【速レポ】<中津川ソーラー>ROCKIN' QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁)、「素晴らしい企画になった」

ツイート
no_ad_aritcle

バイオリニストNAOTO率いる弦楽四重奏とロックアーティストで奏でるROCKIN' QUARTETが4年ぶりに<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>のRESPECT STAGEに帰ってきた。

◆ライブ写真

今回コラボレーションするのは、内澤崇仁(androp)、村松拓(Nothing's Carved In Stone)、ホリエアツシ(ストレイテナー)、TOSHI-LOW(BRAHMAN / OAU)、大木伸夫(ACIDMAN)という5人のアーティストだ。それぞれのバンドの曲、ライブで馴染みのある曲がどうアレンジされ、またどんな化学反応が起きるのか。観客の期待感も高く、RESPECT STAGEには多くの人が詰めかけ、NAOTOを筆頭にバイオリン、チェロ、鍵盤奏者がステージに登場すると大きな拍手が起こった。


真夏のような昼間の気温から一転、陽が落ちてひんやりとした秋の風が会場を包むRESPECT STAGEに響きわたったのは、晴れやかなバイオリンの音色によるandrop「Yeah! Yeah! Yeah!」のイントロだ。トップバッターである内澤崇仁は伸びやかなボーカルで歌い出すと、会場が明るさを増す。夏フェスの定番曲であるアッパーで力強いビートが冴えるシンガロングチューン「Yeah! Yeah! Yeah!」だが、このアレンジはストリングスならではの舞い上がる軽やかさがあって、内澤が客席にマイクを向けると自然と観客のシンガロングも大きくなる。

続く「SuperCar」では前奏でたっぷりとコール&レスポンスで盛り上げる。オリジナルではビターなサックスの音色が都会的なダンスナンバーだが、ジャジーなピアノと弦楽器で彩るROCKIN' QUARTETバージョンは高揚感たっぷり。内澤は「ROCKIN' QUARTET一発目なので、僕の盛り上がりが後のパイセンに響いてくるのでよろしくお願いします」なんて言いながら、サウンドに体を預け、ステージを闊歩し楽しそうに歌を紡いでいく姿が印象的だ。



▲内澤崇仁(androp)

続いて、メロディアスなピアノと観客の拍手に迎えられ登場したのは、村松拓(Nothing's Carved In Stone)。弦楽器のふくよかな響きと低音が豊かな村松のボーカルとの相性はぴったりで、ムーディなピンク系のライティングとあいまって幻想的な世界を織りなしていった「シナプスの砂浜」が素晴らしい。Nothing's Carved In Stoneの緻密で構築的なアンサンブルを弦楽器のアレンジはより肉感的に表現する感じで、グラマラスなサウンドがボーカルの繊細さと大胆さを引き出している。曲の新たな一面を見せてくれるコラボだ。

続く曲では、「せっかくなのでスペシャルコラボやらせてもらってもいいですか」と村松はホリエアツシ(ストレイテナー)を呼び込んで、Nothing's Carved In Stoneの「Out of Control」をふたりのボーカルで贅沢に聴かせた。爆発的なダイナミズムを生むバンドでのサウンドとは一味違って、ピアノ、バイオリン、チェロによるグルーヴィなリフが会場の温度を上げる。ふたりとも普段はフロントマンとしてバンドのサウンドを背負う気迫があるが、グルーヴに乗って大きくステップを踏んだり、音に乗る楽しさを全身で表現するステージとなった。



▲村松拓(Nothing's Carved In Stone)


▲村松拓×ホリエアツシ

メロウなピアノの調べでスタートしたのはストレイテナーの「イノセント」。ピアノとホリエアツシのジェントルな歌声が混じり合い、NAOTOがバイオリンのボディを叩きゆったりとビートを生み、チェロが柔らかな低音でメロディに陰影をつける。楽曲への最大限のリスペクトを感じるメロディやホリエのボーカルの強さ、奥行きを生かしたアレンジが美しい。

もう1曲の「Curtain Falls」はより歌心を生かし、歌の世界やドラマ性を鮮やかに描いていくアレンジになっている。普段ストレイテナーのライブでは、ギター&ボーカルとして、または鍵盤を奏でながら歌っているホリエだが、このROCKIN' QUARTETではいちボーカリストとして、歌や曲にまっすぐに向き合って、より純度高く、その曲のメロディラインや言葉、エモーションを描いていく感覚がある。際立つのは、ストレイテナー、ホリエの描くエバーグリーンなメロディの魅力だろう。キャッチーさというのともまた違う、するりと耳に飛び込んで琴線に触れる豊かな旋律にしっとりと酔う。そんなステージだ。



▲ホリエアツシ(ストレイテナー)

