【短期連載】朝陽りさ、DJ始めました。第二回「OTAIRECORD MUSIC SCHOOLに入学!(後編)」

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前回の講習で音量調整つまみゲインやぶっ込みについて学んだ朝陽りさ。少ない時間の中、メモを取り、動画を撮り、DJのHOW TOを熱心に学んでいる様子。そして後半戦はBPMを合わせ、EQについて知り、パーティの流れを学んでいく……果たして人前に立てる日は来るのであろうか? 今回もその道のプロフェッショナル、OTAIRECORD MUSIC SCHOOLのようすけ管理人にDJの厳しさを教えてもらいましょう。

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[PART 5]朝陽りさ、BPMを合わせる。

ようすけ りさちゃんが好みのBTSやアリアナ・グランデとか最近の曲は比較的BPMが早いものが多くて4つ打ちが中心。そういう場合はクロスフェーダー/縦フェーダーの設定にも注意しましょう。今はクロスフェーダーを移動するとゆっくりと左右のボリュームが変わっていく設定。それよりは縦フェーダーでスパッと切り替えた方がいい。もしくはクロスフェーダーは効かなくするか、フェーダーカーブをキレキレモードに変更する。そうするとフェードアウトしない。こういうのはスクラッチをする人が使う設定だけど、4つ打ちの人も最初はこうしておくといい。クロスフェーダーの位置が中心からちょっとずれると音量が変わってしまうから。そしてスピードの合わせ方だけど、BPMが(PCの画面上に)出てますよね? 極論、今かかっている曲(「Despacito(Remix)」DJ K-More)が105BPMなら、次の曲(「Butter(Megan Thee Stallion Remix)」BTS)も105BPMに合わせれば、合います。

りさ この数字ですね。105.62BPMの0.62は気にしないでもいい?

ようすけ 大体合ってれば大丈夫。ロングミックスと言って5〜10分、二つの音源を一緒に鳴らし続けるやり方もあって、その場合はキッチリと合ってなくてはいけないけど、ぶっ込みなら大体合ってれば問題ないです。じゃあ、合わせてみましょう。

りさ (スピード合わせにトライ)

ようすけ 今は105.85BPMだった。これだと約106BPMになるので、ちょっとアマイ。もうちょいピッチフェーダーうまく合わせてみよう。いいですね、それでゲインだけ確認して、ぶっ込みしてみましょう。迷いなく、バシッと行こう!

りさ (スピード合わせ、ぶっ込みにトライ)迷いなく!

ようすけ うん、いいです。次の曲を選んで繰り返しましょう。

りさ これ(BPMを調節するフェーダー)って戻さなくていいんですか?

ようすけ また調整するので戻さなくていいです。とりあえず放しといても音を止めないというところまでやっておけばなんとかなるかな(笑)。

りさ 次のBPMは104……。

ようすけ さっきいい指摘してたんだけど、この曲(「Butter(Megan Thee Stallion Remix)」BTS)の本来のBPMは110。バレないように少しづつBPMを上げて現状復帰していくのもアリ。

りさ なるほど〜。

(「Mix Discoteca Party」DJ FUEGOをチョイス)

ようすけ いいね〜! 今日一番いいぶっ込み(笑)!

りさ ありがとうございます!

ようすけ もっとやりましょう!

りさ これも一回BPMを元に戻すんですよね?

ようすけ では学習タイム。お客さんが目の前にいます。DJりさに代わります。まずBPMがどれくらいの曲をかければいいのかという問題。BPMが高いと盛り上がる、低いと落ち着く。で、DJだったら盛り上がりたいと思いませんか? それが人情なんですけど……BPMが早い曲ばかりかかるとどうなるかというと、お客さんが疲れるのです。例えば早いBPMで60分もプレイするとめっちゃ疲れる。疲れたからちょっとラウンジで休もうぜ、となりかねない。一人逃げたら、もう一人逃げ二人逃げとなってフロアがガラーンとなる。それがDJにとって一番キツイ。

