【インタビュー】逹瑯(MUCC)、ソロプロジェクト第三弾に大胆な実験「決め込まずに試してみよう」

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■アルバムに向けた曲もつくんなきゃ
■ソロはちまちまやっていこうかなと

──相互作用で世界が広がっていったわけですね。カップリングは、2011年にjealkbに楽曲提供した「恋心」のセフルカバーを収録。バラードに生まれ変わり、印象が一新しています。今回、この曲を入れることになった経緯を教えてください。

逹瑯:「エンドロール」のカップリングで「ラプソディア」をセルフカバーしたら反響も良かったし、今回はスタッフから「セルフカバーシリーズで、「恋心」とかどうですか?」と提案されて、「面白そうだね、やるか」ということになりました。jealkbに提供する時、実は元々バラードっぽい感じでつくっていたのを、少しアッパーなロックチューンにアレンジし直していたので、“じゃあ、今回はもうガッチリ“どバラード”にしようかな”と思って。“テンポをちょっと落として、すごく冬っぽい曲にして逆に戻したい”と思ってアレンジしました。

──そうだったんですね。改めて、情感豊かな美しいメロディーだなと感じました。

逹瑯:せっかくセルフカバーするんだったら、“もう10年以上も前の曲だし少し変えたいな”と思って。ギターソロ開けに、Dメロのような位置付けで1フレーズ、メロディーを足していますね。そこは歌詞も新しく書きました。

──このパートが加わることで、失恋の悔恨がより際立ち、曲全体に奥行きと深みが増したように思います。

逹瑯:このフレーズは、元々あった部分とはまた違う感じで、だけど“空気感は寄せて書きたい”と思って、繋がるように書きました。付けて良かったなと思うし、楽しかったかも。この曲は当時から気に入っていたんです。サビに入る前のちょっといなたいというか、GSっぽいイメージのところとかも好きだったし。キーも高いし、ライヴでどう歌おうかな?というのはとりあえず置いておき…(笑)。jealkbではデュエットみたいな感じでhaderu(田村淳/ロンドンブーツ1号2号)さんと2人で歌ったので、当時、MUCCのツアーの合間に東京に俺だけ戻されて歌録りしたんですよ。「声、マジで出ないんだけど? 絶対俺の声、無くても良くない?」とかブーブー文句を言いながら、もしくは「スケジュールずらせないんですか?!」とか言いながら録ったのを覚えています(笑)。



▲<1st Anniversary 逹瑯 ONE-MAN SHOW「Kitchen Guys 1st Kitchen Party」>

──そんな過酷なレコーディングスケールだったんですね…。

逹瑯:はい。録った後、ツアーに合流するために、ほんっとにイライラしながら広島へ帰った想い出があります。今回はいいコンディションでちゃんと録れて良かったです(笑)。でも今改めて聴くと、jealkbのヴァージョンも声の具合はそれほど悪いようには聴こえないので、“なんとか騙し騙し頑張ったんだなぁ”と思いますね。

──序盤でも少し伺いましたが、足立さんとのタッグによる制作はいつもどんな感じで進行するのでしょうか?

逹瑯:「こういう感じの曲やりたいんだよね」と俺からイメージを伝えると、足立はそれを整理して「こんな感じですかね?」ってすぐ形にしてくれるんですよ。骨組みとなるコードやメロディーを元に、俺から「もうちょっとここはこうしたい」とか、逆に足立から「こういうのはどうですか?」というのが戻ってきて。そういうやり取りをしながらつくっていきます。

──逹瑯さんがお一人でつくるよりも、アイデアが広がっていく感じなんでしょうか?

逹瑯:そっちのほうが面白いですね。提案をもらうことによって、それに対して俺の中で新たに浮かぶアイデアもあるし。俺はそんなに器用じゃないので、好きなものはあるんですけど偏っているし、似たり寄ったりになってきてしまうから。足立に逐一指示をしながら「もっとこうして、こうして」と俺の考え通りにつくっていくと、何だか全然よく分からない曲になってしまって、「これはやめよう」となることも結構あるんです。足立にイメージを伝えながら、一回整理してもらって「こういうことですか?」と戻してもらってつくっていくほうが面白いし、効率良いですよね。足立はとにかく作業が早いし。5分の曲を3分でつくりますから(笑)。

──逹瑯さんにとって、ソロ活動をすることの精神衛生上の良さってやはりあるのでしょうか?

