島村楽器、2023年度上半期「売れた楽器ランキングTOP10」発表

ツイート

島村楽器が、島村楽器の店舗で2023年度上半期に売れた楽器ランキングTOP10を発表した。

今回も、音楽アニメの影響が色濃く表れたランキングになった。まずはガールズバンドを題材にしたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の影響から、エレキギター、エレキベース、エフェクター、アンプが上位にランクイン。この傾向は昨年の秋から続いているため、軽音楽系の楽器を楽しむ人が今後も増える可能性が高い。

管楽器は、コロナ禍の期間に大きな落ち込みがあったが、その復調傾向がまだ続いている模様。コロナの制限緩和により、学校等のイベントによる吹奏楽の演奏機会が復活しており、それらの活動の活発化が管楽器が好調な売上につながっていると思われる。今期は、管楽器の中でも比較的マイナーで高単価な楽器の売上が伸びている傾向が伺える。

ジャズを題材にした『BLUE GIANT』の影響でテナーサックスがランクインしたことや、吹奏楽部を題材にした『響け!ユーフォニアム』などの劇場版が次々と公開されたことからも、管楽器のコロナ禍からの復調が続いている要因となっているようだ。

楽器を始めるきっかけとしては様々な理由があるが、アニメや漫画といった作品から影響を受けて楽器を始める人も多い傾向があると言える集計となった。

<2023年度上半期 売れた楽器ランキング>
【対象期間】2023年度上半期(2023年3月~2023年8月)
島村楽器全店の楽器の売上件数を前年同時期・既存店ベースで比較し、売上件数が伸びた楽器ランキング

●1位:ホルン
前回2022年度下半期ランキングで、3位にランクインしたホルンが今回は1位。ホルンは、金管楽器の中でも特に演奏が難しい楽器と言われているが、独特なフォルムと深みのある温かい音色で根強い人気がある楽器だ。管楽器はコロナの制限により売上に大きな落ち込みがあったが、制限が緩和され、コロナ禍以前のように入学式や体育祭等のイベントで吹奏楽の演奏をする学校が増えてきている。それらの活動の活発化が、管楽器の好調な売上につながったと考えられる。

●2位:マルチエフェクター
マルチエフェクターも前回に引き続きランクイン。マルチエフェクターは、1台に複数の種類のエフェクトを搭載している機材だが、自分の好みの音を設定したり、設定した音色を簡単に呼び出したりすることができる便利な機能がついているのも人気の理由。こちらは、アニメ化されたガールズバンドを題材にした人気漫画の影響によりエレキギターと共に売上を伸ばしたが、今後もバンド活動を楽しむ傾向が続くかどうか注目される。

●3位:エレキギター
前回は、ガールズバンドを題材にしたアニメによる影響もあり、エレキギターの売上が大幅に伸びた。劇中に登場した楽器のいくつかは品薄状態が続いているものもまだあり、その影響がまだ継続していると思われる。ブームが短期間で終わるのでなく、バンドや自分でエレキギターを楽しむ傾向が長期化するかどうか注目だ。

●4位:エレキベース
エレキギターと同じくエレキベースも前回と同様にランクイン。こちらもアニメによる影響が大きかったようだが、今期も売上は好調で、エレキギターと同じくバンドで楽しむ傾向が長期化するかどうか注目される。ベースの魅力は重量感のある太い低音で、楽曲の基調となるリズムを刻むという重要な役割を果たしており、知れば知るほどその魅力に取りつかれる人が多い楽器だ。

●5位:アンプ
アンプとはエレキギターやエレキベースから送られる音信号を増幅し、大きな音を出すための装置で、日頃の練習にはもちろんのこと、バンド活動をする上では欠かせない機材のひとつ。マルチエフェクター、エレキギター、ギターベースと同様、こちらについてもアニメの影響が続いていると考えられる。アンプはサイズやブランドによって出力する音の大きさや音色の傾向が異なり、様々な機種があるので、自分の好みに合ったアンプを探すのも楽しみの一つ。

●6位:ユーフォニアム
ユーフォニアムは金管楽器の一種で、吹奏楽では欠かせない楽器。 柔らかい音色が心地よさが魅力となっている楽器だ。吹奏楽の楽器の中でも比較的地味な存在だったが、2010年代よりユーフォニアムの題名がついているアニメが放映され、大きな話題となり知名度は大きくアップ。ホルンと同じく、コロナ禍の期間に大きな落ち込みからの復調傾向から続いており、前期より売上が伸びていると思われる。

●7位:テナーサックス
サックスは管楽器の中でも非常に人気が高い楽器で、多くの人の憧れの楽器。今回ランクインしたテナーサックスは、アルトサックスより音程が低く中低音が魅力。従来から人気のある楽器だが、今年は主人公がテナーサックスを演奏する人気音楽漫画のアニメ映画化が話題となったので、その影響も大きいと思われる。

●8位:コンパクトエフェクター
コンパクトエフェクターは、ギターやベースから出た音信号に対して1種類のエフェクト効果を与えるもの。操作性や視認性が高いことや、デジタルにはないアナログ特有の音質を好む人が選ぶ傾向にある。こちらもランクインしたのは、アニメの影響が続いていると考えられる。ある程度使いこなせるようになれば、複数のエフェクターをつないで自分だけのサウンドを作れるようになるのも魅力の一つ。

●9位:チェロ
今回ランクインしたチェロは、弦楽器の中でも人気が高く憧れの楽器。最近では、高校オーケストラ部を舞台にした主人公がヴァイオリンを弾く漫画が人気となり、学生のオーケストラ部が注目されており、弦楽器自体に対する学生需要が増えている可能性がある。また、2022年上半期でランクインしたときの要因として上げた海外情勢による、輸送費の高騰や円安の影響がまだ続いていることから、さらなる値上げが進む前に購入したいと考える人がいることも要因の一つだと考えられる。

●10位:ホイッスル
前回に引き続きホイッスルがランクイン。ホイッスルは「笛」の一種で、価格も手頃で気軽に楽しめる楽器。ホイッスルは、人気のある動画が多数、動画サイトに投稿されておりそれをきっかけに知った人も多く、それらが影響していると思われる。

この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス