【ライブレポート】claquepotが魅せた“踊らせるライブ”

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1月24日、claquepotが神奈川・KT Zepp Yokohamaにて、Zeppツアー<claquepot live tour 2023 -the test->のファイナル公演を行なった。「“観客を踊らせるライブ”というのは、こういうライブのことなのだろう」と感じられた、約1時間30分の熱いライブの様子をレポートする。

◆ライブ写真

バンドメンバーに続いて、大きな拍手とともにステージに姿を現したclaquepot。客席、そしてバンドメンバーに「調子どうですか?」と確認していく。その度に拍手が巻き起こると「温かい。改めて言いましょう、ここが俺の『home sweet home』!」と1曲目がスタートする。


ステージ上に設置されていたサイネージをおもむろにスワイプすると、「home sweet home」のジャケ写が映し出される。この日のセットリストは、12月14日にリリースしたこれまでの作品が収録されたアルバム『the test』の収録曲を、リリース順でパフォーマンスしていくというもの。その各曲のジャケ写が都度このサイネージに映し出されていく仕組みだ。

そんな1曲目からクラップが会場に鳴り響き、claquepot本人も顔をほころばせながらパフォーマンスをしていく。「2曲目からブチ上げていこうと思いますけど、皆さん付いてきてくれますか?」と始まったのは「choreo」。「いける?」という言葉に応えるかのように、会場中の手が上がっていく。そして、オレンジの照明に切り替わって「pointless」へ。「楽しめる人は?」とさらに煽り、まだまだテンションを高めていった。「体暖まってきました? ここからはもう一段階上げて、汗かきに行きましょうか!」と、「ahead」がスタート。“恐る恐る踏み出してみてご覧”でステージ外へ足を踏み出すといった、細かなパフォーマンスで観客を楽しませていくのもさすがである。最後は、“進め 進め 進め”でシンガロング。さらに一体感を高めていった。

まだまだ曲は止まらない。「reflect」で緩く体を揺らし、「finder」でクラップ。彼の音楽で体が自然に動かされていく。続いては「flying」。リムショットの音に合わせて拳を握るなど、ちょっとした所作もパフォーマンスの一つになっている。「横浜、まだまだいけますか? 息つく暇すら与えません」という言葉の通り、続けて「sweet spot」へ。様々な音のシャワーを降り注ぐと、間髪入れずに「useless」が続く。ちなみに、彼のライブは照明までもがアーティスティック。ここまでの間にもレーザー、ピンスポット、天井から降り注ぐ光、ピンク、白、青、黄色……と、まるで楽曲の世界観や音の粒が視覚化されているかのようであった。


一気に9曲駆け抜けた後のMCも、エンターテインメントがたっぷり。例えば、「claquepot初の早着替えをしたいと思います」と言うと、サッとサングラスをチェンジ。会場からは拍手と笑い声が漏れていた。「コロナ禍という非常に活動がしにくい期間がありまして。その期間に書いた曲です。だけどいろんな方のいろんな過去、思い出にハマるように書いた曲ですので、静かにゆっくり聞いてもらえたら」と曲紹介をして、ミディアムバラードの「hibi」へ。アコースティックギターの音色に乗せて、優しい歌声を響かせた。

その後は空気が一変。シニカルな歌詞とアグレッシブなサウンドの「resume」が飛び出す。ここからは、通常のマイクとエフェクトがかかったフィルターマイクの2本を巧に使いこなしていく。楽曲後半部分のラップパートをフィルターマイクで歌ってみたり、そこから続くサビ前にため息を入れてみたり、ライブならではのちょっとしたアレンジを加えて会場を楽しませていく。続いて、美しいキーボードの音色が響いて「tone」。穏やかで心地よい空気で会場を包み込むと、「silence feat. 田邊駿一 (BLUE ENCOUNT)」へと繋げる。田邊のパートも歌いこなしつつ、バンドメンバーともアイコンタクトをしながら楽しそうにパフォーマンスをしていった。

「緩やかに、楽しんでいきましょう」で始まった「okashi」では天井のミラーボールが煌めき、さながらダンスホールのよう。観客がゆったりと体を揺らすと、claquepotも最高の笑顔を見せていた。「rwy」では、再びフィルターマイクが登場。ダンサブルな空気が広がっていく中、「飛べ、Zepp!」、「もう1回!」という煽りに呼応するようにフロアが一層大きく揺れる。その光景は、もはや大盛り上がりのクラブのようであった。「さあ、『the test』の1曲目に戻ってきました。最後まで楽しんでくれますか?」と、「blue print feat. Novel Core」へ。ラストサビの前に「ラスト」と言い放っていたのだが、言葉を発するタイミングが絶妙で、観客の感情を高ぶらせるのが実に上手い。その証拠に、曲終わりにはいつまでも拍手が鳴り止まないでいた。

「ということで、アルバムの曲全部やりました」と始まったMCでは、客席に向けてアルバムタイトルにかけて「満点」をつけ、“追試”がある旨をコール。サイネージを触りながら、「(サイネージをスワイプできたら、追試を)やろうじゃないの。でも、(画面が動くのは)確率的に相当低いよ?」……と言いつつも、スワイプすると「PARK」のジャケ写が映し出される。「ここもね、claquepotの大事な歴史の1ページだから。この曲をやるには、この2人いないと歌えないもんね!」と、大阪公演でも登場したRUNG HYANGと向井太一を迎え入れた。


