【インタビュー】津吹みゆ、DAM CHANNEL演歌6代目MCに就任「挑戦できることに感謝」

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■苦しいことや辛いことや悩むこともたくさんありますが
■やっぱり私はここしかないなっていう思いを感じています


──ここからは、10月26日リリースの新曲「女の嵯峨野路」について聞かせてください。

津吹みゆ:今回は、一途にある人を想う女性が主人公です。2年間ずっと待っているんですが、「この世で添えたらそれでいいの」っていう奥ゆかしさもある女性が描かれているんです。舞台は京都の嵯峨野路。祇王寺や竹林など、風情ある景色も登場する1曲です。

──前作「壇ノ浦恋歌」の主人公とは真逆な印象でした。

津吹みゆ:そうですね。同じ情念シリーズではあるんですが、「壇ノ浦恋歌」はすごく燃え上がるような気持ちを持った主人公。「海峡渡って抱きに来い」なんて印象的な歌詞もあるんですが、私はそんな情念の引き出しなんて絶対持っていませんから(笑)、それこそ演じるように、毎回覚悟を決めて歌っていました。でも今回は、そういう激しさよりも謙虚さや奥ゆかしさ、一歩下がってあなたを待っていますという女性像。しっかり歌い分けをしていかないといけないなと感じています。


──実際に、嵯峨野路を旅して来られたそうですね。

津吹みゆ:はい、一人旅で祇王寺や竹林、石畳など、歌詞に出てくる場所を歩いてきました。とは言え目的もなく歩いていても時間がもったい無いし、来た意味もなくなっちゃうから何を目的にしようかと考えた時に、必ず行こうと決めていた祇王寺のことを調べたら、平家物語にも出てくる悲恋の尼寺と書いてあったんです。その時ちょうど平家物語の文庫本を読んでいたこともあって、これは何かご縁だなと。だったら、平家物語にゆかりのある場所を巡ってみようと思い、他のお寺なども巡ってきました。嵯峨野にはそういう歴史のある場所がたくさんあるんですが、ちょっと歩くと普通に地元の方のお住まいもあって。実際に嵯峨野の空気を知ることができてよかったなと思える一人旅でした。

──その旅を振り返って、みゆさんがラジオで「歌の世界観の中で主人公を歩き出すようだ」とおっしゃっていたのも印象的でした。

津吹みゆ:この曲を歌うたびにその景色がふっと頭に浮かびますし、主人公が動き出すような気がするんですよね。だからどうだということではありませんが、自分の心の部分として、実際に行ってこの目で見てきてよかったなと思いました。

──前作の壇ノ浦は関門海峡、そして今作では京都の嵯峨野と、演歌は特に各地を旅していくような歌が多いですね。

津吹みゆ:そうですね。音楽を聴いて、歌詞を追いながら、その場所を旅することができるというか。気分だけでもその土地に行けるって、本当に素晴らしいことだなって思います。



──みゆさんの“旅”は、デビュー曲で描かれた地元・福島からスタートしたんですよね。

津吹みゆ:はい。「会津・山の神」という曲でデビューして、今年で8年目になります。私は両親や祖父母と一緒に演歌や歌謡曲のテレビ番組などを見て育ったんですが、デビューをして、コロナ禍になるまでは本当にバタバタと忙しく、これまでを振り返るタイミングもなかったんです。でもふと立ち止まって我に返った時に、「あぁ、私はあの時に見ていたテレビの世界で歌っているんだ」って思うというか。収録の報告をしたり、出演した番組を見てもらったりして、家族が喜んでくれるのって本当に嬉しいんです。自分が小さい頃に思い描いていた歌い手、演歌歌手というのはそうやって”テレビの中”で歌っているというイメージが強くて、こんなに全国を回るものだとは思っていませんでしたけど。

──コンサートやキャンペーンなど、全国各地でのお仕事も多いですよね。

津吹みゆ:そうなんです。デビューをして、こうやって全国各地で歌を通してご縁をいただいているのが本当に嬉しくて。あとは今“みちのく娘!”(※東北出身の演歌歌手、工藤あやの・津吹みゆ・羽山みずきの3人による歌謡ユニット)という活動もやらせていただいているんですが、こちらはただ歌うだけじゃなくて踊りもついているんです。全身を使って歌を表現してお届けする、そういう楽しさも感じながら活動しています。

──デビューから8年、素敵な活動を重ねて来られたんですね。

津吹みゆ:はい。やっぱり私、これが天職なんだなって思っています。不思議なんですが、他の職業に就いている自分は想像できないんですよ。苦しいことや辛いこと、何で出来ないんだろうって悩むこともたくさんありますが、それに勝るほどの楽しさや幸せを感じるんですよね。だから立ち止まった時には必ず、やっぱり私はここしかないなっていう思いも感じているんです。


──デビューのきっかけとなった『NHKのど自慢』に出演されたのは高校2年生でしたが、その頃からそういう意識はお持ちだったんですか?

