという気持ちです。まぁ、作ってる人間が同じだから比べられても仕方ないけれど、新たな気持ちで国内だけでなく海外も視野に入れて作りました。もうね、僕も人生そんなに長いわけじゃないし(笑)。

長谷川:それ、最近よく言うよね(笑)。

YUHKI:いや、本当に残りの人生、海外含めた広い範囲の人にも聴いて貰いたいし、英詞の作品もやりたかったしね。

──メンバーの選考はどのように?

YUHKI:ドラムについては、Hideki(原澤秀樹)と前々からずっと「何か一緒にやろう」と言っていたので、プリプロあたりからドラムは録り始めていました。それからHidekiに合う凄いベーシストを考えた時に、真っ先にあっちゃん(長谷川淳)が浮かんだんです。ALHAMBRAとGERARDは対バンも結構していたし、もう10年以上前の僕のソロアルバムにも参加して貰っていて、いつかフルで一緒にやりたいなと思っていたから。

長谷川:ですね、約束みたいなね。

YUHKI:素晴らしいリズム隊が快諾してくれて、ありがたかったですよ。

Hideki、長谷川:ありがとうございます。

YUHKI:梶原(梶原稔広)とあっちゃんとはゲーム関係の仕事も一緒にやっていて、ギターももう梶原しか居ないよなと。ALHAMBRAの時から僕の曲に凄く理解があって、このメンバーならと思いましたよ。


──アネットについては?

YUHKI:歌は英語が大前提だったので、最初は日本人で英語が堪能な方も考えました。僕の曲調のイメージで浮かぶのはまず女性ヴォーカリストで、実際「THE LOST」を作った時に潜在的にアネットの声が聴こえたんです。これ、作り話でも何でもなくて、色々と好きな声の方は居ますが、この時はアネットだったんです。そしたら、たまたまTHE DARK ELEMENTで来日するということでアネットと会ったんです。凄くタイムリーな出来事でね、その時にプリプロ的なものを聴いてもらって、「もし気に入ったら、歌って貰えないか?」と伝えて、数ヶ月後に返事がいただけました。

──曲作りはその頃から?

YUHKI:曲はその前から10曲近くはありました。それを、アネットに決まってから数曲入れ替えたんです。録り直したり、アネットのイメージで書き下ろしたものもあって、結局11曲になりましたね。

──数年経って、実際の作品は当初から変わりました?

YUHKI:それはもう、凄く良く変わりましたよ。ただ、当初から1曲1曲のイメージは大事に持っていたので、そこは最後まで根本的には変えたくなくて、それがきちんと保てたのは凄く嬉しいし、みんなの力によってバンドサウンドとして洋楽になったなと思っています。

Hideki:だいたいYUHKIさんがバンドサウンドのデモを作ってきて、そこに自分なりにフレーズ構築をするんですけど、YUHKIさんは結構、無茶なフレーズが多くて(笑)。でも意図がちゃんと見えてくる無茶なんですよ。それを自分のテクニックや持っているものと擦り合わせてYUHKIさんに提案する感じなんですね。それが楽しくて、ALHAMBRAに加入する前から尊敬していたYUHKIさんに喜んで貰えるフレーズを作ってやるぞ(笑)みたいな。そういう意気込みでドラムのアレンジはしました。

──今回もドラムは人間技ではなかったですものね。

YUHKI:もうね、変態だよ(笑)。無茶とか言うけど、僕は他の楽器が弾けるわけじゃないから「こんなイメージで」とは提案するけど、それを遥かに超えてくるからね。各メンバーにはイメージを土台に更に良くして欲しい願望があるので、それをみんながちゃんと叶えてくれたよね。

梶原:本当にデモの段階でかなり作り込まれているんです。完成度が高いので、最低限これは超えないといけないと言うね(笑)。更に、人間がやる意味というか自分がやる意味を見出して「多分、YUHKIさんはこういう事がやりたいのかな?」とかも考えながらね。

YUHKI:梶原の場合は、全てお任せしています。もうずっと長い間一緒にやっているし、彼から上がって来たものは全部バッチリでした。

長谷川:もう20年以上の付き合いでしょ?

