【インタビュー Vol.2】ASH DA HERO、5人の音楽履歴書「誰一人欠けてもこのサウンドは成立しない」

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■バックボーンはアティテュードに反映されていく
■それぞれのスタイルにお互いが惹かれ合った

──Satoは?

Sato:きっかけは輝樹です。

ASH:哲也パターン(笑)?

Sato:いや、同級生。

──どっちにしろ、身内みたいなもんでしょ。

Sato:普段の輝樹はヤンキーなんですよ。でも同じ塾に通っていて。

ASH:ヤンキーなのに塾(笑)。


▲Sato (B)

Sato:そうそう(笑)。あるとき一緒に塾をさぼって、輝樹の子分の小西ってヤツの家に遊びに行ったら、ベースとガットギターがあって。輝樹が目の前でベースを弾いて見せてくれたんですね。それが初めてベースの音を生で聴いた瞬間で、“ウワッ、これや!”と。当時は友達同士、電動銃で撃ち合いする遊びをよくやってたんですけど、持っていた銃を全部売って、ベースの初心者セットを速攻で買いに行ったんです。そこからギターを弾いてた友達からロックバンドをいろいろ教えてもらって。ハードなバンドを教えてくれる中で、GLAYのJIROさんはファッショナブルだったから、“こういう感じの方もロックのベーシストなんだ!”って親近感が沸いたんです。大げさに言うなら、素肌に革ジャンとか着なくてもロックやっていいんだなって。

──となると、GLAYのJIROに憧れて?

Sato:最初の憧れが、友人の輝樹からJIROさんに変わったんですよ。そこからJIROさんが聴いていた音楽を辿っていく中で、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスとか、クラッシュとかも知って。結果、ビートロックとメロディックパンクは自分にフィットしましたね。ハードで重厚な音楽も好きだけど、歌モノの伴奏が一番好き。それはASH DA HEROのベーシストとして一年経って、再認識しているところです。


▲Dhalsim (DJ)

──それから問題はDhalsimですよ。もともと違う楽器をやっていて、その後、DJという経歴でしょ?

Dhalsim:でも、DJセットは高校1年のときに買っているんですよ。ヒップホップは不良が聴くものだと思っていたけど、中学の友達から教えてもらったRIP SLYMEを聴いていて、めちゃくちゃ衝撃受けたんです。マイクを握ってラッパーになりたいなって。でもラッパーは自分には無理で、それでもヒップホップは好きだってなったときに、ラッパーの後ろにDJがいるぞと。

──そこでDJがDhalsimの中で存在感を増すわけですね。

Dhalsim:最初は、レコードをチュクチュクやるだけなら自分にもできそうだと思ったくらいですけどね(笑)。で、小遣いやお年玉を貯めて、高校1年の秋に11万ぐらいでDJセットを買ったんです。ひたすら家で練習しましたよ。一番影響を受けたのは、BENNIE KというユニットでやっていたDJ HI-KICK。基本的にはJ-RAPから入ったんで、欧米のヒップホップは聴いてなかったんですけど、掘り下げていったら、アメリカのヒップホップもめちゃカッコいいってなったんです。


▲ASH (Vo)

──ともかくメンバーそれぞれ様々なルーツを持っていて、これまでいろいろな音楽活動をしてきたわけじゃないですか。そしてASHからの熱いラブコールで、バンドとして始動したのが2021年。なぜ、これだけバラバラなバックボーンを持つ5人がひとつになったのかと?

ASH:それぞれが今話したようなバックボーンやバイオグラフィを語り合うようなことはこれまでそんなになかったんですよ。けど、そうしたバックボーンはサウンドなり立ち姿なりに出るわけで、その人のアティテュードに反映されていく。結果、それぞれのスタイルやアティテュードに、お互いが惹かれ合っていったんだと思う。でね、なぜこの5人が集まったのか? その理由を明確に説明するのは難しくて、導かれたと言うしかないんですよ。ちょっとロマンチックな言葉を使うと、運命を感じざるを得ないんですよね。

──ASHを中心として集まったとはいえ、5人それぞれが惹かれ合っているという。

ASH:今からちょうど一年前なんですよ、この5人ががん首揃えて集まったのは。それぞれの人生において、それぞれが主人公じゃないですか。その主人公たちが、人生という名のストーリーを歩んでいった先に、5人が交わるクロスポイントがあって、そこに僕らが辿り着いた。揃ってしまったねって。何かが始まりそうだねって。そういうことですよ。説明のできない運命的な出会いを感じざるを得ない。だからこそ、たぶんこの5人でASH DA HEROというバンドになったんだと思う。

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