BPMが低いのってあまり良くない気がするけど、フロアが落ち着くので、基本的にはお客さんの数が少ないときはBPM低め。お客さんが十人しかいないのにBPM140でかけてると空回りしてる感で、何張り切ってるの?と(笑)。BTSみたいな盛り上がり曲、勝負曲はお客さんが入って盛り上がりのムードが出かけてからからかけた方がいい。で、BPMが早いのはお客さんがたくさん入ったときとお酒が入っているとき。たくさん飲んでガヤガヤなりそうなときに、早い曲で煽っていく。

普通に踊れるのはハウス、テクノなどのダンスミュージックは大体BPM130までかな。もちろん例外はあるけど。標準がBPM120〜128、トランスとかだとBPM130超えるけど、BPM140〜150が連続するとキツイです。JポップでBPM150はありますけど連続すると体力がもたない。そうなるといかにいい曲だろうが逃げちゃう。こういうことを踏まえてやると、さっきのBPMを下げてもいいですかという話。それはお客さん次第ということになる。お客さんが少なかったら分からないようにBPMを下げる。で、お客さんが入ってきたら徐々にBPMを上げていく。その後にBPMが速い曲をかけていくとめっちゃやりやすいです。

りさ すごい。今のようすけさんのプレイ、BPMを上げても全然分からなかったです。

ようすけ りさちゃんの出番になって60分の持ち時間のときに、最初からBTSはキツイと思う。最初は抑えて微妙な曲、涼しくかけられる曲をかけて、徐々にみんなが知ってる曲をかけると綺麗な流れが作れる。BPMも同時に上げていく。最初はBPM100くらいからボチボチ始めておいて、最後にBPM120〜128くらいで終わるときれいな流れが作れます。


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[PART 6]朝陽りさ、パーティの流れを知る

ようすけ で、パーティに参加するDJには悪い意味ではなくて上下関係っていうか先輩後輩という考えがあります。いいDJ、ちゃんとしてるDJって、自分さえよければじゃなくて、パーティの全体の流れを意識する。例えば僕が21時から、りさちゃんが22時から、もうひとりが23時からDJするとします。大体23時ごろ盛り上がると仮定したら、僕がそんなに盛り上げてはいかんのです。その時間にいい曲はあまりかけない。りさちゃんは僕よりちょこっと盛り上げるけど、マックスは盛り上げない、美味しいところは次のDJに託す。それがいいパーティの作り方。何でもかんでも自分の思い通りにして、最後はBTSでワーっとなって後はよろしく!というのは嫌われます(笑)。

りさ よく分かります(笑)。

ようすけ 自分の前後にだれが回すのか、それで役割が決まるというか……。サッカーでもディフェンダーがいつもゴール前にいってシュート決めてたら、嫌われますよね、守ってよ〜となる。それと一緒。ただ、りさちゃんがメインゲストとか、自宅から配信しますというときは別。どんどんやっちゃっていいです。

りさ クラブは大体何時ごろが盛り上がるんですか?

ようすけ 場所やパーティによりますね。下手したら深夜2〜3時くらい。街中のラウンジみたいなところで終電で帰るようなパーティだと22時とか……自分がプレイするオーガナイザーやハコの人にどのくらいがピークなのか、私はどうすればいいのか、聞いておくといい。このDJはきちんとパーティのことを考えてくれてるんだなと、好感度も上がると思います。

りさ はい。

ようすけ かっこいい系のDJと、来た人を楽しませるDJとふた通りあるけど、りさちゃんの場合はお客さんを楽しませるのが大前提。タレントが本業なわけで、そのおまけというか紐付けられてDJ活動がある。あくまでも“タレントの朝陽りさがDJをしている”。DJで食っていくわけではないので、みんなを楽しませること。そうなると水商売と同じで、お客さんにいかに喜んでもらえるか。お客さんの気持ちを途切れさせない、ダンスの足を止めさせない、お酒をたくさん飲んでいただく、みたいなことが大事なんじゃないかな。DJは自分のわがままゾーンに入りがちだけど、そうなるとパーティが盛り下がります。

僕の本職は会社経営でDJは月に2回くらい不特定多数のところでやることが多くて、この前は秋葉原UDXの野外でお客さんは街ゆく人。少し前はフランス大使館でフランス人の前でDJした。何が言いたいかというと、僕はお客さんをめっちゃ見るんです。お客さんを見て、例えば大体30歳くらいが平均年齢だとすると、30歳の人が青春を過ごした18〜22歳(それくらいが一番音楽をよく聞くと言われてて)、だから10年くらい前に流行った曲が盛り上がりやすい。だからりさちゃんもPCにたくさんの音を入れておかないといけない。そこまで辿り着けたら、このDJいいなと評価されると思うんです。もちろんまだその段階じゃないから、シレッと滞りなく繋げられるようになればいいと思います。

りさ フランス大使館のときはお客さんは日本人じゃないですよね? 青春の曲って……?