弦楽四重奏とロックアーティストの意外なコラボということで、この曲がこうなるのかという驚きで満ちていたのがBRAHMAN / OAUのTOSHI-LOWとのコラボレーションだった。今回の曲はBRAHMANの「今夜」と「BASIS」。「今夜」はミディアムテンポでエモーショナルな歌が沁みる曲だ。緩急やダイナミックレンジの広さを活かした楽曲は生身のバンドサウンドがあってこそという固定観念のようなものがあるかもしれないが、2曲とも曲の心臓たる熱量を削ぐことない弦楽四重奏のアレンジとなっており、客席に瞬時に興奮が広がっていくのがわかる。より感情の機微があらわとなったTOSHI-LOWのボーカルが、会場の空気をがっちりと掴んで、曲が進むとともに歓声が大きくなる。

特に「BASIS」では、TOSHI-LOWが普段のライブそのままにダイナミックに腕を振り上げ、気迫を叩きつけていく。饒舌で美しい弦楽器のアンサンブルでありながら、どこまでもロックでパワフル。歌、ボーカルの魅力、威力にも改めてダイレクトに触れる感覚で圧倒された。



▲TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)

ROCKIN' QUARTETのトリを務めるのは、大木伸夫(ACIDMAN)。2017年にスタートしたこのライブイベントの第一弾に出演したのが、大木だった。そこから約6年、この<THE SOLAR BUDOKAN>でのステージも含め、様々なロックアーティストたちが出演してきたROCKIN' QUARTETの歴史を振り返り、「素晴らしい企画になったなと思っています。親心のような気持ちです」と大木は語る。このROCKIN' QUARTETというライブイベントの中でも最も回を重ねているのが大木だと思うが、NAOTOが第一弾に大木を選んだのも、その曲を聴けば納得だろう。ACIDMANの曲はとにかく弦楽器での表現がはまる。

このステージでは、「ALMA」「世界が終わる夜」を披露したが、バイオリンとチェロで繊細なタッチで、曲の世界を色付けていくのはとてもドラマティックだ。観客も曲の世界にどっぷりと浸っているようで、「ALMA」を終えるとわっと大きな拍手が起こる。大木は「足が痛いわけでも腰が痛いわけでもなく、カッコつけたいので、座りながらやります」とリラックスした感じで歌っていたが、「世界が終わる夜」はその落ち着いた雰囲気が似合う。ひとつひとつの言葉をパーソナルに語りかけるような歌声から、アンサンブルとともに徐々に高揚して、大きな世界と溶け合っていく。RESPECT STAGEを揺るがすような重厚な歌と音色とに、観客は惜しみない拍手と歓声を送った。



▲大木伸夫(ACIDMAN)

ラストはボーカリスト全員も呼び込んで、拍手喝采の中、NAOTOの「一同、礼」の号令でステージを終えたROCKIN' QUARTET。ひとり2曲ずつということであっという間の時間だったが、その余韻をいつまでも味わえる濃厚な時間でもあった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎三浦麻旅子

■セットリスト

1. Yeah! Yeah! Yeah! (Vo:内澤崇仁)
2. SuperCar (Vo:内澤崇仁)
3. シナプスの砂浜 (Vo:村松拓)
4. Out of Control (Vo:村松拓&ホリエアツシ)
5. イノセント (Vo:ホリエアツシ)
6. Curtain Falls (Vo:ホリエアツシ)
7. 今夜 (Vo:TOSHI-LOW)
8. BASIS (Vo:TOSHI-LOW)
9. ALMA (Vo:大木伸夫)
10. 世界が終わる夜 (Vo:大木伸夫)

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2023>



9月23日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月24日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 ※予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
▼出演
【9月23日(土)】androp / BREIMEN / Caravan / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト / いとうせいこう is the poet / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾) / NakamuraEmi / OAU / PLECTRUM / ROCKIN’ QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁) / ROCK’N’ROLL GYPSIES (花田裕之, 下山淳, 池畑潤二, 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし / ヤバイTシャツ屋さん / DUCK HOUSE
【Village Of illusion】ermhoi / Kaoru Inoue / DJ KENTARO / 武藤昭平 with ウエノコウジ / OBRIGARRD / Rei / TOMOYUKI TANAKA (FPM)
【9月24日(土)】シアターブルック w/ 河村隆一 / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue (佐藤タイジ, KenKen, Omar Gaindefall, 津田悠佑, 佐々木俊之, Naoto) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS / 吉川晃司 / 木村カエラ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / STOCKMAN / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 Solar Session / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし

▼チケット
・2日通し入場券 15,900円
・9月23日(土) 入場券 9,800円
・9月24日(日) 入場券 9,800円

【各プレイガイド】
▼イープラス
https://eplus.jp/ntsb23/
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/solarbudokan-23/
Pコード:2日通し入場券:780-841 / 1日入場券:248-631
▼ローチケ
https://l-tike.com/solarbudokan/
Lコード:42780
▼サンデーチケットセンター
https://www.sundayfolk.com/go/ntsb2023/
▼プレイガイドぎふ
https://www.cnplayguide.com/gifu-np/
※キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付