梶原:10代後半くらいからですもんね。

YUHKI:言わなくてもわかってくれる安心感だね。昔から彼はギターが上手かったけど、イイ具合に熟成された味が出て来たし、本当に良いギター弾くよね。淳ちゃんも元々、昔からGERARDのライブを観ていて、凄まじいベースのグルーヴ感と変態度合いには度肝抜かれていたんです。

長谷川:僕も基本的にはデモの再現に加えて、自分なりのセンスもベースラインで考えますね。レコーディング時にディスカッションしながら、どちらかと言うとレコーディングというよりもライブをしているような感覚はありましたよ。生き生きとしたライブ感を入れたいし、難解なフレーズも多いのでどこまでできるかっていう(笑)。でも、ベースらしいノリの部分も入れたいし、ここぞの時のテクニカルな部分も出せたらいいかなと。

YUHKI:ライブ感は凄く大事にしたかったよ。音数が多いし複雑なパートもあるし、それが機械的にはしたくはなかったんです。やり方も昔ながらのドラムにマイクを立てて大きなスタジオで録ったし、ベースの生のグルーヴ感も、僕の作ったデモを完全にメンバーが自分たちのものに塗り替えてくれたよね。何度も鳥肌が立ったもんね。


──アネットの印象も良い意味でだいぶ違いましたよ、キーも高いですよね。

YUHKI:うん、実際、ほとんどの曲が普段、彼女が歌っているものよりもキーが高いです。ヴォーカリストが楽に歌える範囲ってあると思うんだけど、その音域の幅を作らないと、歌で盛り上がる部分を作るのは難しいなと長年の経験で思っているのね。だから、ずっと高いキーなわけではなくて、サビだったりの盛り上がる部分では、歌うのはキツいかもしれないけど、これがある事で歌が盛り上がるわけだから。

──そこは頑張れと言ったわけですか(笑)?

YUHKI:キーが高いって文句言われましたよ(笑)。「私が丁度良いキーで歌ったものを送るから、それで録り直して」と言われたけど、「いや、今のものがOKテイクだから、これで頑張ってやってみてよ」って。ただ、「どうしても物理的に無理な音域とかは、自分で変えても構わないから、それで曲のイメージが変わらないなら全然いいよ」って言ったの。一番キーが高いのは「REQUIEM」なんだけど、ファルセットを多用してくるのかなと思っていたら、アネットにも拘りがあってファルセットは使いたくないと。なので地声でチャレンジしてくれました。

──今回はメタルシンガーと言うより、ポップシンガーの印象でした。

YUHKI:ね、彼女は1980年代のポップスが似合う声だなと思っていた。今回はパワーメタルもバラードもあるけど、どういう風に歌うかなと興味も不安もあったけど、その曲に合わせた表現を彼女がしてくれて良かったですよ。

──アネットのレコーディングスタジオがAlyson Avenueスタジオという事で、ヴォーカル録りはニクラス・オルゾン(アネットの兄)が監修されたのですか?

YUHKI:僕もスタジオはクレジットを見て知ったんだけど、Alyson Avenueはアネットがお兄さんとやっている、懐かしい感じのポップサウンドバンドだよね。お兄さんのニクラスがエンジニアをやってくれたんだけど、曲を聴いてニクラスも「君たち、おかしいよね。これ本当に弾いているの?」って(笑)。

──そして作詞、作曲、コンポーザーとして全曲をYUHKIさんが手掛けたわけですが、作業はいかがでしたか?

