エイドリアン・ヤングとATCQのアリによる“Jazz Is Dead”、第2シーズン開始

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プロデューサー、マルチ・ミュージシャンとして60〜70年代のソウルやジャズを新たな視点で現代に甦らす鬼才エイドリアン・ヤングと、ア・トライブ・コールド・クエストのメンバーとして90年代以降のヒップホップシーンに多大な影響を与えたアリ・シャヒード・ムハンマドによるプロジェクト“Jazz Is Dead”の第2シーズンがついにスタートする。

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偉大なる先人達と繰り広げた濃密なライヴ・イベント<Jazz Is Dead>を発端に現代における“ジャズ”をあらゆる角度から切り崩し再構築していくこの新たな試みは、ジャズファンはもちろんのことヒップホップ、レア・グルーヴなどジャンルやカテゴリー、そして世代をも超越したリスナーを惹きつけるサウンドと言える。

ロイ・エアーズ、ゲイリー・バーツといったジャズ〜ジャズ・ファンクのレジェンド奏者達やアジムス、マルコス・ヴァーリらブラジル音楽シーンの重鎮らと繰り広げられた第1シーズンでのコラボレーションに続き、第2シーズンではコズミックなジャズ・ファンク〜フュージョンの先駆者である鍵盤奏者ロニー・リストン・スミスを皮切りに、伝説的なブラック・ジャズ・レーベル“Tribe”の創始者であるフィル・ラネリン、ウェンデル・ハリソンとの競演、さらにはフェラ・クティの右腕としてアフロビートを創造したドラム奏者トニー・アレン生前のレコーディングなど、ボーダレスにさらなる深化を遂げたコラボレーションを展開する。


Jazz Is Dead開幕を告げる鐘となるのは、前回と同じく、セカンド・シリーズでリリースが予定されているアルバムから1曲ずつを収録したコンピレーション。今回のラインナップには、コズミックなジャズ・ファンク〜フュージョンの先駆者であるロニー・リストン・スミスを皮切りに、Black Jazzからのリーダー作や、同レーベルの数々の名盤で印象的な演奏を残したベーシストのヘンリー・フランクリン、同じくBlack Jazzを代表する歌姫にして、ファースト・シリーズでもアルバムをリリースしたダグ・カーンの奥方であったジーン・カーン、さらには伝説的なブラック・ジャズ・レーベルTribeの創始者であるフィル・ラネリン、ウェンデル・ハリソンまでもが登場。これだけでも、レア・グルーヴ〜ブラック・ジャズの好事家たちにとっては夢のような企画ながら、ジャンルや世代を越境したコラボレーションをその魅力とするJazz Is Deadらしく、2020年に惜しくも亡くなった、フェラ・クティの右腕としてアフロビートを創造したトニー・アレンや、1973年に名門Impulse!に唯一残したアルバム『En Medio』がラテン/チカーノ・ジャズの傑作としてLA界隈で今なお語り継がれるギャレット(ゲイリー)・サラチョもそのラインナップに名を連ねる。

そして、もしかしたらセカンド・シリーズにおけるダークホース、最大の聴きどころになるかもしれないのは現行LAジャズ・シーン注目のコレクティヴ、カタリストとのコラボレーション。これまでのリリースでも、カタリストのドラマー、グレッグ・ポールが随所でプレイしていたため、気心知れた関係故に他の大御所陣との作品とは一味違うサウンドに乞うご期待。前回同様、最後にはエイドリアンとアリのユニット、ザ・ミッドナイト・アワーによる新曲も収録。


『JAZZ IS DEAD 011』

【CD】
2022.6.29
¥3,300(税抜 ¥3,000) PCD-17842
輸入盤国内流通仕様/帯・日本語解説付
【LP】
2022.11.23
¥6,600(税抜 ¥6,000) PLP-7844/5
輸入盤国内流通仕様/帯付き

■Tracklis
1.The Griot feat.Henry Franklin
2.Love Brings Happiness feat.Lonnie Liston Smith and Loren Oden
3.El Cambio Es Neccesario feat.Garrett Saracho
4.The Avenues feat.Katalyst
5.Come As You Are feat.Jean Carne
6.Ebun feat.Tony Allen
7.Running With The Tribe feat.Phil Ranelin and Wendell Harrison
8.Phoenix feat.The Midnight Hour
*LP収録曲 SIDE A:M1-M2 / SIDE B:M3-M4 / SIDE C:M5-M6 / SIDE D:M7-M8


第一弾のコンピレーション『JAZZ IS DEAD 011』で狼煙を上げ、いよいよ本始動と言える今作はBlack Jazzを代表する歌姫、ジーン・カーンだ。

Jazz Is Deadのファースト・シリーズの5作目にて登場したダグ・カーンの奥方でもあったジーン・カーン。70年代前半のBlack Jazz時代には、ダグ・カーンのスピリチュアル〜ブラック・ジャズの名盤『Spirit Of The New Land』、『Revelation』の二作にて、「featuring the voice of Jean Carn」という表記で文字通りヴォーカリストとして参加。その後、フィリー・ソウルの総本山Philadelphia Internationalに移籍し、ギャンブル&ハフやデクスター・ワンゼルのプロデュースの元、あのラリー・レヴァンがヘヴィ・プレイした「Free Love」や「Was That All It Was」など数々のガラージ・クラシックを収録したディスコ・クラシック・アルバムを3枚吹き込み、ジャズ・ファンだけでなくソウル〜ディスコ界隈からも支持の厚いアーティストだ。

今回、ザ・ミッドナイト・アワー(エイドリアン・ヤング&アリ・シャヒード・ムハンマド)のバックアップの元で送り出す久しぶりのソロ・アルバムは「People Of The Sun」、「The Summertime」といった曲名にも表れているように、暖かく、陽気なムードの楽曲を中心とした内容に。思わず惚けるメロウなソウルと、否が応でも踊り出したくなるグルーヴィーなジャズが等しく配合された極上のバッキング・トラックの上で、とても齢75とは思えない衰え知らずのきめ細かなヴォーカルを披露するジーン・カーン。70年代のソウル・ジャズ系のレア・グルーヴ・アルバムにひっそりと収録されていそうな「People Of The Sun」、ジャズ・ヴォーカリストとしての本領を発揮する「My Mystic Life」、ネオ・ソウル調のお洒落な「The Summertime」、これから踊れるジャズ系DJのレコード・バッグの常連になりそうな緩急の効いた「Black Love」と、繰り返しになるが、70代とは思えない歌声の力強さ、表現力にはただただ驚くばかり。ザ・ミッドナイト・アワーの二人の音楽の懐の広さも堪能できる、また素晴らしいアルバムが誕生したと言えるだろう。


『JEAN CARNE(JAZZ IS DEAD 012) 』

【CD】
2022.6.15
¥3,300(税抜 ¥3,000) PCD-17843
輸入盤国内流通仕様/帯・日本語解説付
【LP】
2022.7.27
¥4,950(税抜 ¥4,500) PLP-7862
輸入盤国内流通仕様/帯付き

■Track List
1.Come As You Are
2.People Of The Sun
3.Visions
4.My Mystic Life
5.The Summertime
6.Black Rainbows
7.Black Love
*LP収録曲 SIDE A:M1-M4 / SIDE B:M5-M7

◆Jazz Is Dead オフィシャルサイト
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