【インタビュー】-真天地開闢集団-ジグザグ、音源集『慈愚挫愚 四 -最高-』に人間性「武装が剥がれたありのままの自分が出た」

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-真天地開闢集団-ジグザグが10月4日、第四完全音源集(4thアルバム)『慈愚挫愚 四 -最高-』をリリースした。アルバムタイトルにその時々の心境を冠してきた彼らが、今回の音源集に選んだ言葉は、“最高”だ。

◆-真天地開闢集団-ジグザグ 画像 / 動画

2022年11月に初の武道館単独禊を成功させた-真天地開闢集団-ジグザグは、<ROCK IN JAPAN FESTIVAL>や<メトロック>といった大型フェスはもちろん、<イナズマロック フェス>や<猿爆祭>などアーティスト主催フェスからも引っ張りだこ。そしてリリースされる『慈愚挫愚 四 -最高-』は、キャッチーでストレートな明るさをまとった普遍的なポップソングが心躍らせる。バンドの状態の良さが完全音源集からも伝わる仕上がりだ。

命曰く、「本来の僕はたぶん、今回の収録曲のような人間なんですよ」という各曲のサウンド、プレイ、リリックについて、メンバー自ら徹底解説するロングインタビューをお届けしたい。なお、-真天地開闢集団-ジグザグは11月より『慈愚挫愚 四 -最高-』を掲げて動員約2万人規模の初全国ホールツアー<全国開闢禊 -最高->を開催する。


   ◆   ◆   ◆

■命さんは明るくて、優しくて、ストレート
■そういう部分が曲展開とか歌詞に出てる


──第四完全音源集『慈愚挫愚 四 -最高-』の制作は、どんなふうに始まったのでしょう?

命:じわじわという感じでしたね。完全音源集を作ろうと思ってスタートしたわけではなかったので。もともとは、今年春くらいにミニアルバムのようなものを出したいというところから始まったんですけど、曲が出揃わなくて無理かなということで取りやめて。もう一回しっかり時間をかけて、練って、秋口くらいに完全音源集を出そうということになったんです。

──ミニアルバムからアルバムへとボリュームアップさせて、さらにより完成度の高いものをと。

命:そこから今の空気感とかを見ながら、こんな曲が合うんちゃうかなとか、なんやかんやしてじわじわと曲が出揃っていった感じで。ただ、そのときは完全音源集の方向性が定まっていなくて、ふわっとしていたんです。

──方向性が決まったのは?

命:わりと最後のほうにタイトルが決まって。そのタイミングで、タイトルに引っ張られるように曲が埋まっていったというか。歌詞とかも一気に書けたんです。だから、タイトルが決まったことでベクトルが定まったというのはありましたね。

──『慈愚挫愚 四 -最高-』は躍動感や煌びやかさを湛えた作品で、“最高”という言葉が似つかわしいです。発案者はどなたですか?

命:影丸が発案したんです。

影丸:偶然の産物みたいなものなんですけど。

命:今までの完全音源集のタイトルって、バンドの状況を表してるものだったんですよ。『真天地』だったり『大殺界』だったり。「今、どんな状況?」ってメンバーで話してたときに、影丸が最初に「最高!」って言って。冗談のつもりだったみたいなんですけど、“カッコいい、おもろい、楽しい、意味わからん”…そういうタイトルですよね、『最高』って。それってめっちゃジグザグっぽいと思ってタイトルにしました。


▲命(Vo, G)

──曲の傾向として、これまでの-真天地開闢集団-ジグザグは大胆な場面転換を活かしたり、効果的なフックを入れ込んだものが多かったのに対して、今回はストレートな楽曲が核になっていますね。

命:別に狙ったわけではないです。本来の僕はたぶん、今回の収録曲のような人間なんですよ。だから、自分をさらけ出したというか。あまり自覚がなかったんですけどね。

──アルバムが、それを自覚させてくれたと。

命:今回のアルバムインタビュー取材で「どういう完全音源集ですか?」って龍矢が聞かれたとき、「命さんっぽい音源集です」と答えたんです。「命さんの人間性が過去イチ表れている」と。

龍矢:直接会って命さんと話をするとわかると思うんですけど、明るくて、優しくて、ストレートな人なんですよ。今回はそういう部分が、曲の展開とか歌詞にすごく出ているなと思って。だから僕の中では、素の命さんらしい完全音源集だなという印象です。

命:それを聞いて、たしかにそうかもと思ったんです。今まで変にカッコつけていたというか、取り繕っていたというか。目指してる音楽とか憧れてる音楽ってあるじゃないですか。これまでは、“こういうカッコいいことをやりたい”って気持ちが強かったんだと思うんです。だから、自分自身そのものというより、少し武装しているようなところがあった。だけど、今回はそれが全部剥がれて、ありのままの自分が出ているんじゃないかな。

影丸:命さんの性格はよく知っているので、今回の完全音源集に“変わった”という印象はあまりないんです。もともとどんな曲がきてもおかしくないバンドだし、今、2人が話したように、今回はこれまでより命さんらしさが出たという印象だけど、でもそこに違和感はない。

命:小賢しいところがないというか、味付けでごまかすんじゃなくて、素材で勝負しているという感じかもしれない。

──コンポーザーとしてのスキルの高さを再認識しました。ストレートながら物足りなさを感じさせないし、ロック感やバンド感が損なわれてないし。

命:そう感じていただけたなら良かったです。バンドサウンドとかバンド感というところは、今までで一番出ているかもしれない。

影丸:より濃くなっていると思います。

──さらに、曲調の幅広さを兼ね備えていることも見逃せません。

命:そういうものにはなったかなと思います。今回の完全音源集の曲は、もう全部気に入っています。

影丸:僕も同じです。本当にいろんな曲が入っているし、どの曲も好きですね。


──そのうえで、それぞれ特に印象の強い曲を挙げるとしたら?

影丸:強いて挙げるなら、僕は1曲目の「おっかちゃん」です。

命:そこ(笑)?

影丸:うん(笑)。命さんひとりで制作が完結した曲だから、もともとデモ音源はなくて。僕は「全曲のマスタリングが完成しました」って音源をいただいた時…曲順はバラバラだったので、シャッフルみたいな状態だったんですけど、東京へ向かう新大阪駅のホームに新幹線がきた時、ちょうどiPodから流れてきたのが「おっかちゃん」で。初めて「おっかちゃん」を聴いたその時に、すごく背中を押されたんですよね、“がんばろう!”って。そういうエピソードもあるので、僕の中で一番印象深いんです。

龍矢:「おっかちゃん」から完全音源集が始まるというのも、-真天地開闢集団-ジグザグらしくていいですよね。

命:この曲は勢いで完全音源集に収録したというかね。

──完全音源集のために作ったんでしょうか?

命:もともとあのアコギとメロディーはあったんです。だけど昔、本当にふざけて作ったから、「デイゴの花」みたいな仮タイトルだったし(笑)。今回のタイミングで、“そういえば、「デイゴの花」があったな”って掘り出してアレンジしようと思った時…どういうわけか“おっかちゃん、ワシな…”みたいなセリフが出てきたんです。

龍矢&影丸:ははは!

命:そのセリフを録って聴き返したら、“めっちゃ訳わからん!めっちゃおもろい!”と自分的にツボって、絶対に完全音源集に入れたくなったという(笑)。完全音源集のオープニングにしようということは後から決めたんですけど、並べて聴いた時に“1曲目はもうこれしかないな”とは思いました。

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