【インタビュー】Psycho le Cému、デビュー20周年記念作品に刻んだ「自分たちはやっぱり生粋のバンドマン」

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■前に進もうとしているバンドの気持ちが
■全体に広がっていけばいいなって

──今回のヴィジュアルには、どういった設定があるんですか?

seek:あまり細かく“この人が何々キャラで”みたいなのは今回はなくて、登場人物としては前回の人と一緒ですね。

YURAサマ:僕の中の設定では、さっき話したように登場人物の少年と少女がいて。平たく言うと、少年が抱えている“自分自身に抗う心の様”を“RESISTANCE”と捉えているんですね。例えば後悔であるとか、思い残していることとか、自分自身の嫌な部分に抗っている部分を“RESISTANCE=抵抗”という意味で表現していきたいな、というのが大元にあって。僕の中の“少年のRESISTANCE”が前回で、“少女のRESISTANCE”が今回、という考え方をしています。

──その設定が、<少年の右目><少女の左目>というツアータイトルに反映されているわけですね。ツアー初日11月2日にリリースされる、メジャーデビュー20周年アニバーサリーミニアルバムには、「もう一度、くちづけを」の他、LINE CUBE SHIBUYAでのライヴ音源を6曲が収録されます。

seek:今もなかなかライヴに来られない人も多い中、ライヴ音源も出せたら、より僕らのライヴ活動を感じてもらえるんちゃうかなと。前作『アカツキ』からの試みですね。


──どのような基準で選曲したのですか?

DAISHI:『アカツキ』にも6曲ライヴテイクが入っていたので、まずはそこと被らないことが大事で。さらに、ライヴのキーワードになっているような曲と、僕がすごく上手く歌えてる曲を入れました(笑)。

AYA:うぉい! 正直に言い過ぎやろ(一同笑)!

DAISHI:昔だと「蒼い星」はライヴでそこまでやらなかったんですよね。結構暗い雰囲気はあるので。でも、“こういうミドルテンポの曲をやっていきたいな”という心境の変化があって歌うようなってくると、“けっこう刺さるな”という手応えがあって。

seek:「蒼い星」ってミドル?

DAISHI:普通のバンドからしたら違うかもしれんけど、俺らの中ではミドル。

seek:メロディー感がミドルってことか。

AYA:体感がそうなのかも。歌とバックは違うけど。

seek:そのパターン、結構あるんですよ。DAISHIは、今まではそのメロディー感が苦手だったのが、最近得意になってきてるんやろうなぁ。

DAISHI:結構リズムが入ってくるわりにはお客さんが盛り上がってないように見えて、前は嫌だったんですよ。でも最近は“曲をちゃんと聴いてくれてるな”と感じるようになったので。オンラインライヴをした時に、お客さんが目の前にいない状況で、“カメラの前で、ただただ激しい曲をやるのはしんどいよな”と思ったのもきっかけとしてあるんでしょうね。“オンラインではもう少し聴きたいと感じる曲を増やしたほうがいいんじゃない?”って。それでいざやり出したら“結構、これもええやん”となったのもあると思います。

Lida:DAISHIの場合、歌詞の内容を噛み砕いて歌えるようになったからそう感じるんだと思うんです。メンバーのみんなもそれに合わせて、それぞれのパートのフレーズ感だとか意味合いを──昔の勢いのまま、転がっているまま演奏する感じでは、今はなくて。コロナというものが向き合うきっかけの一つになって、よりいい方向にいっているんだと思います。ライヴでそれが出ているのであれば、逆に“いい勉強をさせてもらったな”って。それがライヴテイクには出ている気がします。


seek:あと、「蒼い星」にしろ「哀の雨」にしろ、活動が止まる辺りの時代──僕らの歴史で見ると正直、精神的にしんどい時の曲なので。それをLINE CUBE SHIBUYAで表現できたのはすごく良かったんですよね。「哀の雨」は当時、そんなつもりで歌詞を書いたわけじゃなかったのに、バンドのヒストリーと相まってファンの人たちからすると悲惨な曲というか、ただただ悲しい曲みたいな捉えられ方に結果的になってしまっていたから……。そういう曲を今、ステージでできるようになってきているのは僕としては良かったな、という印象ですね。

──活動を続けていくと、そういったつらい記憶が更新されていく喜びってありますよね。

seek:そうですね。僕らの場合はたくさんあって。デビュー記念日にやった「愛の唄」もそうですけど、20年間やってきたからこそ、ヒストリーが長い分、想いがどんどん強くなっていく曲が増えていくのは、すごくいいですよね。

──それが音源として記録され残っていく、というのも素敵なことです。YURAサマはどうですか?

YURAサマ:選曲はお任せしたので、“あぁ、この曲になったんだ”ぐらいです。“あ、「ファイティング!」入るんだな”とは思いましたけど(笑)。

DAISHI:僕も「ファイティング!」は迷いました。でも、アンコールのあの空気を含めて“まぁ僕らやしな~”と思って入れたんですけど(笑)。

seek:「23周年、ありがとう!」ってあそこで言ってるの、この先また時間が経って聴いた時に、分かりやすいワードでいいなと思います。


──では最後に、ツアーに向けての意気込みを聞かせてください。

seek:関東近郊で行なった夏の<領域拡大>ツアーよりも今回はさらにライヴの本数が多くなりましたし、各会場2DAYSという形での開催になります。表現したいことが今たくさんあるので、2DAYSでやらせてもらえるのはすごくいいなと思っています。YURAサマが最初に言ったみたいに、この歳になっても僕らはまだバンドマンとしてライヴを通じて成長している、と感じるんです。特に今回は、大阪も名古屋も久々に2日間行けますし、少しでも再会の場所が増えればいいな、と。こういう時期ではありますけど、ぜひ会場に来ていただければ、と思います。