ようすけ フランスで10年前に流行ってた曲とか。ダフトパンク、ジャスティス、そういうのをかけるとめちゃくちゃ喜びます。逆に日本人で一番盛り上がったのは美空ひばりでした(笑)。

りさ え〜(笑)。

ようすけ フランス人が「この人めちゃくちゃ歌うまいね、だれ、教えて」と(笑)。日本人だとなんでそれかけてるの?ってなるけど。ちょっと脱線しました(笑)。

DJは場の状況を見極めることも大事。今お客さんが酔っ払ってるか、酔っ払ってないかとかラウンジみたいなDJのときは、音量を下げて喋りやすくしてあげるとか。そういう気遣いが大事ですね。

りさ 場所にもよるし……。

ようすけ 例えば、クラブやパーティ初心者や友達が多い場所だと喋りやすくしてあげると居心地が良くなる。イコライザーの中音を少しだけ減らしてあげるんです。中音が我々の声の帯域なので、そこを減らすことでしゃべるやすくなる。みんながみんな踊りに来ているわけじゃなくて、楽しい時間を過ごしに来ている。女の子に声をかけたいという人もいる。友達同士で飲みたいという人もいる。なので、中音を下げてあげるといい。


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[PART 7]朝陽りさ、EQを学ぶ

ようすけ さっきのカットインの練習は繰り返しやってください。それは覚えました? 大丈夫ですよね?

りさ はい!

ようすけ 現場、見にいくからね(笑)?

りさ はい、大丈夫です(笑)!

ようすけ 後はミックスに関してはrekordboxを使ってるならSYNCを使うのが安全だと思うけど……。さっきは手でBPMを合わせてたけど、SYNCを使うと勝手に合わせてくれるからミスりたくないときは使った方がいいです。で、ミックスで大事なのが低音の処理。次にかける音の低音をあらかじめ切っておく。低音と低音がぶつかると、フロアで音がウニョウニョする。気持ち悪くなるというか……それでまたお客さんに逃げられる。だから低音の処理(EQ,イコライジング)はとても大事なのです。ちょっとやってみましょう。

(低音と低音をぶつけてみます)

ようすけ 低音の上にさらに低音が乗るから、ブワーっとなっちゃう。新しくブッ込む低音は切っておく。で、ミックス時には鳴っている音の低音を徐々に下げつつ、次の曲の低音を徐々に上げていく、という作業をします。今の低音の変化、分かりましたか?

りさ すごく綺麗に繋がってました。よく分かりました。

ようすけ たまに左右のEQを同時に回しちゃうDJがいるんですけど……

りさ そうすると途中で低音が薄くなりますよね?

ようすけ 鋭い! そうなんです。それがわかってないとフロアでいきなり低音が抜けちゃうんです。抜けても良い場面もあるけど、スムーズにつなぎたいなら、常に音のバランスに気を使うべき。

りさ パニクってやっちゃいそう……(笑)。

ようすけ ちょっとやってみましょう。


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ようすけ りさちゃんはタレントさんなので特に覚えておいてほしいんだけど、海外では“Serato Face”と言って、機材のツマミを見たり、PCの画面ばかりを見るDJはめっちゃカッコ悪い。タレントDJの場合は、DJプレイを聞きに来ている人もいるかもですが、そのタレントの顔を見に来たり、DJを通じてコミュニケーションをとるために遊びに来ている人が多いです。だから、お目当てのタレントが、お客さんに顔をそむけて難しい顔してPCとにらめっこしている状態は良くないと思います。