YUHKI:曲はね「◯◯っぽく」みたいなのがなかったので自由に作れましたよ。実はHidekiの曲も1曲あったんです。キャッチーで凄く良い曲だったんだけれど、プロデューサーとの選考で今回は外れてしまったからまた別の機会に入れたい。メンバー全員、プレイヤーとしてだけでなく、曲全体を見渡せる人たちなんだよね。Hdekiにはまた曲も書いて貰いたいよ。

Hideki:はい、是非とも。

──英語歌詞は、たしか5年くらい前のALHAMBRAで初めて書きましたよね?凄い進化ですね。

YUHKI:そう、だけど今回は誤算だったんです。歌詞はヴォーカリストが書くものだと思い込んでいたんだけど、アネットは書かない人で、さぁどうする?となって(笑)。そこで曲作りの時にイメージの単語や、センテンスにしてメモっていたものがあったので、これを元に少しずつ書きましたよ。

──2曲共作しているジョエル(Joelle Metcalfe)はどういう方ですか?

YUHKI:ジョエルは元々の知り合いで、若いアメリカ人女性。英詞を見てもらって「ここはおかしいよ」と直してもらっては、今度はメロディへのハマりが悪かったりで、色々と意見を出し合ってやりました。彼女は仮歌も歌ってくれるので、それを聴きながら作業したり、やり取りは物凄く大変でしたよ。

長谷川:大変だったよねぇ。

YUHKI:歌詞もちゃんとした世界観を伝えたくてね。「POWERS OF NORTH AND EAST」はね、僕の中でイメージはあったけど、歌詞ができなかったの。彼女は若い世代でアニメやゲームを良く知っていて、勉強家で歴史も知っているので、極東の日本と北欧の人たちがパワーメタルをやっているイメージを伝えて書いて貰ったんです。「NIGHT HUNT」は難しい単語が多くて、「これは何をベースに書いたの?」と聞いたら、ヨーロッパでは"Wild Hunt"という誰しも知っている伝承があるらしく、それを元に書いてくれているんです。


──そして、アルバムは幻想的に始まりますね。

Hideki:「A LEGEND BEGINS」のオーケストラ調のスネアフレーズは、スネアを別にしてマーチングっぽくしましたね。

YUHKI:そう、曲ごとに音色やスネアを変えて細かい事をやっているよね。スネアのロールの音は何度もやっていたもんね。一音一音をハッキリと出すって難しいんだね。

Hideki:意外と難しくて苦戦しましたよ。

YUHKI:ライブでやりたいって曲があるじゃない?「POWERS OF NORTH AND EAST」や「BEGUILE BY NIGHT」とか、みんなで手拍子したいしお客さんが見えるようなイメージで作ったものが多いので、この曲はみんなでコーラスして始まりたいよねって思いで作りました。

──「GETTING ON WITH LIFE」のシンフォニック調の頭部分は、期待通りでしたよ。

YUHKI:これはね、通常ならドカンと入るパターンなんだけど、歳とともに一呼吸が欲しくなってね(笑)。頭のシンフォニックのコーラス部分は、実は元々はサビのコーラス部分で、最後の作業で頭に持ってくるアレンジに変えたんですよ。

長谷川:うん、デモの段階ではドカンで始まる曲でしたよね。

YUHKI:初っ端から、これが「ULTIMA GRACEです」というメンバー紹介みたいな曲ですね。

梶原:聴きやすい、馴染みやすい、そして大人になった、でもやってる事は大変でした(笑)。

YUHKI:ALHAMBRAでも、曲でメンバー全員をフィーチャーするものはあったんだけど、その尺が長かったのね。だから大作でもない普通の曲でもみんな6分、7分超えになっちゃうの。それがある意味しんどくて、だから今回は全体的にコンパクトにして、短い中でそれぞれを表現してもらう感じ。なので今回は5分台の曲が多くなりました。

長谷川:でも難易度は詰まっているわけで、大変なのは一緒なんです(笑)。

──「CRY FOR THE RAIN」は、小野さん(GALNERYUS)が歌っても合いそうです。

YUHKI:これ明かしてしまうと、実はALHAMBRAでやろうと思っていた曲なんです。「水晶の雨」という曲がパート1、パート2とあるんだけど、これパート3として作ったの。それも日本語で詞先で作ったものだったし、今回は外そうと思っていたんだけど、プロデューサーの久武さんから「これはもったいない、やりましょう」となって。という事は、英語歌詞を付けなきゃいけなくて上手く乗るようにメロディも変えて。だからこれは僕としては、日本語の曲を外国人が逆カヴァーしているようにも聴こえますね。