津吹みゆ:その時は全然ありませんでした。日本クラウンの方がその放送を見てお声を掛けてくださり、師匠の四方章人先生とのご縁をいただくことになるんですが、高校2年生というと進路を決めなきゃいけない時期でもあって。私以外の全員が進学を希望しているようなクラスでしたが、私は「何がしたいかな。音大に行って声楽をやろうか?でも演歌は声楽じゃないしな」なんて考えていたんですね。人生は一度きりなんだし、何か人とは違うことをして過ごしたい。そもそもじっとしていたくないアクティブなタイプでもあったから何かそういうこともやりたいんだけど、どうしたらいいんだろう?みたいな感覚の時期だったんです。

──そうなんですね。

津吹みゆ:福島の田舎でしたから、東京のように近くでオーディションがあるとかスクールがあるとか、そういう環境でもなくて。だから、そういう自分の気持ちをどういう流れでどう話したらいいのかもわからない状態だったんです。そこに「のど自慢」というものがポンと来て。ずっと出てみたいという気持ちはあったから、「じゃあ、お願い」って母に伝えて書類なども揃えてもらい、出ることにしたんです。でもその時になぜか、この「のど自慢」は私に何か大切なきっかけを与えてくれそうだなっていうことを勝手に感じたんですよね。

──予感があった、と。

津吹みゆ:でも、しばらくは何もなかったんです。「あぁ、思い過ごしだったかな」と思っていたら、放送からちょうど1ヶ月後の9月12日にお電話をいただいて。「やっぱり、これしかない」って思った瞬間でもありました。

──素敵なエピソードを聞かせていだだきありがとうございます。これからのみゆさんの活動がますます楽しみになってきました。

津吹みゆ:ありがとうございます。これまでもそうですが、毎年何かしら大きなチャレンジを与えていただいているんですね。今年はまず6月に3年ぶりとなる故郷でのコンサートをさせていただいたんですが、そこではちょっとコメディーチックなお芝居やフルートの演奏などもやらせていだだきました。10月はお芝居『情けの露~般若の新吉~』、12月には演歌のジャンルとは全く違うステージも予定しています。立ち止まることなくいろんなことに挑戦できていることに感謝していますし、去年よりも今年、今年よりもまたさらに来年という風に、どんどんステップアップしていきたいなと思っています。

取材・文:山田邦子

リリース情報

津吹みゆ 「おんなの嵯峨野路/縁酒」
CRCN-8520
定価:¥1,400(税抜価格 ¥1,273)
1.おんなの嵯峨野路
2.縁酒
3.おんなの嵯峨野路(オリジナル・カラオケ)
4.縁酒(オリジナル・カラオケ)
5.おんなの嵯峨野路(一般用カラオケ 半音下げ)
6.縁酒(一般用カラオケ 半音下げ)

ライブ・イベント情報

<「おんなの嵯峨野路」 発売記念キャンペーン>
開催日時:2022年11月1日(火)
12:00~ 東京・音のヨーロー堂
お問合せ:03-3843-3521
会場:東京都台東区浅草1丁目3-6 メトロ銀座線・東武伊勢崎線・都営浅草線の各「浅草」駅より徒歩5分
16:00~ 東京・音曲堂
お問合せ:03-3659-3131
会場:東京都江戸川区南小岩7-22-5 JR総武線「小岩」駅南口徒歩1分

開催日時:2022年11月3日(木)
12:00~ 埼玉・ミヤコ蕨
お問合せ:048-432-5705
会場:埼玉県蕨市中央1丁目24?3 JR京浜東北線「蕨」駅西口から徒歩約1分
14:30~ 東京・ミュージックショップダン
お問合せ:03-3913-6371
会場:東京都北区東十条4丁目5-25 JR京浜東北線「東十条」駅北口から徒歩約4分

開催日時:2022年11月4日(金)
14:00~ 東京・セキネ楽器
お問合せ:03-3631-8506
会場:東京都墨田区江東橋3丁目13-1 JR総武線「錦糸町」駅南口すぐ
16:00~ 東京・五番街ネットサイン会
詳細はこちら

開催日時:2022年11月17日(木)
13:00~ 東京・鈴木楽器本店
内容:店頭歌唱キャンペーン
15:00~ 東京・鈴木楽器本店
内容:電話キャンペーン
※ 電話キャンペーン:購入枚数分で本人と電話でお話ができます。
お問合せ:0427-26-9811
会場:東京都町田市原町田6-11-7 小田急線「町田」駅[南口2]から徒歩約0分

開催日時:2022年11月19日(土)
13:30~ 埼玉・スーパーバリュー上尾愛宕 2F
会場:埼玉県上尾市愛宕3-1-40バリュープラザ上尾愛宕店 JR上野東京ライン高崎線
お問合せ:楽園堂 0280-86-6503
※ CD購入者の方先着で優先入場。詳しくは楽園堂迄お問い合わせください。

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