【インタビュー】HAZUKI (lynch.)、1stソロアルバムに挑戦と発見「制約は一切なし。アイデアに対して遠慮はしない」

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■いつもはRECまで歌詞を書かないけど
■興奮しすぎて、すぐ歌詞書いて仮歌入れて

──インスト曲「EGOIZM」からアルバムの幕が開いて、実質的な1曲目はソロプロジェクト始動の曲でもある「XANADU」です。これは時系列的にも最初にできた曲ですか?

HAZUKI:いや、最初のほうに作った曲は結構ボツになっちゃってて。最初にできて、今でも生きているのは「LIGHT」です。その次に「XANADU」かな。

──バラードから形になったというのは意外です。「LIGHT」は新しい質感のミディアムチューンに仕上がってますが。

HAZUKI: PABLOくんのアレンジで化けましたね、本当に。最初はもっとバンドっぽい感じだったんですけど、僕の中でサーティー・セカンズ・トゥー・マーズ(30STM)みたいな音にしたいというイメージがあったんですよ。で、PABLOくんが「アレンジやろうか」って言ってきてくれた時に、最初に「LIGHT」をお願いしたんですね、自分では30STMみたいなアレンジのやり方がわからなかったので。そうしたら、その空気を纏って返ってきたんで、“すごい!”と思いましたね。

──PABLOさんは、HAZUKIソロ始動の第一歩目から参加してたんですね。

HAZUKI:むしろ、そこからまともにソロが動き出した感じです。たとえば僕が“いろんな楽器を入れたい”と思っても、全パートを自分でアレンジしきれないから。“誰かいないかなー”と思ってたところ、PABLOくんが名乗りを上げてくれたので。



──「LIGHT」ができて、ちょっとヘヴィな「XANADU」も生まれてきたという順番?

HAZUKI:「XANADU」、ヘヴィかなぁ?

──たしかに。「LIGHT」の音像からのギャップという意味でして。「XANADU」はヘヴィと一口では括れないです。

HAZUKI:うん。「XANADU」はlynch.に比べると信じられないぐらいチューニングが高かったんですよ、レギュラーチューニングでした。結果、1音下げチューニングに落ち着いたんですけど、そこに辿り着くまでの過程では半音下げも試したし。普通のレギュラーチューニングでも難なく作れる曲という点では、その時点ですごく斬新でした。

──「XANADU」のメインリフはPABLOさんのギターサウンドとしても新鮮で。

HAZUKI:ああ、「XANADU」のギターリフは僕なんです。一番最初のフレーズは僕で、ブリッジのテーマフレーズとかサビのバッキングとかはPABLOくん。PABLOくんが全部弾くかなと思ってたんですけど、「最初のフレーズは、ヴィブラートの感じとか俺が弾いてもたぶんHAZUKIはOK出さないと思うから」と言ってくれて。

──音色にもニュアンスにも味のあるリフはPABLOさんではなく、HAZUKIさんのテイクなんですね。他の曲でもあの音色に近いギターフレーズが入っている曲がありますよね。そこもHAZUKIさんが弾いているということですか?

HAZUKI:そう。今回、全体的に僕のギターの比率はかなり多いです。「XANADU」「HEROIN(E)」「ROMANCE」「+ULTRA」「BABY, I HATE U.」は僕のギターが入ってます。逆に、「AM I A LØSER?」は往年のラウドロックなリフで、あれをPABLOくんが弾いた時は引っくり返りましたね、“本物だ!”って(笑)。“使ったアンプが一緒でも、弾き手が違うだけでこうも音が変わるのか!?”って思いました。



──そういう意味でもHAZUKIさんとPABLOさんのふたりのギターサウンドが楽しめるという。ミュージックビデオが公開された「七夕乃雷 -Shichiseki no rai-」は、煌びやかなシンセのアレンジや、打ち込みのドラムサウンド、ファンクを連想させるベースフレーズなど、ソロならではの新しさを象徴する曲になっていますが、アレンジはどういうふうに進めたんですか?

HAZUKI:僕のデモ段階で、メロディー、メインとなるうわもの、スラップベースも全部入っていたんです。PABLOくんにギターをお願いする際、「アジアの香りがするような、チャイニーズな感じにしたい」って伝えたら、そういうテイストのギターを盛り込んでくれました。

──多種多様な音の重なりも含めてアジアっぽいです。

HAZUKI:最終的なレコーディング前には、PABLOくんとふたりで「もう好きなものを全部入れよう」みたいな話になって。銅鑼をバーンと鳴らしたり、ゲームみたいな音も入れたり…闇鍋みたいになってますね(笑)。この曲はデモができた瞬間からずっと興奮してて。興奮しすぎて、いつもはレコーディングに入るギリギリまで歌詞を書かないんですけど、その場で歌詞書いて、すぐ仮歌を入れて。熱量の高いままずっと進んで、迷いなくリード曲になりました。

──先ほどおっしゃってたソロとしての「制約は一切なし」が詰まっているわけですね。

HAZUKI:はい。ミュージックビデオで、さらなるとどめを刺そうと思ってますから。ダンサーさんは絶対入れたいと思ってたし、好きなことやってるなっていうのが伝わる気がします。


──うわもののアレンジで言えば、冒頭で例に挙げていただいた「ROMANCE」のホーンも印象的です。

HAZUKI:メインのフレーズは、実は僕が10代の時にやっていたベリィというバンドでも使っていたんですよ。その時はギターで弾いてたんですけど、今やるなら絶対ギターじゃねえなって。ホーンを入れたのは、『奏艶』の時にやってみてカッコよかったことと、ロックに絶対合うと思ってたので、あえて今回取り入れたという感じ。ライヴでは、まずは同期でやるしかないかもしれないけど、大事なライヴとかでは生のホーンセクションを入れてやりたいですね。

──ジャジーなメロディとか曲調は今までもありましたけど、ホーンの華やかさもHAZUKIさんの声に合ってます。

HAZUKI:まあ、エロい系は得意分野だと思うので(笑)。より引き立ててくれるなぁと思いました。


──アルバム後半の「+ULTRA」「BABY, I HATE U.」あたりのアグレッシヴな感じにはlynch.っぽさもあります。

HAZUKI:たしかに「+ULTRA」はlynch.でもできるなって僕も思うんですけど、作った時にもともとイメージしてたのはボカロ曲なんですよ。

──ボカロ曲ですか。サビ前の高速ハイハットとピアノアレンジとか拍の食い方とかにも、そういうテイストを感じさせます。

HAZUKI:ボカロ曲は好きで結構聴くんですけど、作ってみたら意外と自分っぽく普通になって、“あれ?”みたいな(笑)。だから、最初の意識としてはlynch.と明確に違ったんですね。「BABY, I HATE U.」と「CYGNUS」は、ライヴをやるなかで“こういう曲がセットリストのここにあったらいいな”と思ったことから作った曲なんです。

──なるほど、「BABY, I HATE U.」はライヴで思いっ切りヘドバンできそうです。

HAZUKI:そうそう。ヘドバンできる速いビートの曲がなかったんですよ。ツアーでは本編最後のほうでlynch.の「PHOENIX」をやってたんですけど、そのポジションに置けるオリジナル曲がほしくて作ったのが、「CYGNUS」。この2曲はライヴで人気が出るんじゃないかな。

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