Hideki:「POWERS OF NORTH AND EAST」は、シンプルだけどありそうでないリフですよね。

YUHKI:戦車が疾走しているビートを出したくて、それってテンポが大事で、遅過ぎず早過ぎず、ドラムのキックとベースで戦車のバキバキ感を出したかったんですよ。

長谷川:うん、音を刻むのが大事で、ツーバスがドコドコしているとベースのアタックはかき消されてしまうので、刻みを合わせたり、気合いを入れてやらないとこの感じは出なかったですね。

YUHKI:ピックだと出せてもあっちゃんは指弾きだしね。

長谷川:力のバランス、テンポ感が大事ですね。

──中盤のAOR曲がまた最高ですよ。

YUHKI:まぁ「BEGUILE BY NIGHT」なんて、普通のメタルバンドならあり得ない曲だよね。僕の中では1980年代アメリカンポップスな感じ。だけど、歪んだギターも入るしツーバスビートもあるしね。横ノリが重要で、チャレンジでしたけどね。

長谷川:イイですよねぇ、絶妙ですよね。僕はミュートの呼吸感も入れました。

YUHKI:こういうのはグルーヴがないとね。あっちゃんのおかげでみんなの音が踊れるんですよ。そうだ、後から気付いたけど「RIPPLES」にはギターソロがないんだよね。ここまでシンプルなバラードは今まで作れていたようで作れていなかった。間奏もあるんだけど、ギターソロの必要性を感じなくて、TOTOっぽい感じでもあるかな。ピアノのフレージングを活かそうと思いましたね。

梶原:YUHKIさんの普段にはない一面のプレイでしたね。

YUHKI:無理矢理やっているんだよ(笑)。メタルだけではなく、AORやジャズっぽいコードを使える音ってピアノくらいしかなくて。明るいメロハーの「RISE」は、ポップだし本来なら5分くらいで終わる予定だったけど、実はインストパートが一番長い曲なんです。これには理由があって、“再生”や“再スタート”、“上昇したい”気持ちを表現している曲で、そこに至るにはやっぱり紆余曲折があるわけじゃない?「ポップで明るいね、ハッピーだね」だけで終わるのは違うわけで、紆余曲折を演奏で表現したかったものなんです。


──ギターについての試みは何かありましたか?

梶原:ギターのチューニングはレギュラーと一音下げを使っていますが、「NIGHT HUNT」は一音下げの曲になっています。

YUHKI:僕のバンドは基本レギュラーチューニングで、半音下げではないんです。曲によって一音下げて重さを出す事はありますね。「NIGHT HUNT」はアネットをドンピシャで狙った曲で、ゆっくりドッシリとした感じになったね。ベースは5弦だからどこまでも下げられるし(笑)。ギターの重いリフを活かしたくて曲のキーを考えました。勢いで作った「DOUBLE CAUTION」は当初はボーナストラックの予定だったけど、全員の勢いが一番出ている曲になって逆に良かったね。ところでこれ、ドラムおかしいよね?

Hideki:これはYUHKIさんの曲の中でもかなり速い曲で珍しいなと。2拍で9連入れるとか色々やりました(笑)。ドラムの場合、プレイしたデータをトリガー(信号)として、そこに迫力のある大きな音を貼ってサウンドを完成させる手法があるんですけど、YUHKIさんはそれは邪道だと言うので(笑)、ツーバスの連打とか速くても音圧を損ねないようにちゃんと踏むように心がけて大変でした。