DAISHI:“RESISTANCE”というコンセプトがやっとしっくり来て、それを掲げたツアーを回って手応えもあっての状態でまた廻れるツアーになります。歌に関しても、すごく歌いやすい環境なんですよね。“いい歌をもっと歌えたらなぁ”と自分が思うところをもっと追求していくツアーにしたいですね。

AYA:“RESISTANCE”も含め、今までは“前のPsycho le Cému”を意識してつくってきた気がするんですよ。戦うべきは昔の自分というか、それを“変えたい”と思っていたんですけど。最近イベントライヴに出させてもらうようになって、“戦うべきところはそこなのかな?”と思うようになってきて。対自分たち自身ではなく、そこと戦える武器が今必要なのかな?と思っているので、それを探すツアーにしたいです。何かは分からないですけど、いい感じで夏のツアーは廻れたので、もっと明確に見えてくるんじゃないかなと思います。

YURAサマ:今回は2DAYSで、各日タイトルも違っていて、“RESISTANCE”の物語がまた少し進むのかな?と思っています。どうなっていくのか想像してもらいながら、できれば両日観に来てもらえたらうれしいですね。

──2DAYSで、両日セットリストは大きく変わるんですか?

YURAサマ:当然そこの2日間は変えるつもりですし、またきっとメンバーが途中で“変えようぜ”と言い出すのかな?とも、前回のツアーを踏まえて思っているので。そういう意味でもたくさん観てもらえたら、より深く広く楽しめるんじゃないかな?と。あとは、今回は帰りの車の中がどうなるのかな?っていう……(笑)。

DAISHI:関東近郊は一緒やろ? 

AYA:しかも2DAYSやから。

DAISHI:“♪Déjàvu~”やろ(笑/LUNA SEAの「Déjàvu」を歌唱)

seek:どうやって文字にすんねや(笑)。

YURAサマ:反省会をするのはもう決定らしい(笑)。じゃあ、それも楽しみですね(一同笑)。

Lida:Psycho le Cémuは結成23年経って、いろいろあってまたこうしてツアーを続けてできるということにありがたみを感じつつ。見た目は変わろうと根本は変わってないと思うんですよね。若い頃からああいう格好をしていましたけど何だかんだ言って、意外とライヴ後半になると感情的になって、それぞれの人間性が丸裸に出るライヴをやってきたので。このご時世を経て前に進もうとしているバンドとしての気持ちが、僕らのファンだけではなくてエンターテインメント界全体に広がっていけばいいな、と。終わってからそう思えるようなツアーにしたいですね。

取材・文◎大前多恵

■Major debut 20th Anniversary Digital Single「もう一度、くちづけを」

2022.10.02 Release
作詞・作曲:seek 編曲: Psycho le Cému
https://umj.lnk.to/Mouichido_Kuchizukewo



「もう一度、くちづけを」Music Video Full ver.
映像監督:YUTARO
※清春、逹瑯、アルルカンなどのMVや映像制作を手がける監督

■Major debut 20th Anniversary Mini Album「もう一度、くちづけを」

2022.11.02 Release
【CD】POCS-1899 ¥2,000(税込)
Label : SWEET-HEART RECORDS
Distribution : UNIVERSAL MUSIC
ジャケットデザイン:RMB
※メジャーデビュー20周年記念配信シングル「もう一度、くちづけを」と2022年5月3日のLINE CUBE SHIBUYAのライブ音源収録


▼CD収録曲
01. もう一度、くちづけを
 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
02. アカツキ(ライヴ)
 作詞:Lida 作曲:Lida 編曲:Psycho le Cému
03. 2020(ライヴ)
 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
04. 蒼い星(ライヴ)
 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
05. one day(ライヴ)
 作詞:seek 作曲:AYA 編曲:Psycho le Cému
06. 哀の雨(ライヴ)
 作詞:seek 作曲:seek 編曲:Psycho le Cému
07. ファイティング!(ライヴ)
 作詞:AYA 作曲:AYA 編曲:yorke.yamamoto
※03、04は編曲 with Hajime Okano
※ご購入は全国のCDショップまたはWEBショップで
https://store.universal-music.co.jp/product/pocs1899/

■<Psycho le Cému RESISTANCE~君がいる世界~>

Day1 少年の右目 / Day2 少女の左目
11月02日(水) HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
open18:00 / start18:30
11月03日(木・祝) HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
open15:30 / start16:00
11月12日(土) 柏PALOOZA
open17:00 / start17:30
11月13日(日) 柏PALOOZA
open15:30 / start16:00
11月22日(火) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
open18:00 / start18:30
11月23日(水・祝) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
open15:30 / start16:00
11月25日(金) 浜松窓枠
open18:00 / start18:30
11月26日(土) 浜松窓枠
open15:30 / start16:00
12月10日(土) OSAKA MUSE
open17:00 / start17:30
12月11日(日) OSAKA MUSE
open15:30 / start16:00
12月17日(土) 名古屋ELL
open17:00 / start17:30
12月18日(日) 名古屋ELL
open16:30 / start17:00
12月23日(金) Veats Shibuya
open18:00 / start18:30
12月24日(土) Veats Shibuya
open15:30 / start16:00
▼チケット
前売 ¥8,800(ドリンク別)
一般発売:10月16日10:00〜
https://l-tike.com/plc/



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