【鼎談】花村想太&Lil' Fang&梶原岳人、アーティト/シンガーとしてのそれぞれの在り方

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TVアニメ『オリエント』第2クール淡路島激闘編が7月11日より放送開始となる。そのオープニングテーマ「Break it down」を歌うのはDa-iCE・花村想太&FAKY・Lil' Fang。2人の共通点でもある“パワフルなハイトーンボイス”がたっぷり味わえる一曲だ。

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そしてエンディングテーマ「色違いの糸束」を歌うのは、梶原岳人。尼子勝巳役として作品に出演しているから彼だからこそ、作品に寄り添った表現も楽しめる。いずれも素晴らしい楽曲だが、それぞれどう向き合って制作をしてきたのだろうか。お互いから刺激を受けることもあったという3人に、語ってもらった。

(以下、TVアニメ『オリエント』第2クール淡路島激闘編 ネタバレを含む可能性があります)

   ◆   ◆   ◆

■Lil’はいろんなテクニックを使って表現してくれました(花村想太)
■歌を始めて10年以上経ちますが、1曲に対しての練習量はその中で一番だったかも(Lil' Fang)


──まず「Break it down」は、花村さんとLil' Fangさんが初めてタッグを組んでの楽曲です。どういった心境でしたか?

Lil' Fang:原作が大好きなので、『オリエント』に携わることができるというところでまずめちゃくちゃテンションが上がりました。そして私、想太さんのことをこの世の男性シンガーの中で一番うまいと思っていて。

花村想太(以下、花村):いやいやいや! 嘘つけよ(笑)!

Lil' Fang:これはマジです。うちのスタッフには結構言ってるんです(笑)! めっちゃ尊敬している先輩と一緒に歌えるのは嬉しくもあり、想太さんが死ぬほど難しい曲を作ってくださったので大プレッシャーでもありました。でも、FAKYではできない楽曲だったので、楽しかったですね。

花村:僕は、Lil'と一緒にやらせていただくと聞いた時にまず思ったのが「限界なくいけるな」。違うシンガーの方だったら「トップの音を気にしなきゃな」とか、「このメロディラインはちょっと難しいかもね」とか考えながら作るんですけど、Lil'だったらそんなことを気にせずに作れる。でもね、ほぼ初めて男女が歌う曲を作ったんですけど、歌うラインを考えるのが難しかったんです。メインをどっちにするのか、ハモリはどうするのか、両方がメインに聴こえるようなパワフルな曲にしたほうがいいのか……とか、色々考えなきゃいけないなって。

▲花村想太

──曲を拝聴すると、お二人とも声が似てると感じました。

花村:このキーをこの太さで歌いたいってなると、まずその声が出る声帯を持ってるかどうかがあって、Lil'は持っているシンガー。さらに声の太さをキープするために当てる音のポジションが限られてくるんですよね。なので、どうしても声が似てくるんです。

梶原岳人(以下、梶原):なるほど。そうなのかぁ。

花村:そうなんですよ。ただ、デモを聴いてパワー感を汲み取ってもらえないと似ることがないというか。僕が歌ったデモは、男声で高いところも歌っていたのでもうちょっと声が細いんですよね。Lil'はそこをうまい具合に汲み取ってくれました。

梶原:似せることができる人が限られているということなんですね。

Lil' Fang:歌を始めて10年以上経ちますが、1曲に対しての練習量はその中で一番だったかもしれません。めちゃくちゃ難しいんです。

花村:でも、この曲難しく聴こえなくないですか?

▲Lil' Fang

──花村さんとLil'さんの歌唱力が化け物級ということもありますが、初めて聴いた時はたしかにそう思ったかもしれません。

花村:ですよね(笑)。でも歌ってみると、めちゃくちゃ高くて出ないんですよね。

Lil' Fang:それと想太さんの譜割りというか、言葉のハメ方がすっごく難しいんです!

花村:ちょっと独特なんですよ。僕、リズム遊びが好きで、裏拍とか休符とか言葉を詰めるところとかがすごく入り乱れていて。普通に歌うとのぺっとしちゃう曲なんですが、Lil’はいろんなテクニックを使って表現してくれました。よりリズムが強調されてめちゃくちゃ良かったです。



──Lil'さんが一番難しいと感じたのはどのパートですか?

Lil' Fang:(食い気味に)全部です! でも、強いて言えば“矛と盾 互いで担えば alright”の部分はめちゃくちゃ難しかったですね。レコーディングで想太さんにディレクションしていただいたんですが、想太さんにしかできない声の出し方があって。想太さんの歌い方じゃないと、こういうリズムに聴こえないっていうのがあるんですね。それを自分の声でどうアプローチしていくのかっていうのは楽しくもあり、難しくもあり……。

花村:たしかにここは難しい。「ほーこーとーたーてー」ってフラットに歌うよりも、「ほっこっとったって」ってスタッカート気味に開いて閉じて、開いて閉じてって歌う方向性なんですよね。すると、急に曲が立体感を増すんです。それをLil'はキレイにやってくれましたね。最悪、レコーディング後に現代の技術を使って調整しようかと思っていたんですが、そんなこと一切しなくても良かった(笑)。

梶原:花村さんはご自身で作られているから、難しいっていうのはないんですよね?

▲梶原岳人

花村:いや、それがあるんですよ(笑)。例えば、“let's take it 打たれ強くなきゃかわせない trouble”の部分なんかはそうですね。途中で三連符を入れるのが個人的にオシャレだと思って作って。で、作曲段階だとハナモゲラ語で歌うんです。

梶原:ハナモゲラ語?

花村:ハナモゲラ語って英語でもないし、韓国語でもないし、日本語でもない言葉で「◎△$♪×¥●&%#?!~~~♪」って感じのデタラメな言葉。なので、勝手に音にハマるんです。でも日本語にするとめちゃくちゃ難しい。上手くメロディにハメるには、日本語をめちゃくちゃ早く言わなきゃいけないっていうことに後から気付きました。ちょっと後悔するっていう……。

梶原:あはは(笑)!

花村:しかも“let's take it 打たれ強くなきゃかわせない trouble”の方はまだ歌い慣れていたんですけど、Lil'が書いてくれた2番の“逃げ場塞いだら打ち砕け trouble”の方は譜割りがすごく難しくて。レコーディングで5回くらい噛みました。「すいません!」って何回も録り直して。

◆インタビュー(2)へ
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