逹瑯:めちゃめちゃありますよ。足立といっぱい仕事をするようになって、作業がスムーズになっているのは大きいです。足立も俺を通してMUCCと関わるようになって、MUCCの空気感がだいぶ分かってきていて。俺はとにかく、プリプロの待ち時間が本当にストレスなんですよ。みんなが作業している間、そこにいてずっとそれに対して歌い続けるのも嫌だし。長時間待っていて、みんなの作業が終わった時に15分とか20分という短い時間で「じゃあ、この曲歌って」と言われてちゃんと歌いきれないまま、「できるようにしといて」と言われるのも嫌だし。時間が無い中、リーダー(ミヤ)もイライラ、俺もイライラ、みたいな空気感になるのはすごく良くないから。だから今は、みんなでプリプロをする前のデモの段階で、もう仮歌を全部先に入れちゃう。ここ1〜2年、足立と一緒にそのやり方をするようになったのは良かったと思います。キーの検証もそこでできるし、誰が歌うよりもしっかりとした仮歌が乗ったデモを元にプリプロできるし。構成とか何か変われば、その都度データをもらって歌は入れ直すようにして。そのほうが俺の曲の理解度も深まるし、リーダーとしても「これのほうがいいね」という感じになっているから。みんなのストレスは減っていると思いますよ。


▲<1st Anniversary 逹瑯 ONE-MAN SHOW「Kitchen Guys 1st Kitchen Party」>

──思わぬ波及効果が生まれているわけですね。ソロとしてのライヴは、次は2024年まで無いんでしょうか? ちょっと寂しい気もします。

逹瑯:遊びの軽めなライヴをちょこっとやろうかな、やりたいな~と今画策をしているところです。

──MUCCの活動もどんどん忙しくなりますよね。

逹瑯:MUCCは<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」〜鵬翼・極彩〜>が始まったばかりで、今年は3本ツアーがあります。ツアーごとに会場限定のシングルが出るんですけど、今年はアルバムをガッツリつくるような制作は無いから。ソロのほうのライヴをする隙間は全く無いんですけど、制作をする隙間はありそうだな、という感じですね。

──ソロ第四弾の3rdシングルとなるバラード、聴ける日が楽しみです。

逹瑯:これから足立と作業をするんですけど、アルバムに向けた曲もつくんなきゃならないですから。

──アルバムはいつ頃出る見通しですか?

逹瑯:2024年の春先ぐらいには出したいなぁと思っているんですけどね。MUCCのツアーの合間でゆっくりつくっていけたらなぁと。MUCCの場合は、この期間にひとり2〜3曲ずつ曲出しして選曲して一気にガッ!とつくるんですけど、ソロはちまちまやっていこうかなと思ってます。

取材・文◎大前多恵

■2ndシングル「残刻」

2023年3月15日(水)リリース
【限定盤(CD+DLカード)】DCCA-1097〜1098 2,500円(税込)
【通常盤(CDのみ)】DCCA-1099 1,500円(税込)
▼CD収録
01. 残刻
 作詞:逹瑯 作曲:逹瑯/⾜⽴房⽂ 編曲:⼤島こうすけ
02. 恋心
 作詞作曲:逹瑯 編曲:⾜⽴房⽂
※Sound Producer:大島こうすけ
▼DLカード収録 ※限定盤のみ
・2023年1⽉8⽇に開催された<1st Anniversary 逹瑯ONE MAN SHOW「Kitchen Guys 1st Kitchen Party」>ダイジェスト映像
・「残刻」MV オフショット映像


▲2ndシングル「残刻」限定盤


▲2ndシングル「残刻」通常盤

■2ndシングル「残刻」詳細発表&リリースイベント

①【特典お渡し会】
2023年3月14日(火)夜時間帯〜@都内某所
2023年3月15日(水)夜時間帯〜@都内某所
※開催時間・会場・対象店舗は後日発表
内容:特典お渡し会※商品及び特典はイベント当日にお渡しいたします。
対象商品:「残刻」通常盤(品番:DCCA-1105) 価格:1,500円(税込)
②【オンラインおしゃべりサイン会】
2023年3月22日(水)オンライン
※開催時間・対象ECサイトは後日発表
内容:オンラインで1分間おしゃべりとサイン会
※CDジャケットにお名前とサインを入れさせていただきます。
※無記名はNGとさせていただきます。
※商品はイベント終了後日発送となります。
対象商品:「残刻」通常盤(品番:DCCA-1105) 価格:1,500円(税込)
③【私物サイン会】
2023年3月21日(火祝)昼時間帯〜@都内某所
※開催時間・会場は後日発表
内容:私物サイン会
※ご持参いただいた私物にお名前とサインを入れさせていただきます。
※無記名はNGとさせていただきます。
対象商品:「残刻」限定盤(品番:DCCA-1103〜1104) 価格:2,500円(税込)
④【オンライントークイベント】
2023年3月28日(火)夜時間帯〜@オンライン
※開催時間・対象ECサイトは後日発表
内容:オンライントークイベント視聴※アーカイブ配信有り
対象商品:「残刻」限定盤(品番:DCCA-1103〜1104) 価格:2,500円(税込)
※詳細は参加券をご確認ください。


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