りさ そうですよね〜(笑)。

ようすけ だから鏡見ながらとか自分の姿をスマホで撮ったりして練習した方がいい。今は最初だからしょうがないけど、お客さんの方を見ながら操作できると最高。何人かタレントDJの方を知っているけど、そこを意識すると見え方が全く違うんです。モデルで言うポージング。次の選曲どうしよう?と焦った顔になるとお客さんにめっちゃ伝わるので。なので、最初はかける曲を完パケで決めていくか、DJWEB配信とかでめっちゃ練習を重ねて慣れるか。そういう姿勢は大事ですね。さっきのカットインはうまくできていたので、ドンドン練習していくといいと思います。


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[PART 8]朝陽りさ、フィルターを使う

りさ (「Last Chirstmas(Bht Radio Edit)」Bthから「Sugar」Maroon 5へ繋ごうとします)

ようすけ (イントロが静かに始まる)Maroon 5のこういう曲はビギナーはあまり使わん方がいいかもしれないですね(笑)。悪い見本として見せますが、これ、声が重なってるでしょ? そうするとめっちゃ下手に聞こえる。きれいじゃないしね。正解としては「Last Chirstmas(Bht Radio Edit)」が静かになるところでつなぐといいかも。

時間も限られているので基本はこれくらいで、これからはちょっとチャラい奴も教えておきます(笑)。エフェクターの使い方。

りさ あっ、はい!

ようすけ このフィルターはわかるよね? コンボフィルターといって、LPF=ローパスフィルターで、HPF=ハイパスフィルター。LPFは低音だけ残して、あとは取るフィルター。HPFはその逆です。かけるときは、歌物であまりガンガン使ってしまうと、みんなは歌が聴きたいのに、はぁ?という雰囲気になっちゃうので、たまに、暇なときにじゃないけど、イントロや間奏で使うのが効果的。エフェクターをかけるときも拍の数え方を意識して。ちなみにみんなが合唱するときなんかは抜いてあげると合唱しやすくなりますね。

りさ 合唱するときがあるんですね(笑)。

ようすけ あります(笑)。あとはこの機種(PIONEER DDJ-400)でいうと、FX SELECTを押すと好きなエフェクターが選べます。四つ打ちの場合はディレイ、エコー、リバーブあたりをよく使います。

りさ リバーブはホントにお風呂みたいになりますね。

ようすけ これは単体よりも組み合わせがいい。HPF+エコーという組み合わせが強力。

りさ 聴いたことある感じだ。

ようすけ ちょっとやってみましょう。HPFをかけながら、エコー。ちなみに歌物ではあまりやらない方がベター。原曲に戻すときはつまみを回すのではなく、エフェクトスイッチを切るのがいい。HPF+エコー、HPF+ディレイはかなり上がります。ディレイは山びこ。山でおーいと言ったらおーいと帰ってくる感じ。エフェクターを組み合わせるのは上級編かな。

ただし、エフェクターばかりいじっていると嫌われがち。フィルターもかっこいいしDJっぽいけど、あくまでも選曲が一番大事。余裕があったらこういうことをやってみてください。

りさ はい!

ようすけ 後はBTSみたいな大ネタなら、HOT CUEを使って遊び方法とか、ループして使うのもありですが、それらはまた今度。短期間で上手くなりたいなら、さっきのカットインの練習、あれを500回くらいやる。そんなのできるわ!と思っても0.1〜0.2秒くらいの差で聴こえ方が全く変わってくるので。カットインがうまい人はホントにDJがうまくなります。手元を見ずにテレビ見ながらでもできるようになるくらい、反復練習を繰り返す。最終的にはお客さんに対して笑顔でやれると一番いいんじゃない?

りさ それくらい手元を見ずにってことですよね。

ようすけ やることはシンプル。選曲と自分自身の見え方と……それでとりあえず成り立ちます。その後に、りさちゃんがもっと学びたいとなったらさらに深いところに進みましょう(笑)。

りさ はい! 今回はありがとうございました!


朝陽りさ

[PROFILE]
栃木県出身の1996年1月10日生まれ。日本コロムビア所属。テレビ東京「ゴッドタン」、テレビ朝日「ゴーちゃん」、 日本テレビ「ヒルナンデス!」などに出演、モデル・女優・DJ・eSportsなどマルチに活動中。


OTAIRECORD MUSIC SCHOOL"ISM"

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(OTAIRECORD HEAD OFFICE。11:00-16:00、水木以外)

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