【往復シャトルバス乗車電子チケット】
中津川駅(にぎわい広場)⇆ 会場(中津川公園)
http://solarbudokan.com/2023/access/index.html#sec-4
【フード&フリマ出店】
http://solarbudokan.com/2023/area/shop/
【オフィシャルグッズ】
http://solarbudokan.com/2023/goods/
【公式アプリ】
アーティストの出演日程やタイムテーブルに加え、プレイリストを試聴できるなどの機能を搭載
・iOSアプリ:https://apps.apple.com/us/app/id1466179992
・androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.solarfes

主催:中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会



■“こどもソーラーブドウカン2023”コンテンツ紹介

【うじキングダム こどもパレード】※協力:株式会社ヤイリギター

▲うじキングダム こどもパレード


▲内澤崇仁(androp)
今年もこどもソーラーブドウカン国王にうじきつよしが就任。「うじキングダム こどもパレード」と題して、ギター&パーカッション教室とパレードを実施。うじきつよし&内澤崇仁(androp)共作によるこどもソーラーブドウカンテーマソングでパレードを行う。
出演:うじきつよし、内澤崇仁(androp)、辻コースケ、伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)…and more

【HY HeartY Village@こどもソーラーブドウカン】

▲HY HeartY Village
HYのメンバーと一緒に自然の物や身の回りの物を少し工夫して、楽しい楽器を作ります。作った楽器でHYとセッションも。
※申し込み方法など詳細は後日発表

【ドラムであそぼう】※協力:パール楽器製造株式会社

▲こどもドラム教室
ドラムの老舗メーカー パール楽器協力、キッズドラムセットが登場。ドラムを叩いたことがない初心者も大歓迎。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのドラマー伊地知潔が先生として登場する『こどもドラム教室』も開催する。

【水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室】※協力:トヨタ自動車株式会社
未来のエネルギー水素の特長を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」の3つのシーンで学び、みんなで実際に水素を作る実験をします。作った水素で燃料電池自動車「MIRAI」の模型を走らせてみよう。

【RAV4で快適キャンプ体験】※協力:トヨタ自動車株式会社 ✕ KEEN

▲伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)


▲NAOTO
TOYOTA RAV4の給電を使って快適キャンプ体験を楽しむ。人気ブランド「DOD」、アウトドア・フットウェアブランド「KEEN」がキャンプギアを提供する。TOYOTA RAV4の給電と調理家電を使用した『キャンプ料理教室』も開催。
出演:伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES) ✕ NAOTO(Violinist)

【みんなで作る「太陽のステージ」】※画家 近藤康平 ✕ 木こりの熊さん 監修

▲木こりの熊さん
木を切る・画を描く、何をやっても自由。こども自身が作りたいアート作品を画家 近藤康平と木こりの熊さんが一緒に制作。出来上がった作品は、こどもソーラーブドウカンのメインステージ「太陽のステージ」の装飾として取り付けられていく。2日間でどんなステージが出来るのか? 誰もわからない。進化する「太陽のステージ」は必見。

【TOYOTA こどもソーラー食堂 BY 伊地知潔】

▲水素で動くFCキッチンカ
料理研究家としても活躍するドラマー伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)が、キャンプでこどもも楽しめる簡単レシピを考案。こどもソーラーブドウカンで料理教室を行う。水素で動くFCキッチンカーを使った「TOYOTA こどもソーラー食堂」が登場。伊地知潔監修によるキャンプでこどもも楽しめる簡単料理を限定無料配布決定。

【中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ】

▲中津川少年少女合唱団
幼稚園年中から中学3年生までのこども達によって美しいハーモニーを響かせる『中津川少年少女合唱団』が、昨年に続き今年も登場!結成から22年を誇る合唱団のOBも参加する『中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ』をどうぞお楽しみに。

【Moving eによる「こどもソーラーブドウカン」への電力供給】

▲Moving e
水素から電気を生み出すMoving eを使って、こどもソーラーぶどうかんエリアへ電力を供給。Moving eは大容量水素を搭載する燃料電池バスと、可搬型外部給電器・可搬型バッテリーを組み合わせたシステムで、電力供給量は最大約490kWh。

■クラウドファンディング“ソーラーサポートプロジェクト”


▼受付サイト
クラウドファンディングサービス“Fanpla Action”
https://action.fanpla.jp/tsb2023
▼参加受付期間
9月5日(火)19:00~9月30日(土)23:59
※印の下記コースはリターン品発送の都合上、9月13日(水)23:59まで
▼サポートコース一覧
・ソーラーサポーター コース:1,000円(税込)
・エコバッグ コース(※):2,500円(税込)
・もみ殻リユースカップ コース(※):3,000円(税込)
・Tシャツ コース(※):4,500円(税込)
・サイン入りTシャツ コース(※):10,000円(税込)
・バックステージツアー コース(※):10,000円(税込)
・アフタートーク コース(※):10,000円(税込)
▼サイン入りTシャツ参加アーティスト(順不同)
・LOW IQ 01
・a flood of circle
・JUN SKY WALKER(S)
・the band apart
・NONA REEVES
・Omoinotake
・土岐麻子 with 堀込泰行
・Nothing's Carved In Stone
・ストレイテナー
・androp
・佐藤タイジ


この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス