【インタビュー】HYDE、ギャングコーラスが躍動する新曲「6or9」完成「やっぱりメインはライヴで、そこに僕は自信がある」

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HYDEが2023年第二弾シングル「6or9」を配信リリースした。同新曲は2022年のライヴハウスツアーや全国ツアー<HYDE LIVE 2023>、夏フェス、さらにアレンジを変えてTHE LAST ROCKSTARSの公演でも披露されるなど、既にライヴで欠かせぬナンバーだ。その特徴的なコーラスパートは現在、声出し解禁の醍醐味を浴びることのできるハイライトとなっていることをはじめ、曲のポテンシャルは実証済みである。

◆HYDE 画像 / 動画

リリース日はタイトルにちなんで6・9が反転した9月6日。アグレッシヴなEDMビートが高揚感をもたらし、呪術的な妖しいメロディーラインに惹き込まれていく狂暴かつ美しい新曲の完成だ。何よりHYDEの歌声が魅惑的でもある。楽曲制作のバックグラウンドを掘り下げると同時に、夏フェス出演の手応え、THE LAST ROCKSTARSの今、9月9日および10日に幕張メッセイベントホールで開催される全国ツアーファイナル<HYDE LIVE 2023 Presented by Rakuten NFT>について話を訊いた。


   ◆   ◆   ◆

■ライヴに似合う曲にしたかったので
■ハードロックテイストのラウドな感じを


──6月にリリースされた2023年第一弾シングル「TAKING THEM DOWN」に続き、9月6日に配信リリースされる第二弾シングル「6or9」は、ライヴでは既にお馴染みの曲です。レコーディングされた音源は、デジタルなビートが強調されたアレンジがカッコいいですが、いつ頃つくられた曲なのですか?

HYDE:ずいぶん前、『UNDERWORLD』(VAMPSの4rdアルバム/2017年4月発売)のレコーディングの時には既にありましたね。アメリカのラスベガスでみんなに聴かせた記憶があるから。でも、あまり評判が良い感じではなくて、“じゃあ寝かせておこうかな”と。だけど、自分的には気に入っていたので、その後、その曲を友だちとかに聴かせたらすごく評判が良くて、そこから自信がついて。自分用にアレンジし始めて、去年やっとライヴで披露した、という流れですかね。

──いちばん最初は、どんなイメージの中から生まれてきた曲だったのですか?

HYDE:もともとこのリズムで、でも、ちゃんとノリはロックで。“こういう曲いいな”と思いながらつくりましたね。今どきのダンス系の曲はテンポが速いので、今出したらカッコいいなと思ったし。


──悲劇と喜劇、泣くことと笑うこと、様々な対比が歌詞には出てきます。どんなイメージで言葉を選び、歌詞はどの段階でフィックスしたんですか?

HYDE:わりと最近で、この半年ぐらいですね。

──その時のHYDEさんの心情が表れているんでしょうか?

HYDE:いや、全然関係ないです(笑)。“どんな曲にしようかな?”と思った時、わけの分からない内容がいいなって。ジミヘン (ジミ・ヘンドリックス)に、“6か9かよく分かんない。どっちだろう?”みたいな曲(「If 6 Was 9」)があって、“あ、その感覚いいな”と思ったんです。

──トリップしているような感覚ですかね。

HYDE:パーティー中で酔っぱらって、寝転がったら上か下かもよく分からない、みたいな内容がいいな、と思ったんですよね。悲劇だけど、遠くから見たら喜劇みたいな。6も9もひっくり返して見たらどっちか分からないし。大した意味はないです(笑)。意味というよりもサウンドとして、言葉の響きや言い方のほうが、僕的には重要だった。仮歌の段階で“♪si si six or na na nana nine”とか入っていて、そのイメージから「6or9」という言葉が浮かんできた、という感じでしたね。

──“♪Wo Wo”というコーラスパートは、声出し解禁ライヴとなって以降、コール&レスポンスのハイライトになっています。あの要素は最初からあったんですか?

HYDE:うん、もちろんありました。むしろそれがメインで、音程にも結構こだわっていて。あまり高過ぎると、女の子の声だけがライヴで響いちゃうんですね。女の人しかいい声を出せないキーだと、男の人が歌おうとすると裏声になっちゃうから、男も太い声で歌えるいいポジションを探って。両方にとってバランスがいいだろうなと思えるように、キーに結構気ぃ付けました。キーだけに(笑)。

──ダジャレをありがとうございます(笑)。ライヴのコール&レスポンスをそこまで具体的に、音程まで想定してつくられていたんですね。

HYDE:そうですね。僕らはギャングコーラスと呼んでるんですけど、コーラスがちゃんとギャングに聴こえるように。

──クレジットに入っているAPAZZIさんというお名前は、HYDEさんの曲では初めて見た気がするんですが。

HYDE:実は、彼とのプリプロはこれまでもあったんですよ。「GLAMOROUS SKY」とかもそうで、何回かプリプロの段階でお願いしていて。5年前につくっていたバージョンからは一旦離れてしまって、その後は、バンドメンバーのhicoとかと作業するようになったから、最終的なアレンジは彼とは作業してないんですけど、本当に初期の段階の打ち込みの音とかを彼がやってくれていて。基本的なメロディーやコードは僕が考えていったので、その頃の原型はほぼないんですけどね。THE LAST ROCKSTARSのライヴでの「6or9」は、久しぶりに参加してくれて、彼がメインでアレンジしてくれました。

──APAZZIさんはアイドルの曲なども多数手掛けていらっしゃる方ですよね。検索すると、乃木坂46の「インフルエンサー」をはじめ、AKBグループの膨大な楽曲に関わっておられるようです。

HYDE:そうそう、僕が出会った当時はそこまでアイドルの曲は手掛けてなかったと思うんだけど、気づいたら人気者になっていて。彼とは不思議な縁があって、僕が昔住んでいたマンションに住んでいたらしくて、「HYDEさん、昔ここに住んでましたよね?」って言われました(笑)。今は引っ越したみたいだけど、まったくの偶然。


──サウンド面では、デジタルなリズムトラックに、メタル感のある熱く狂暴なギターリフも入っていますね。

HYDE:やっぱり僕が今やっているライヴに似合う曲にしたかったので、ハードロックテイストのラウドな感じは出しておきたいな、と。上手く共存できると思ったので。

──ヴォーカルレコーディングの時は、特にどんなことを心掛けられましたか?

HYDE:一回録ってみたんですけど、なんとなくイマイチで。“あれ? こんな曲だったっけな”という感じだったんですよね。それで昔のデモ音源を聴いてみたらそっちのほうが声がカッコ良かった。ギャングコーラスも含めて全体的にいいシャウト加減で、“昔に負けてるな”と思ったから、声の感じとか、デモ音源の自分の歌い方を意識してもう一回録り直しましたね。

──日本語と英語が入り混じったラップパートも聴きどころですね。

HYDE:そうですね。普段は日本語を歌う時、ちゃんと聴こえるとか聴こえないとか、ディレクターとかによく言われるんですよ。

──言葉がハッキリ聴き取れるよう、ディレクションされるわけですね。

HYDE:でも今回は、日本語に聴こえなくていいから、あえてサウンド重視で歌いました。 歌詞は見れば分かるし、別に一聴して伝わらなくてもいいな、と思って。

──そのほうがカッコいい仕上がりになる、というヴィジョンが明確にあったんですね?

HYDE:振り切るのが大事だな、と思ったんですよね。言葉が明確に聴こえるとか聴こえないとか、そんなの気にして聴いてない人もいるでしょ。最近音楽を聴いていて、たとえば最近好きなCVLTEとか、もうほとんど日本語に聴こえないじゃないですか。でもそっちのほうがカッコいいな、と思うこともたぶんにあって。

──CVLTEは、HYDEさんが2022年に開催されたスタンディング形式の対バンライヴツアー<HYDE LIVE 2022 RUMBLE FISH>でも共演した若き才能です。そういった交流から、刺激や影響を受けられることもあるんですね。

HYDE:もう、それはいっぱいありますよ。音楽的にもそうだし、いろいろな人からいろんな刺激を受けないとやっぱりダメですね。

──すごく柔軟でいらっしゃるんですね。

HYDE:そういう他の音楽を聴いた時に、悔しいじゃないですか。 だから他の人のライヴを観て、パフォーマンスも含めてだけど、 “負けたくないな”って思います。

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