YUHKI:それはHidekiが勝手に大変にしているんだよ(笑)。

Hideki:この曲、一言で言ったら修行でしたよ(笑)。

YUHKI:僕はね、そこまでは求めてはいないんだよ(笑)。ただ、Hidekiは本当に修行僧みたいなところがあるよ。2拍で9連って普通ではありえないけど、録った後に波形を拡大して「あ、ちゃんと9コあるな」って確認していたよね、頭おかしいなって(笑)。

Hideki:本当に楽しいレコーディングでしたね。

梶原:やり甲斐もプレッシャーもありましたね。デモから人の作業が入って、それにまた触発されて。

YUHKI:メンバー全員が触発されるからね、僕も気合いが入りましたよ。

──音質も素晴らしいので、音作りにこだわったわけですね。

YUHKI:今の技術はサンプラーのドラム音源とかも凄いよね。普通に聴いたら生と違いもわからないくらいクオリティは高いしギターもラインで録れてしまう。デモはそれで作るし、そういう音作りの時代になってしまっているわけだけれど、僕はそれが凄く嫌なんです。コーラスもシンセでクワイヤーも出来るけど、でも空気感とか人の声とは明らかに違う。張り付くような音はマイク録りしないと出ない…そこに拘りました。「LOST」はその最たるものになっていますね。逆に若い人たちは生の楽器の音に違和感があったりするのかな?

長谷川:どうなんですかね?

Hideki:うーん、最近は圧縮音源にも慣れては来ましたけど、父親がLPレコードマニアでアナログな音に慣れて育ったのでmp3にはなかなか慣れませんでした。音が四角に聴こえてしまって(笑)。でも圧縮音源に慣れている方には、アナログな音はもしかしたらチープに聴こえるかもしれないですね。

YUHKI:Hidekiは参考にならない若者だった(笑)。だから一緒にできるんだけど。

──昔ながらの音…スコーピオンズのニューアルバムのように、ですよね。

YUHKI:でしょう?スコーピオンズやホワイトスネイクのように。

梶原:温度感のある温かみがありますよね。自分も生の音が好きですし、どうせやるなら良い音に拘りたいです。

長谷川:うん、大事なところですよ。


──たくさんの方に聴いてもらって、ライブもできるといいですね。

YUHKI:ライブやらないと死ねないという目標ができましたよ(笑)。

Hideki:制作途中にYUHKIさんが「これが遺作になってもいい」くらいの事を言っていて。そんな作品に自分が携われた事が本当に光栄ですね。YUHKIさんの魂の籠ったこの作品をたくさんの方に聴いてもらいたいですね。

梶原:遺作の話があったけど、本当に自分の全部を出して作りましたし、知っているメンバーではあれど、新鮮な気持ちでした。音色含めて皆さんに届くといいな。

長谷川:やっとYUHKIさんとちゃんとしたものが作れて嬉しいですし、ベースも結構美味しい部分があるので色々な発見をしてみて欲しい。ライブができたら最高ですね。

YUHKI:自分がやりたいと思ったのが始まりではあっても、自分ひとりでは何もできないわけですよ。そこでメンバーやプロデューサーの久武さん、スタッフ、ディレクター等が尽力してくれて形になりました。関わってくれた人たちの全力の形が『ULTIMA GRACE』なんです。アネットも何度も曲を聴いてどう表現したらいいのかを考えてくれた。感謝しかないです。遺作でもいいです(笑)。

取材・文◎Sweeet Rock / Aki
写真◎Hidemi Otsuka

ULTIMA GRACE 『ULTIMA GRACE』

2022年3月16日発売
KICS-4045 3,300円(税込)
1.A Legend Begins
2.Getting On With Life
3.Cry For The Rain
4.Powers Of North And East
5.Beguile By Night
6.Ripples
7.Rise
8.Night Hunt
9.Double Caution
10.The Lost
11.Requiem

[レコーディング・メンバー]
YUHKI(Key)
Anette Olzon(Vo)
梶原稔広(G)
原澤秀樹(Dr)
長谷川 淳(B)

◆ULTIMA GRACE オフィシャルTwitter
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