3人の息はぴったりで、手を上げるタイミングまで一緒だ。笑顔で歌い終えると、改めて2人を紹介。実は、この後すぐにラジオ番組『恋と音楽のマッチングサプリ』(block.fm)があるという2人。claquepotからオファーを受けた時にはラジオを忘れていたそうで、「ラジオがあるから(横浜公演には)2人来ないよね」というSNSの書き込みを見てラジオを思い出した、というエピソードも飛び出していた。ここで、昨年行なわれた向井とのツーマンツアーではRUNG HYANGが欠席だったため、その“リベンジ”をすることに。「みんなで一緒に歌いたいな」(RUNG HYANG)、「もし歌えなくてもピョンってしてればOK、うさぎ年だし」(claquepot)、「楽しめばいいんよ」(向井)とそれぞれ語ると、「So Good」へ。ライブ終盤でありつつも、会場中がジャンプを繰り返し、さらに熱気を帯びていく。最後は客席から「フー!」と歓声が上がる中、RUNG HYANGと向井はラジオの宣伝をしながらステージを去っていった。

ラストの楽曲は、「過去から今の曲をやりました。2023年が始まってますから未来の話をしたいですね」と未発表の新曲「blank」を披露。これまでEP『press kit』、デジタルシングル「resume」、アルバム『the test』と“書類シリーズ”をリリースしてきたclaquepot。この先は、全部それらを白紙にするという気持ちで活動していく思いが、タイトルに込められているという。さらに、「頭の中空っぽになって楽しめる、めっちゃめちゃブチ上がる曲」という意味もあると語り、「未発表の曲なので、皆さん知りませんよね。でも今までのこのツアーの中で1番盛り上がると思います」とパフォーマンスをスタートさせた。

その言葉の通り、ボルテージはMAXに。曲のラストには、「楽しんでくれましたか! 大寒波吹き飛ばしましたか! 2023年良いスタートが切れそうですか! 今年もclaquepotに付いてきてくれますか!」とシャウト。それを受けて、歌詞の中にも出てくる“って聞くまでもなくない?”という言葉を放つと大きな歓声が鳴り響く。こうして興奮冷めやらぬ中、ライブに幕を下ろした。

会場の外には雪がちらついていたようだが、そんな寒さも吹き飛ばすほど熱く、踊れるライブであった。豪華アーティストを迎えて3月からスタートする<claquepot crosspoint 2023>の開催も発表され、まだまだこの熱は冷めそうにない。

取材・文◎高橋梓

セットリスト

01. home sweet home
02. choreo
03. pointless
04. ahead
05. reflect
06. finder
07. flying
08. sweet spot
09. useless
10. hibi
11. resume
12. tone
13. silence feat. 田邊駿一 (BLUE ENCOUNT)
14. okashi
15. rwy
16. blue print feat. Novel Core
17. PARK ※RUNG HYANG / claquepot / 向井太一
18. So Good ※RUNG HYANG / claquepot / 向井太一
19. blank ※未発表新曲

<claquepot crosspoint 2023>

2023年3月20日(月)【香川】高松DIME 18:00/19:00 with Aile The Shota
2023年3月22日(水)【大阪】UMEDA CLUB QUATTRO 18:00/19:00 with 竹内アンナ
2023年3月24日(金)【愛知】ボトムライン 18:00/19:00 with I Don’t Like Mondays.
2023年3月28日(火)【北海道】cube garden 18:00/19:00 with Furui Riho
2023年3月30日(木)【福岡】DRUM Be-1 18:00/19:00 with eill
2023年4月1日(土)【東京】Veats Shibuya 16:00/17:00 with FIVE NEW OLD

■チケット料金
全自由¥6,600(税込)

※チケット受付は2/1(水)18時より (claquepot official appプレミアム会員先行受付)
※整理番号順の入場となります。
※入場時に別途ドリンク代が必要となります。
※入場キャパシティは各地方自治体・各会場の規定によります。
※全自由とは…整理番号順にご入場頂き、ご入場いただいた時点で空いているお好きな場所でご覧頂く形式です。会場規定により客席内に席(イス)を用意する場合がございます。お座席を出す場合でも一部のみになるケースもございますので予めご了承ください。
※3歳以上よりチケット必要。3歳未満は入場不可。

■公演に関するお問い合わせ
香川公演 : デューク高松 087-822-2520 (平日 11:00-17:00)
大阪公演 : YUMEBANCHI大阪 06-6341-3525 11:00〜16:00 (平日 12:00-17:00)
愛知公演 : キョードー東海 052-972-7466 (平日 12:00-18:00/土 10:00-13:00)
北海道公演 : ミュージックファン 011-799-1000 (平日 11:00-18:00)
福岡公演 : キョードー西日本 0570-09-2424 (平日・土 11:00-15:00)
東京公演 : @-Information https://supportform.jp/a-information (平日 10:00〜17:00)

◆claquepot オフィシャルTwitter
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